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大起証券FX週報


ドル/円  ユーロ/円  豪ドル/円  エマージング通貨(南アランド/円・トルコリラ/円)

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ドル/円相場
2025/04/28(月)
【米ドル】 米中関係の改善期待で下げ一服、修正高に
米ドル/円相場は、1ドル=139.86円まで円高・ドル安に振れた後、143円台中盤まで切り返す展開になった。トランプ米大統領に対する不信感から「米国売り」の動きが続く中、140円の節目を割り込んだ。深刻化する通商問題に加えて、米連邦準備制度理事会(FRB)の独立性に対する懸念も浮上する中、主にドルサイドの要因で値下がりが促された。140円の節目割れは昨年9月以来のことになる。しかし、その後は米中通商環境の改善期待が浮上したことで、投資家のリスク選好性が高まり、つれてドル/円相場は安値修正の動きに転じた。米中通商協議が始まっているが、米国がドル/円相場の目標水準設定など踏み込んだ対応を見せないとの見方が広がったことも、ドル/円相場の安値修正を促した。


引き続きトランプ米大統領の関税政策に対する関心が高いが、米中対立が当面のピークを脱したとの見方が広がっていることはポジティブ。実際に早期に米中通商協議が始まり、それが合意に達するのかは不透明感が強いが、少なくとも対立が激化し続ける環境には一服感があり、ドル売りと円買いの双方にブレーキが掛っている。トランプ米大統領の発言によって地合が急変する可能性も抱えているが、米中両国が自制を見せ、株価が一定の底固さを見せるのであれば、短期的に145円の節目に迫る展開になろう。月末月初で米経済指標の発表が集中するが、まだ相互関税の影響葉十分に反映されない見通しであり、サプライズ感の強い数値にならなければ、ドル/円相場に対する影響は限定される見通し。5月1日に日本銀行金融政策会合が行われるが、政策調整は想定されていない。利上げの基本方針は崩れない見通しだが、先行き不透明感から強いメッセージは発せられない見通し。


サイコロジカルは、前週の5勝7敗から変わらず。14日RSIは43.53。


今後1週間の予想レンジは、141.00〜146.00円。
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ユーロ/円相場
2025/04/29(火)
【ユーロ】 景気減速懸念が上値圧迫も、調整安止まりか
ユーロ/円相場は、1ユーロ=161円水準でサポートされ、162円台まで小幅切り返す展開になった。米中通商関係の改善期待が浮上する中、ドル安一服で対ドルではユーロの上値が圧迫された。ただし、ユーロ/円相場は逆に地合を引き締め、4月2日以来の高値を更新している。最近の取引レンジ内での値動きだが、高値は163.75円に達するなど、やや底固さが目立った。対ドルに関しては、専らドルの動向に左右されており、ユーロ独自の売買材料はあまり重視されていない。このため、それはドル/円相場も同様であり、結果的にドル/円相場は安値更新後の反発となったが、ユーロ/円相場の値動きは鈍かった。4月PMIは、製造業が前月の48.6に対して48.7、サービス業が同51.0に対して49.7。


ユーロ/円相場の値動きは限定されよう。為替市場の関心がドルの動向に集中している以上、ユーロ/円相場の値動きは限定されよう。月末・月初でユーロ圏でも主要経済指標の発表が相次ぎ、特に4月30日の1〜3月期国内総生産(GDP)には注意が必要だが、まだ相互関税発動前の数値とあって、相場に対する影響は限定されやすい。ユーロ圏の景気減速懸念から、欧州中央銀行(ECB)当局者からは追加利下げに関する発言が目立つことはネガティブ。3月と4月に利下げに踏み切ったが、6月に今年3回目の利下げに踏み切る可能性が高い。引き続き米中関係を巡る動向に注意が必要だが、最近のボックス内で上値を抑えられる展開を想定しておけば十分だろう。一方的な相場展開にはなりづらい。ドルへの対応が中心の展開が続くと、ユーロ/円相場は163〜164円水準で上値を圧迫される一方、160〜161円水準では下値を支えられよう。


サイコロジカルは、前週の8勝4敗から変わらず。14日RSIは52.50。


今後1週間の予想レンジは、160.00〜164.00円。
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豪ドル/円相場
2025/04/23(水)
【豪ドル】 ボックス相場も、通商問題の上値圧迫が続く
豪ドル/円相場は、1豪ドル=90〜91円水準をコアに横ばいの展開になった。米ドル安の影響で対米ドルでは豪ドル高が進行したが、対円では膠着感が強かった。引き続き通商環境が不安定化していることが警戒されるが、世界の株価が乱高下していることもあり、豪ドル相場も明確な方向性をを打ち出せていない。資源価格も上値が重いものの、急落傾向には一服感がみられ、資源国通貨の目線でも方向性を打ち出しづらかった。3月の就業者数は前月比3万2,200人増となっている。2月がマイナスだった反動もあるが、底固い数値になった。失業率は4.0%から4.1%まで上昇しているが、市場予想4.2%を下回った。豪中央銀行に利下げ対応を急がせるような数値ではなかったが、5月には0.25%の追加が行われる見通し。


米中対立の行方の強く依存するが、明確な方向性を打ち出しづらい。ベッセント米財務長官は米中対立の長期化に否定的な立場を示し、数ヵ月以内に緊張緩和が進むとの見通しを示している。ただし、現時点では通商協議開始の予定もなく、豪ドル相場の相場の反応葉限定されている。4月30日に3月消費者物価指数が発表されること、5月3日に豪総選挙が予定されていることがイベントリスクになる。インフレ環境は問題になりづらいが、総選挙は与野党きっ抗との世論調査が多く、政治環境の不安定化が警戒されると、豪ドルの上値が圧迫される可能性がある。膠着感が目立つが、まだ通商環境の不安定さが警戒される中、豪ドル/円相場の価格リスクは下向きだろう。90円を割り込むと、チャート主導で88円水準まで値下がりするリスクがある。


サイコロジカルは、前週の6勝6敗から7勝5敗に。14日RSIは46.29。


今後1週間の予想レンジは、88.00〜92.50円。
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エマージング通貨相場(南アランド/円・トルコリラ/円・メキシコペソ/円)
2025/04/24(木)
【南アランド】 通商問題で揺れ動く、対ドルは堅調
南アフリカランドは、1ランド=7.5円水準で売買が交錯した後、7.6円台中盤まで小幅上昇した。米中対立激化が上値を圧迫するも、世界の株式相場がボックス化していることもあり、ランド/円相場も明確な方向性を打ち出せてない展開が続いた。高いレベルの先行き不透明感と、リスクオフ圧力の一服感から、積極的な売買が見送られている。ただし、ドル/円相場が1ドル=140円を割り込んだ後の反発を受けて、ランド/円相場も小幅上昇した。対ドルでは一貫して上昇している。ドルが長期的なダウントレンドに突入したとの警戒感は強い。3月消費者物価指数は前年比2.7%上昇と前月の3.2%上昇から大きく下振れしている。利下げ対応が強く支持されている。


引き続き通商環境に対する関心が高いが、トレンドが定まりづらい。トランプ大統領の発言も二転三転しており、マーケットもそれに振り回されている。しばらくはこうした展開が続く見通し。「米国売り」の兆候が見られる中、トランプ大統領が緊張緩和のために自制を見せると、短期上振れリスクが浮上する。7.8〜7.9円水準が打診されよう。ただし、トランプ大統領がマーケットに緊張感をもたらす発言を行うと、容易に7.5円割れが打診されよう。


 今後1週間の予想レンジ 7.30〜7.90円/ランド
   過去1週間のレンジ 7.47〜7.69円/ランド
 
【トルコリラ】 予想外の利上げも、リラは買われず
トルコリラは、1リラ=3.7円水準で上値の重い展開になった。ドルは上値の重い展開になるも、リラ売り圧力ときっ抗し、対ドルでも戻り売り優勢の展開になった。リラ/円相場もその流れで上値の重いじり安の展開が維持されている。トルコ中央銀行は4月17日、政策金利を3.50%引き上げて46.00Dとした。昨年12月からディスインフレの進展で利下げを進めていたが、僅か4ヵ月で政策転換を迫られている。トルコリラの急落傾向が続いていることで、政策の軸足を通貨安対策にせざるを得なくなった。これでリラは一時的に上昇したが、リラは戻り売り優勢の展開を維持した。


予想外の利上げでもリラ買いは一時的であり、逆に上値の重さを再確認している。利上げでもリラ買いが続かない以上、上値の重さが維持される見通し。トルコの政治経済環境に対する信頼感は低く、投資対象としての適格性が疑問視されている。高金利通貨としての魅力は高まるも、リラ相場を大きく押し上げていくような売買テーマは欠いている。4月29日に3月失業率が発表されるが、リラ相場に対する影響は限定的だろう。通商問題の進展状況もあまり材料視されていない。利上げ効果が薄れる動きと連動して、3.6〜3.7円水準水準を打診しよう。


 今後1週間の予想レンジ  3.60〜3.85円/リラ
   過去1週間のレンジ  3.65〜3.75円/リラ
 
【メキシコペソ】 通商リスク環境で揺れ動く
メキシコペソは、1ペソ=7.1〜7.2円水準での保ち合いを経て、7.2円台後半まで小幅上昇した。引き続き通商環境に対する注目度が高いが、トランプ米大統領の発言にマーケットは振り回されている。リスク投資の地合も安定せず、新興国通貨も全体的に安定しない。ドル安環境の影響で、対ドルでは一貫して強含みの展開が続いているが、ペソ/円相場に関しては明確な方向性を打ち出せていない。相互関税発動を受けての急落地合には一服感がみられるも、株価と同様にペソ相場も明確な方向性を打ち出せていない。南アフリカランドなどとほぼ同様の値動きであり、ペソ独自要因での積極的な売買は求められていない。


通商問題に対する関心が高い。トランプ米大統領の発言内容によって、地合が上下双方に一瞬に変わる可能性を抱えている。仮に米中通商協議開始への期待感が強まれば、7.4〜7.5円水準が打診されよう。ただし、トランプ大統領が何か緊張感を高めるような発言を行うと、一気に7.0円を試すリスクを抱えた不安定な地合が続くことになる。4月30日には1〜3月期国内総生産(GDP)が発表されるが、ペソ相場に対する影響は限定的だった。


 今後1週間の予想レンジ 7.00〜7.50円/ペソ
   過去1週間のレンジ 7.09〜7.30円/ペソ
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※ドル/円は月曜日、ユーロ/円は火曜日、豪ドル/円は水曜日、エマージング通貨は木曜日に更新予定。
休日の際は、更新をお休み致します。
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