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大起証券株式週報


株式週報
2023/12/04(月)
【日本株】 過熱感強いが押し目買い優勢
日経平均株価は、3万3,000円台前半で方向性を欠く展開になった。米利上げ修了観測を背景に、米国株が急伸していることはポジティブ。投資家のリスク選好性が高まる中、米国株と同様に日本株も物色されやすい環境にある。ただし、米利上げ修了観測は米国株を押し上げる一方で、円高要因としても採用しており、輸出企業の業績上振れ期待の後退が株価を圧迫した。円高圧力を受けて大きく値を崩していくような勢いまでは見られなかったが、年初来高値更新から更に株価を大きく押し上げていくような動きは見られなかった。11月の上昇ペースが速かったことも、持高調整を誘った模様だ。ただし、7〜9月期の企業業績環境は良好であり、企業の株主還元や資本効率向上の動きなどに変化は見られない。


急ピッチな上昇の反動で調整売りも膨らみやすいが、円高に対する反応の鈍さからは、地合の強さが窺える。米株価動向にも注意が求められるが、米利上げ修了観測で金融相場目線の米国株高が続くのであれば、日本株も買われやすい環境が続く。過度の円高局面では調整売りが広がるリスクを抱えるが、大きく値を崩す必要はないだろう。米国株と同様に、12月8日の11月雇用統計などの経済指標が、利上げ修了観測を支援するかが焦点になる。米国株とは異なり、日本株は業績相場の目線でも買い優勢の展開が支持される。3万3,000円水準を下値目途に、レンジ上限の3万3,900円水準を打診しよう。


サイコロジカルは、前週の7勝5敗から5勝7敗に。14日RSIは55.90。


 今週の予想レンジ 3万2,800〜3万4,000円
   先週のレンジ 3万3,161〜3万3,811円
 
【米国株】 金融相場の買い
ダウ工業平均株価は、3万6,000ドル台前半まで急伸する展開になった。引き続き米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ修了観測が強く、米長短金利低下と連動して買い優勢の展開が維持された。PCEデフレーターではディスインフレ圧力を再確認しており、既にFRBの利上げは終了済との見方が優勢になっている。ウォラーFRB理事は数か月先の利下げの可能性に言及している。実際に早期利下げを織り込むことが可能な状態ではないが、マーケットでは来年5月頃に利下げ開始を見込んでいる。パウエルFRB議長などは追加利上げの可能性を排除することに慎重だが、マーケットは追加利上げに踏み切るのは困難との見方を強めている。クリスマス商戦に対する懸念の声もあり、ベージュブックでも経済活動の鈍化が報告されているが、金融相場の一点で上値追いの展開が維持された。年初来高値を更新している。


米利上げ修了観測の一点で、上値追いの展開が続きやすい。12月8日の11月雇用統計など経済指標を見ながらの展開になるが、追加利上げ観測が蒸し返されるようなことがなければ、押し目買い優勢の展開が維持されよう。特に米長短金利の低下がみられると買い安心感が強まる。チャートは年初来高値を更新したことで、トレンドフォローの買いも膨らみやすくなっている。3万7,000ドルまで上値抵抗は切り上がる。ただし過熱感は極めて強くなっており、12〜13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、調整売りが膨らむ可能性には注意が求められる。


サイコロジカルは、前週の8勝4敗から9勝3敗。RSIは79.91。


 今週の予想レンジ 3万5,800〜3万7,000ドル
   先週のレンジ 3万5,280〜3万6,264ドル
 
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