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大起証券株式週報


株式週報
2024/04/22(月)
【日本株】 リスクオフ環境が続く
日経平均株価は、3万7,000円台中盤まで下落する展開になった。米金利上昇圧力、中東地政学リスクの高まりで投資家のリスク選好性が後退する中、日本株も利食い売り優勢の展開になった。上昇相場が一服したとの評価から、短期筋の利食い売りが優勢になっている。為替は円安気味に推移していることで、輸出企業の業績ウエフレ期待は維持されている。しかし、自動車、化学、精密機械など輸出企業の株価も急落しており、為替要因で買いを入れるような動きは鈍かった。逆に日本株独自のネガティブ材料がみられた訳ではないが、米長期金利上昇や中東地政学リスクの高まりで米国株などが値ヲ崩す中、日本株も上値の重い展開になった。業種に関係なく株式市場全体からの資金引き揚げを進める動きが目立った。


世界的に株安圧力が強まる中、日本株も上値の重い点秋になりやすい。円安環境でも買いが入らず、米金利上昇や地政学リスクを背景とした軟調地合が基本になる。まずは3万6,000円水準での下げ止まりの有無が打診される局面になろう。4月25〜26日には日本銀行金融政策決定会合が開催されるが、特に政策調整などは想定されていない。それよりも、1ドル=155円水準での攻防が続く中、日本当局の円買い介入の有無が注目される。仮に介入で円が一時的に大きく上昇するような場面がみられると、株価も一時的に急落する可能性を想定しておく必要がある。いずれにしても本格的な円高環境へのシフトは想定されていないが、値動きが不安定化するリスクは高めの状態にある。


サイコロジカルは、前週の6勝6敗から5勝7敗。14日RSIは35.06。


 今週の予想レンジ 3万6,500〜3万8,000円
   先週のレンジ 3万6,733〜3万9,232円
 
【米国株】 金利上昇と地政学リスク
ダウ工業平均株価は、3万7,000ドル台後半で上値の重い展開になっている。3月にかけての株高をけん引していた半導体株に利食い売りが膨らみ、ハイテク株の調整圧力が強まった。半導体企業各社の1〜3月期決算が発表されているが、当面のポジティブ材料に関しては織り込みが一巡したと評価されている。しかも、このタイミングで米長短金利が上昇したことが、ハイテク株全体の上値を圧迫している。パウエル米連邦準備制度理事会(FRBB)議長が早期利下げに慎重になる可能性を示し、マーケットは初回利下げは最短で9月まで先送りされるとの見方が織り込まれている。金利水準が引き上げられる中、投資家のリスク選好性は素直に後退している。加えて中東情勢が緊迫化したことも上値圧迫要因になった。イスラエルとイランとの間で報復攻撃が続いている。ただし、ユナイテッド・ヘルスやアメックスが好決算で買われ、ダウ平均株価の下げ幅は限定された。


上昇相場が一服した後の調整局面になる。米金融政策見通しが急激にタカ派方向に修正されており、金利上昇圧力で積極的にリスクを取りづらい地合が続く。4月26日に3月PCEデフレーターが発表されるが、インフレ懸念が急激に緩和する可能性は低い。米金利上昇圧力が維持されると、ハイテク株を中心とした下振れリスクが維持されよう。中東情勢に関しては、イスラエルとイランとの緊張感は当面のピークを確認した模様だが、まだ状況は不安定である。軍事的な緊張感が高まる中、地政学リスクの面でも積極的にリスクを取りづらい地合が続く見通し。3万7,000ドル台前半までの下振れリスクを想定したい。


サイコロジカルは、前週の3勝9敗から4勝8敗に。14日RSIは38.07。


 今週の予想レンジ 3万7,200〜3万8,400ドル
   先週のレンジ 3万7,611〜3万8,386ドル
 
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