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大起証券FX週報
ドル/円 ユーロ/円 豪ドル/円 エマージング通貨(南アランド/円・トルコリラ/円)
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ドル/円相場 |
2023/12/05(月) |
【米ドル】 米利上げ終了観測で上値重く、押し目買いが鈍くなる |
米ドル/円相場は、1ドル=146円台前半まで下落し、9月11日以来の円高・ドル安になっている。米利上げ終了観測を背景に、米金利低下・ドル安が優勢になっている。米利上げ終了観測が強化されていることが、ドル/円相場の上値を圧迫している。ウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事が数か月先の利下げの可能性に言及したこともあり、利上げ終了は決定的と評価されている。パウエルFRB議長など複数の米金融当局者が追加利上げの可能性を排除することには慎重姿勢を見せている。しかし、ディスインフレ傾向が崩れないのであれば、既に利上げは終了したとの見方が優勢になっている。専らドルサイドの投資環境変化に対応したものだが、押し目買いより戻り売りが優勢になりつつある。 今週も米金利低下・ドル安主導の軟調地合が続きやすい。12月5日の11月ISM非製造業指数、8日の11月雇用統計などがイベントリスクになるが、これらが追加利上げの必要性を高める内容にならなければ、米金利低下からのドル売り・円買い優勢の地合が維持されよう。今週は当局者の発言が行われなくなるため、経済指標で米利上げ修了観測が維持・強化されるのかを見ながらの展開になる。支持線は145.00円まで切り下がっている。ただし、12日に11月消費者物価指数、12〜13日に米連邦公開市場委員会(FOMC)とイベントリスクが高めの状態にあるため、持高調整の自立自立反発のリスクは高めの状態にある。148.50円水準が戻り目途になる。。 サイコロジカルは、前週の6勝6敗から4勝8敗に。14日RSIは35.32。 今後1週間の予想レンジは、145.00〜148.50円。 |
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ユーロ/円相場 |
2023/12/05(火) |
【ユーロ】 ECBでも利下げ議論が浮上、ユーロ安鮮明に |
ユーロ/円相場は、1ユーロ=159円台中盤まで下落する展開になった。対米ドルでの反発が一服すると、ユーロ/円相場も下値模索の展開になった。ドル/円相場は米利上げ終了、早期利下げ観測に上値を圧迫されているが、ユーロ/円相場に関しても同様の相場環境に移行しつつある。ビルロワドガロー仏中央銀行総裁は、現時点で利下げする用意はないが、2024年のある時点でその問題を検証することになるとの見方を示した。利上げはもはや完了したとして、今後は現在の金利水準を維持し、24年に利下げ開始を始めるとの見方になる。マーケットの想定よりも早くECBが高金利政策解除の議論を始めるとの見方が、ユーロ安・円高を促している。米欧で同時に利下げの可能性を巡る当局者発言が聞かれるが、日本銀行は利下げ余地は存在せず、逆に利上げのタイミングを模索している。日米と同様に日欧の金融政策環境の違いが際立ち始めていることが、ドル/円と同様にユーロ/円も押し下げている。 対ドルでのユーロ高と円高の綱引きになっていたが、対ドルでのユーロ買いが一服した以上、ユーロ/円相場の上値は重くなる。実際には欧州中央銀行(ECB)が直ちに利下げに踏み切る訳ではないが、当局者から利下げについての発言が聞かれ始めたのは極めて大きな変化である。日本銀行は強力な金融緩和を続けているが、ドル安とユーロ安が同時進行していることで、相対的に円安圧力が後退している。7日のユーロ圏7〜9月期国内総生産(GDP)などがイベントリスクになるが、特にユーロ圏経済の減速傾向が示されると、上値の重い展開になる。下値は157.50円まで見ておきたい。戻り高値は161円。 サイコロジカルは、前週の6勝6敗から4勝8敗。14日RSIは39.39。 今後1週間の予想レンジは、157.50〜161.00円。 |
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豪ドル/円相場 |
2023/11/22(水) |
【豪ドル】 豪中銀の利上げスタンス維持、押し目買い優勢 |
豪ドル/円相場は、1豪ドル=98.53円まで上昇した後、97円台後半まで上げ幅を削る展開になった。米国は利上げ終了から利下げ開始へとマーケットの関心がシフトし、米金利低下・米ドル安圧力は維持されている。このため、対米ドルでは豪ドル相場の堅調地合が維持されており、8月1日以来の高値を更新している。豪中央銀行は依然としてインフレ対応の利上げが必要との認識を示しており、米豪の金融政策の格差が、豪ドル買い・米ドル売りに直結している。豪中央銀行のブロック総裁は、金利による一段と大幅な対応が必要になるとの認識を示している。10月消費者物価指数は前年比4.9%上昇と、前月の5.6%上昇から大きく低下した。12月5日日の豪中央銀行金融政策会合では、追加の政策調整は求められないだろう。豪ドル/円相場は米ドル/円相場の影響を受けて高値更新は見送ったが、値を崩す程の勢いはなかった。 豪ドルサイドにはポジティブ材料が目立つ。豪中央銀行は更に複数回の利上げに踏み切る可能性が高い。12月5日の政策会合では現行金利政策の据え置きが決まる見通しだが、日豪、そして米豪の金融政策環境からは、豪ドル相場の堅調地合が支持されている。豪中央銀行のタカ派スタンスの強さが際立っている。対米ドルでは素直に上昇トレンドが維持されよう。一方、豪ドル/円相場は米ドル/円相場の影響を受けて、乱高下を迫られやすい。ただし、ドル/円相場がパニック的な急落地合を形成しないのであれば、豪ドル高のサポートが下値をサポートしよう。直近安値96.78円水準を下値目途に、98.57円を打診しよう。 サイコロジカルは、前週の7勝5敗から4勝8敗に。14日RSIは57.64。 今後1週間の予想レンジは、96.70〜99.00円。 |
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エマージング通貨相場(南アランド/円・トルコリラ/円・メキシコペソ/円) |
2023/11/30(木) |
【南アランド】 対ドルは堅調も、対円は円高環境の影響大 |
南アフリカランドは、1ランド=7.8円台中盤まで軟化する展開になった。米利上げ終了観測が強化される中、対ドルでは改めて買い優勢に展開になっている。しかし、ドル/円相場が大きく値を崩したことで、ランド/円相場は逆に下値模索の展開になった。10月26日以来の安値を更新している。11月23日に南アフリカ中央銀行金融政策会合が開催されたが、政策金利は11.75%で据え置かれた。今後の利下げを巡る議論については何ら言及が行われなかった。11月は米金利低下・ドル安圧力が強まる一方で、リスクオン環境が続く中、対ドルではランドが買われやすい地合が続いている。しかし、ランド/円相場は専ら円サイドの要因で値下がりしている。 12月5日に7〜9月期国内総生産(GDP)が発表されるが、当面は南アフリカの金融政策環境の大きな変化は想定されていない。米ドルと円の動向の方が重視される見通し。対ドルでは突発的なリスクオフ化といった動きがみられなければ、押し目買い優勢の展開が維持されよう。一方、ランド/円相場はドル/円相場の動向に強い影響を受けている。ドル/円相場が戻り売り優勢の地合を維持していると、直近安値7.7837円でのサポートがみられるかが打診される見通し。 今後1週間の予想レンジ 7.70〜8.00円/ランド 過去1週間のレンジ 7.82〜7.99円/ランド |
【トルコリラ】 大幅利上げ継続も、今後はペースダウンへ |
トルコリラは、1リラ=5.0円台まで値下がりする展開になった。対ドルでは緩やかなダウントレンドが維持されているが、ドル/円相場が改めて急落していることが、リラ/円相場を圧迫している。他の新興国通貨と同様の値動き荷なっている。11月23にいtのトルコ中央銀行金融政策会合では、政策金利が5.00%引き上げられて40.00%とされた。マーケットでは0.25%利上げへのペースダウンが想定されていたが、強力な利上げ対応が維持されたことはポジティブ。ただし、声明ではディスインフレを確立するために必要な水準にかなり近づいているとして、今後は利上げペースを鈍化させ、利上げ終了に向かうことが強く示唆されている。 12月4日に11月消費者物価指数が発表されるが、リラ相場に対する影響は限定的だろう。米ドル安環境でも対ドルで急落することはなく、これまで通りに緩やかなダウントレンドが続く見通し。リラ/円相場に関してはドル/円相場の動向から強い影響を受ける見通しであり、ドル/円相場の戻り売り優勢の地合が続くと、5.0円の節目でのサポートの有無を打診する展開になろう。ドル/円相場が鎮静化することが、上昇再開の条件になる。 今後1週間の予想レンジ 4.95〜5.15円/リラ 過去1週間のレンジ 5.04〜5.21円/リラ |
【メキシコペソ】 円高圧力の消化、中銀は来年中盤利下げか |
メキシコペソは、1ペソ=8.74円まで値上りした後、8.5円台前半まで下落する展開になった。米ドル/円相場の急落が一服すると、押し目買いで年初来高値に迫る展開になった。しかし、ドル/円相場が改めて急落すると、ペソ/円相場もつれ安している。ドル/円相場のボラティリティが高まっているため、新興国通貨全体がドル/円相場と連動した値動きになっている。メキシコ中央銀行の四半期報告では、インフレ目標に近づくのは2025年4〜6月期になる見通しが示されている。前回の24年10〜12月から更に先送りされている。一方、直近の政策会合議事要旨では、複数の委員が来年1〜3月期に利下げの議論が開始されるとの見通しを示している。来年中盤に向けて利下げを開始した後、インフレ動向をみながら緩やかななペースで金利水準を引き下げていく見通し。 12月7日に11月消費者物価指数が発表されるが、ドル/円相場の動向に強く依存しよう。ドル/円相場の急落が続いている間は、直近安値8.43円出のサポートの有無が打診されよう。銅水準を割り込むと、82円水準まで根が崩れる可能性がある。ただし、米ドル/円相場が鎮静化すれば、8.7円水準での取引に回帰しよう。米ドル/円相場の鎮静化待ちの時間帯になる。 今後1週間の予想レンジ 8.30〜8.65円/ペソ 過去1週間のレンジ 8.48〜8.74円/ペソ |
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