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大起証券株式週報


株式週報
2025/06/09(月)
【日本株】 ボックス相場を継続か
日経平均株価は、3万8,000円水準でほぼ横ばいの展開になった。米中首脳の電話会談を受けて、通商リスク軽減期待が浮上したことはポジティブ。米国株が底固さを見せたことで、日本株も堅調に推移した。大きく買い進むような動きまではみられずボックス気味の展開に留まったが、改めて戻りを売り込むような動きは鈍く、方向性を欠いている。約1ヵ月にわたって横ばいの値動きになっている。日本銀行の植田総裁は、無理に利上げを行わない姿勢を示した。サプライズ感は乏しいが、早期利上げ期待を後退させる発言は株価にポジティブ。ただし、週を通じて明確な方向性を打ち出すほどの勢いは見られなかった。


6月9日に米中通商協議が行われる。ここで通商リスクの軽減につながる動きがみられると、米国株はこのままボックス上限をブレイクした後の堅調地合が続き、つれて日経平均株価も上値追いの展開になる。3万8,500円水準でダブルトップを形成しているが、同水準を上抜くとチャート主導の買いも膨らみやすくなる。日本株に関しては、海外投資家の物色意欲が改めて強くなっている。また、値下がり局面では企業の自社株買い強化の動きも想定され、少なくとも下落余地は限定された相場環境との安心感が強い。日米通商協議に目立った進展が見られない中で、日本株が大きく上昇する環境にはないが、米中通商リスク軽減評価が維持されると、最近のボックス上限が打診される。ただし、トランプ米大統領の発言によっては、地合が一瞬にしてリスクオフに転換する可能性を抱えていることに注意が必要。


サイコロジカルは、前週の5勝7敗から7勝5敗に。14日RSIは59.93。


 今週の予想レンジ 3万7,000〜3万9,000円
   先週のレンジ 3万7,320〜3万7,868円
 
【米国株】 米中協議次第で上振れ
ダウ工業平均株価は、4万2,000ドル台をコアに底固く推移した。トランプ米大統領は鉄鋼とアルミの輸入に対する関税を25%から50%まで引き上げ、自動車業界など米経済に大きな不確実性をもたらしている。一方で、6月5日には米中首脳の電話会談が実施され、通商協議を進める基本方針が確認された。これを受けて通商リスクの軽減期待が浮上したことはポジティブ。原油など資源価格もやや底固く推移し、投資家のリスク選好性が高まった。一方、6月6日には5月雇用統計が発表されたが、景気リスクの織り込みを加速させるような展開にはならなかった。雇用市場の鈍化傾向が再確認されるも、米連邦準備制度理事会(FRB)に利下げ対応を急がせるような数値とは評価されていない。景気減速が警戒されるものの、急激な景気減速が発生している訳ではない強弱評価が割れる環境になった。


依然として先行き不透明感が強い地合だが、6月6日の取引でチャートは戻り高値を更新し、短期筋の物色意欲が強まりやすい環境になっている。このまま4万3,000ドルを上抜くと、ボックス相場をブレイクした反動からさらに1,000ドル程度の値上がり余地が認められる。特に9日の米中通商協議で進展が見られ、11日の5月消費者物価指数を無難に消化できると、投資家のリスク選好性が高まりやすくなる。ただし、米中通商協議が決裂し、トランプ大統領が何か緊張感を高める発言を行うと、一気に4万2,000ドル割れに向かうリスクを抱えていることには注意が必要。通商問題、景気減速懸念が大幅に解消された訳ではない。


サイコロジカルは、前週の6勝6敗から変わらず。14日RSIは60.91。


 今週の予想レンジ 4万1,700〜4万3,700ドル
   先週のレンジ 4万1,853〜4万2,924ドル
 
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