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大起証券株式週報


株式週報
2024/07/22(月)
【日本株】 徐々に割安感が強まる
日経平均株価は、4万2,000円台まで値上がりした後の調整局面になっている。6月下旬から海外投資家の物色意欲が強まり、急ピッチな値上がりが続いていた。特に大きな売買材料はなかったが、日本株の投資環境を再評価する動きが優勢だった。しかし、7月中旬は利食い売り優勢の展開になった。よく理由が分からない急伸に対して、よく理由が分からない急落と、ブレ幅が大きい地合いになっている。円高が更に進行したことで、輸出企業の業績見通しに不確実性が高まったことはネガティブだが、米国株も急伸後の急反落と荒れた展開になっており、世界の株式相場全体がブレ幅の大きい展開になった。その余波で日本株も急伸一服後の急反落となった。


値動きは荒れているが、今後は4〜6月期の決算発表が本格化する。足元では円高圧力が目立つが、依然として現在の水準だと輸出企業は業績の上方修正余地を残した状態と言える。4〜6月期決算で業績見通しを大きく引き上げていくような動きは想定しづらいが、業績進捗に大きな問題が生じる可能性は低い。日本はこれから慎重に利上げサイクルに突入していくが、主要先進国は利下げに向かっており、製造業サイクルの回復期待も強い。いずれにしても4月の3万7,000円台は業績環境からみて下げ過ぎとの評価が確立しており、ここから本格的なリスクオフ環境に発展していく可能性は低い。過熱感解消の売りを消化しつつ、徐々に下げ渋る展開になる見通し。下落リスクとしては、中国経済の減速懸念が急激に高まっていることに注意が必要。


サイコロジカルは、前週の8勝4敗から6勝6敗に。14日RSIは44.16。


 今週の予想レンジ 3万9,000〜4万1,000円
   先週のレンジ 3万0,780〜4万2,426円
 
【米国株】 改めて押し目買いが膨らむ
ダウ工業平均株価は、4万1,376ドルまで上昇して過去最高値を更新した後、利食い売りで4万ドル台前半まで急反落する荒れた展開になった。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ着手に対する信頼感が高まる中、上値追いの展開が維持された。4万ドル台乗せから一気に4万1,000ドル台まで値上がりした。ディスインフレと雇用鈍化を受けて、多くの金融当局者が利下げについての言及を始めており、それが株高圧力に直結している。金融相場の目線から投資家のリスク選好性が高まっていることが、株価を押し上げている。過熱感からハイテク株に利食い売りが膨らみ、それと連動して出遅れ感のあったダウ平均の構成銘柄が物色されている。ただし、週後半は利食い売りが膨らみ、特に19日は世界的なシステム障害発生の影響もあって大きく値下がりした。


今週は米金融当局者の発言が禁止されるブラックアウト期間で手掛りに乏しいが、30〜31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に押し目買い優勢の展開が維持されよう。約1か月半にわたる上昇相場の反動から持高調整のニーズも強いが、徐々に押し目買いが誘われる見通し。引き続きマーケットの関心は米金融政策環境に集中しており、利下げサイクル入りに向かう金融政策環境が、株高圧力に直結する地合が続く見通し。過熱感解消の動きで一時的に4万ドル台第を割り込む可能性は排除できないが、上昇トレンドにおける調整安に留まる見通し。4万ドル割れで押し目買いが入れば、改めて4万1,000ドルが打診される。下落リスクとしては、実体経済の減速が加速していることに注意が必要。


サイコロジカルは、前週の8勝4敗から7勝5敗に。14日RSIは60.29。


 今週の予想レンジ 3万9,600〜4万1,000ドル
   先週のレンジ 4万0,136〜4万1,376ドル
 
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