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大起証券株式週報


株式週報
2024/09/30(月)
【日本株】 政治リスクで様子見か
日経平均株価は、4万円の節目に迫る急伸地合になった後、3万7,000円台後半まで急反落している。為替市場で円高圧力が一服する中、9月上旬の3万5,000円台から着実に値位置を切り上げる展開が続いた。しかし、9月27日の自民党総裁選の決戦投票前は、日本銀行の利上げを批判している高市氏が優勢との評価で、円安連動で4万円目前に迫った。米国株が連日の過去最高値更新となったこともポジティブ。しかし、総裁選の決戦投票で石破氏が勝利すると、高市氏勝利を前提とした円安・株高の巻き戻しが行われ、高値から2,000円幅の急落地合になった。国内政治環境の不安定化、解散・総選挙が迫っているとの見方から、日本株のポジション圧縮を進める動きが目立った。


石破氏は新執行部の発足後、10月9日に解散を行い、27日投開票の日程で衆院選挙を行う方針を固めたと報じられている。与野党ともに支持率が低迷する中、総選挙がどのような結果になるのかは読みづらく、積極的にリスクを取りづらくなっている。3万1,000円水準から大きく切り返しているだけに、利食い売りが膨らみやすい環境にある。ただし、円相場が急伸するようなことがなければ、政治リスクに対応した持高調整が中心であり、本格的な値崩れに発展する可能性は低い。8月月初のような円急伸と米景気減速懸念を背景とした急落地合の再現には注意が必要だが、様子見ムードが中心の地合に留まる見通し。


サイコロジカルは、前週の4勝8敗から7勝5敗に。14日RSIは51.96。


 今週の予想レンジ 3万7,000〜3万9,000円
   先週のレンジ 3万7,654〜3万9,829円
 
【米国株】 指標に注意もリスクオン傾向
ダウ工業平均株価は、4万2,000ドル台前半で底固く推移した。過去最高値更新が続いている。米長短金利の低下傾向には歯止めが掛かっているが、株価は堅調に推移している。米景況感が強めの状態を維持しているため、投資家のリスク選好性が維持されている。米金融当局者からは雇用減速を警戒する発言が相次いでいるが、株価に対する影響は限定されている。米経済の減速懸念は根強いものの、直ちにリセッション(景気後退)に向かうといった緊張感は乏しい。景気に対する一定の信頼感が維持された状態で、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ対応が進むことが、投資家のリスク選好性を高めている。キャタピラー、ダウ、ボーイングなど景気敏感株に対する物色意欲の強さが目立った。NASDAQ総合指数も過去最高値更新には至っていないが、底固い展開になった。


月初の経済指標で景気減速懸念画蒸し返されないのであれば、このまま押し目買い優勢の展開が続く。適度の景気の底固さと利下げ対応が重視されれば、このまま4万2,000ドル台確立から慎重に上値切り上げを打診する展開が続く。ただし、8月には月初のISM製造業指数と雇用統計を手掛かりに強力なリスクオフ圧力が発生した例があるため、イベントリスクとしては注意が求められる。10月に入ると、米大統領選まで残り1ヵ月とあって、不規則な値動きを迫られる可能性が求められる。特に意味なくリスクテイクを縮小する動きが始まっても不思議ではない。リスクオン環境維持を基本シナリオにしつつも、ボラティリティの高まりには注意が必要。


サイコロジカルは、前週の7勝5敗から9勝3敗に。14日RSIは66.63。


 今週の予想レンジ 4万1,500〜4万3,000ドル
   先週のレンジ 4万1,859〜4万2,628ドル
 
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