イラン戦争終結期待だと底堅い展開に

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大起証券FX週報


ドル/円  ユーロ/円  豪ドル/円  エマージング通貨(南アランド/円・トルコリラ/円)

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ドル/円相場
2026/04/06(月)
【米ドル】 イラン情勢緊迫化続くも、ボックス傾向が強まる
米ドル/円相場は、1ドル=158〜161円水準で売買が交錯する展開になった。イラン情勢の緊迫化で改めて原油相場が高騰しているが、ドル円相場の値動きは鈍い。原油高でインフレリスクが高まるも、米長短金利の上昇再開が見送られたことで、ドル/円相場は膠着感の強さが目立った。インフレ懸念は高まるも、米金融当局者からは当面の金利据え置きを支持する発言が目立ち、利上げの織り込みは過熱状態と評価されている。景気リスクの高まりもあり、当面の金乳政策環境は動きを見せないとの見方が織り込まれている。また、160円台では日本の当局者から円安をけん制する発言が目立つこともネガティブ。このため、原油高連動で底固いものの、160円台から一段高を打診するエネルギーを欠く展開になった。


今週も150円台後半をコアとしたボックス相場になろう。イラン戦争は激化しており、原油相場の堅調地合が続くと、ドル/円相場も下値を支えられやすい。トランプ米大統領はホルムズ海峡の封鎖が解消されない場合、4月7日以降にイランの電力施設などを攻撃すると警告している。実際にインフラに対する攻撃が本格化し、原油高が進行すると、改めて160〜161円水準を試す可能性がある。ただし、米長短金利の上げ一服感が維持されると、先高観の形成は難しい。前週の158〜161円を踏襲する展開になろう。ただし、改めて米債券市場でインフレリスクの織り込みが本格化し、米長短金利が大きく上昇すると、上振れリスクが高まる。4月9日に2月米PCEデフレーター、10日に3月消費者物価指数が発表されることがイベントリスクになる。


サイコロジカルは、前週の7勝5敗から変わらず。14日RSIは57.17。


今後1週間の予想レンジは、158.00〜161.00円。
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ユーロ/円相場
2026/04/07(火)
【ユーロ】 強弱材料交錯でボックス継続
ユーロ/円相場は、1ユーロ=184円水準で底固く推移した。イラン情勢は引き続き緊迫化しているが、「有事のドル買い」が一服していることで、対ドルでは下げ一服感が強くなっている。原油高の影響は強弱評価がわれている。エネルギーコストの負担増や景気悪化リスク、貿易収支悪化リスクとしての評価が求められる。一方で、インフレリスクは欧州中央銀行(ECB)の政策見通しにも影響を及ぼしていることはポジティブ。この結果、ユーロはイラン戦争を手掛かりとした明確なトレンド形成を見送り、方向性を欠いている。ドル/円相場の値動きが限定されたことも、ユーロ/円相場の値動きを限定した。


イラン戦争を手掛かりとしたトレンド形成が見送られ、このまま183〜185円水準にボックスが形成されやすい。フランス中銀総裁は、ユーロ圏経済がスタッフ予想で示した逆境シナリオに近づいているとの認識を示している。エネルギー価格が可処分所得悪化などを通じて、景気を抑制する見通しになっている。対ドルではまだ底入れしていない可能性もあり、若干の下振れリスクを想定しておく必要がある。ただし、ユーロ/円相場に関しては、ECBがインフレ対応で利上げに踏み切るとの観測も根強く、金融政策要因で底固さを維持する見通し。ドる/円相場と同様に、現行価格水準をコアに、売買が交錯する可能性が高い。


サイコロジカルは、前週の7勝5敗から8勝4敗に。14日RSIは55.33。


今後1週間の予想レンジは、182.00〜185.50円。
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豪ドル/円相場
2026/04/08(水)
【豪ドル】 イラン戦争終結期待だと底堅い展開に
豪ドル/円相場は、1豪ドル=109.03円をボトムに、111円台後半まで切り返す展開になった。イラン戦争による世界経済の減速懸念を背景に、110円の節目を割り込む展開になっていた。しかし、4月入りした後は原油高環境でも株価急落が回避され、新興国通貨などと同様に資源国通貨も物色される展開になった。特に4月7日に米国とイランが2週間の停戦で合意すると、対米ドルを中心に買いが膨らむ、112円に迫る展開になった。リスクオフ環境を起点とした売り圧力の解消が、豪ドル相場の反発に直結している。豪経済に関する独自材料は乏しい。注目度の高い経済指標の発表などもなく、専らイラン戦争のリスク評価が中心の地合になった。


イラン戦争の終結期待が維持されると、リスクオン環境と連動して底固い展開になる。また、中東情勢の不安定化を経験したことで、豪州産の液化天然ガス(LNG)に対する需要拡大が見込まれるため、他国と比較するとエネルギー価格高騰が景気に与える影響は限定的との見方もポジティブ。この状況で、リスク投資全体の地合改善が進めば、3月高値113.68円に迫る展開になろう。逆にイラン戦争の停戦期待が大幅に後退するような動きがみられた際には、株安再開から110円割れに向かうリスクがある。イラン戦争を終結に向かわせることができるか否かが焦点になるが、上振れリスクの方が大きい環境になっている。


サイコロジカルは、前週の6勝6敗から7勝5敗に。14日RSIは59.73。


今後1週間の予想レンジは、110.00〜114.00円。
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エマージング通貨相場(南アランド/円・トルコリラ/円・メキシコペソ/円)
2026/04/09(木)
【南アランド】 リスクオン環境だと安値修正が続く
南アフリカランドは、1ランド=9.6円台まで切り返す展開になった。イラン情勢の緊迫化で「有事のドル買い」が発生する中、ランド相場は上値の重い展開が続いていた。しかし、株式市場で停戦期待の織り込みが始まると下げ一服となり、安値修正の動きが優勢になった。特に米国とイランの停戦合意が成立すると、投資家のリスク選好性が回復したことがドルを押し下げ、相対的にランド相場を大きく押し上げた。南アフリカ経済に関する同国は、あまり材料視されていない。当面は6.75%の政策金利環境が維持される見通し。


リスク投資の地合に強く左右される地合が続きやすい。米国とイランの停戦合意を受けて、投資家のリスク選好性が回復していることはポジティブ。イラン情勢は引き続き先行き不透明感が強いが、株高・ドル安圧力が維持されている間は、ランド/円相場も強含みの展開になろう。イラン戦争が開戦する前の9.8円が試される。ただし、あくまでもイラン戦争終結期待に基づく反発になるため、イラン情勢の先行き不透明感を蒸し返すような動きが株安・ドル高を促した場合には、上げ一服となるリスクを抱えている。特にランド独自の重要イベントは予定されていない。


 今後1週間の予想レンジ 9.40〜9.90円/ランド
   過去1週間のレンジ 9.34〜9.70円/ランド
 
【トルコリラ】 リスクオン環境だと底固い、CPIに要注意
メキシコペソは、1ペソ=9円台を回復する展開になった。イラン戦争に対する警戒感から3月30日には8.78円まで下落していたが、4月入り後は株安に一服感が広がったことで、押し目買い優勢の展開になった。3月3日以来の高値を更新し、概ねイラン戦争が開戦した後の下げ幅を相殺する展開になった。3月はイラン戦争が特に対ドルでペソ相場を押し下げていたが、4月8日には米国とイランの停戦が合意されたことで投資家のリスク選好性が高まり、新興国通貨も物色されやすくなった。


イラン情勢は依然として不確実性が大きいが、停戦合意が実現したことは大きな変化だ。最終合意への期待感が維持されている間は、投資家のリスク選好性は維持される見通しであり、新興国通貨を物色する動きがペソ相場も支援しよう。9.0〜9.2円水準が打診される見通し。4月9日の3月消費者物価指数がイベントリスクになるが、インフレの上振れがみられた際には、メキシコ中央銀行が追加利下げに踏み切るリスクの後退が、ペソ相場を下支えしよう。ただし、改めてイラン情勢の先行き不透明感がリスクオフ化を促すような動きがみられると、改めて調整売り優勢の展開になる。


 今後1週間の予想レンジ 9.50〜9.90円/ペソ
   過去1週間のレンジ 9.34〜9.70円/ペソ
 
【メキシコペソ】 メキシコ中銀は利下げ、中銀の意見割れる
メキシコペソは、1ペソ=8.8〜8.9円水準まで小幅下落する展開になった。イラン情勢の先行き不透明感を背景に投資家のリスク回避姿勢が強まると、8.78円まで下落している。しかし、イラン戦争の終戦期待が強まると株高連動で押し目買いも入り、8.9円水準まで切り返し、大きな値動きには発展しなかった。メキシコ中央ぎk脳は3月26日の記入政策会合で、政策金利を0.25%引き下げて6.75%とした。3人が利下げ主張、2人が据え置き主張と意見が割れる難しい判断を迫られたが、景気減速が進んでいることもあり、インフレリスクへの対応強化は見送られた。主要国と異なる動きは、ペソ相場に対してネガティブ。


3月前半の消費者物価指数が4.63%上昇と高水準になっているが、メキシコ中央委銀行はインフレ対応を急ぐムードにはない。高金利環境に変わりはないが、追加利下げの可能性が払拭できないことはネガティブ。ただし、ペソ相場に関してはイラン戦争の展開状況の方が重視されている。戦闘終結期待から原油高、株安、ドル高にブレーキがかかっていけば、新興国通貨全体を物色する動きがペソ相場を支援しよう。8.9〜9.0円水準が打診される。イラン戦争の終結を織り込むことができるかに注目したい。4月9日に3月消費者物価指数が発表されることがイベントリスクになる。


 今後1週間の予想レンジ 8.80〜9.05円/ペソ
   過去1週間のレンジ 8.78〜8.98円/ペソ
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※ドル/円は月曜日、ユーロ/円は火曜日、豪ドル/円は水曜日、エマージング通貨は木曜日に更新予定。
休日の際は、更新をお休み致します。
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