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大起証券株式週報


株式週報
2025/08/18(月)
【日本株】 業績拡大期待で底固い
日経平均株価は、4万3,000ドル台まで値上がりする展開になった。米国株が利下げ期待を背景に値位置を切り上げていることで、日本株に対しても投機マネーの流入が促されている。トランプ米政権の関税の影響で日本企業の業績環境には不透明感もあるが、それ以上に関税が確定したことが好感されている。4〜6月期決算は無難に消化したこともポジティブ。1株利益(EPS)の増加期待が強く、まずは株価収益率(PER)を引き上げる形での株高が正当化されている。また、株価の値下がり局面では旺盛な自社株買いの需要が確認されたこともポジティブ。需給面で値下がり余地は乏しいとの安心感がある。14日RSIが70ポイントを超えるなど過熱感も強くなっているが、底固さが維持されている。


8月21〜23日のジャクソンホール会議がイベントリスクになる。ここでも米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待が大きく損なわれることがなく、米国株が過去最高値更新を続けると、日経平均株価も4万4,000〜4万5,000ドル水準へのレンジ切り上げを打診しよう。ただし、日経平均株価は過熱感が極めて強くなっているため、持高調整のみでも1,000円程度は下げるリスクを抱えていることに注意が必要。押し目買い優勢の地合が修正を迫られる可能性は低いが、調整売りは膨らみやすい環境になっている。


サイコロジカルは、前週の6勝6敗から9勝3敗に。14日RSIは70.94。


 今週の予想レンジ 4万3,500〜4万5,000円
   先週のレンジ 4万2,083〜4万3,451円
 
【米国株】 利下げ期待の上昇続く
ダウ工業平均株価は、4万5,000ドル水準まで値上がりして過去最高値を更新した。トランプ米政権の関税によって米経済の先行き不透明感は強くなっているが、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しを背景に底固く推移している。雇用市場の急激な減速を受けて、9月の利下げ見通しが強化されている。米長短金利が大きく低下している訳ではないが、金融相場の目線から買いを入れる動きが優勢になった。S&P500種、NASDAQ指数に続いて、ダウ平均株価も過去最高値を更新し、一時4万5,000ドル台に乗せた。関税は米経済の減速感を強めている一方、インフレ高進への警戒感も高めている。ただし、現時点では深刻なリセッション(景気後退)入りが想定されている訳ではなく、利下げ期待の一点で底固い展開が続いた。


引き続き利下げ期待を背景とした堅調地合が想定される。まだ過熱感が乏しい一方、チャートは過去最高値を更新したことで、上値切り上げを狙いやすい環境にある。米金融政策環境が焦点になっている以上、8月20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、21〜23日のジャクソンホール会議が注目される。特に22日にパウエルFRB議長の講演が予定されているため、ここで利下げ期待を強化するような発言が聞かれると、このまま4万5,000ドル台へのレンジ切り上げが促されよう。チャート主導の買いも膨らむと、一気に4万6,000ドルに迫る可能性もある。ただし、逆にパウエル議長がマーケットに広がる利下げ期待を強くけん制するような発言を行った場合には、米金利上昇と連動した調整売りが膨らむリスクを抱える。


サイコロジカルは、前週の4勝8敗から5勝7敗に。14日RSIは60.49。


 今週の予想レンジ 4万4,200〜4万5,800ドル
   先週のレンジ 4万3,911〜4万5,203ドル
 
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