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大起証券FX週報
ドル/円 ユーロ/円 豪ドル/円 エマージング通貨(南アランド/円・トルコリラ/円)
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| ドル/円相場 |
| 2025/11/24(月) |
| 【米ドル】 米金融政策の不透明感から売買交錯が続く |
| 米ドル/円相場は、1ドル=157.89円まで値上りした後、156円台中盤まで上げ幅を削る展開になった。米金融政策見通しは不確実性が大きく、ドル主導の積極的な売買は見送られた。高インフレと雇用鈍化が同時進行する中、12月追加利下げの必要性について米金融当局者の意見は割れている。10月分の米雇用統計と消費者物価指数は発表が見送られることが確定し、十分なデータを得られない状況が続くことになる。米金融当局者の発言や経済指標の数値に一喜一憂する展開になろう。こうした中、円主導の値動きが活発化している。高市政権の積極財政に対する警戒感が長期債利回りの急伸を促しているが、それが同時に円売りも促している。11月21日に発表された「総合経済対策」は21.3兆円規模に達している。 日本の財政懸念が維持されると、前週に続いて長期金利が上昇し、それと連動した売り圧力が維持される見通し。当面の材料出尽くし感もあるが、投機筋の仕掛け的な売買が活発化すると、160円に迫るような展開まで想定しておく必要がある。特に新規材料がみられなくても、円安が加速するリスクを抱えた地合になっている。片山財務相が急激な円安をけん制する発言を繰り返しているが、実弾介入のリスクが本格化しなければ、ドル/円相場に対する影響は限定される見通し。より現実的な下落リスクとしては、株価急落の加速に注意が必要。ハイテク株の値崩れがさらに加速した際には、ドル/円相場も上げ一服から155円台まで軟化するリスクを抱えている。 サイコロジカルは、前週の7勝5敗から9勝3敗に。14日RSIは66.46。 今後1週間の予想レンジは、156.00〜159.50円。 |
| ユーロ/円相場 |
| 2025/11/25(火) |
| 【ユーロ】 円安が続くと堅調、ユーロの独自材料は乏しい |
| ユーロ/円相場は、1ユーロ=180〜182円水準で売買が交錯する展開になった。対ドルでは調整売りが優勢だったが、主要通貨に対する円安傾向が維持される中、ユーロ/円相場は上値追いの展開になった。11月20日高値は182.00円に達している。高市政権の積極財政に対する警戒感が円安を促す展開が続いている。片山財務相が介入を示唆する発言を行うと上げ一服となったが、大きく値を崩すようなことはなかった。ドイツ連銀ナーゲル総裁は、物価上昇率は2%の目標付近で推移しており、中期的にもこの水準に留まるとの見通しを示した。食品価格の上昇に注意喚起が行われるが、当面はECBの政策調整の可能性を想定する必要性は乏しい。ユーロの独自材料に基づく値動きは限定される見通し。 目先はユーロの独自材料は乏しく、引き続き円やユーロとの関係性を重視した展開が続く見通し。ECBの当面の政策調整は想定されておらず、サプライズ感のある動きの有無にだけ注目すれば十分だろう。ユーロ/円相場に関しては、日本の財政不安を背景とした 円売り圧力が続くかが焦点になる。特に長期債市場で財政懸念が金利上昇を促す動きが続くと、円安圧力がユーロ/円相場を押し上げる展開が続く見通し。182.00円の直近高値を上抜くと、182〜184円水準までレンジが切り上がる。下落リスクは、日本の円買い介入、リスクオフ加速による円高を想定しておきたい。 サイコロジカルは、前週の8勝4敗から10勝2敗に。14日RSIは63.25。 今後1週間の予想レンジは、179.00〜183.00円。 |
| 豪ドル/円相場 |
| 2025/11/26(水) |
| 【豪ドル】 豪利下げ一服、底固さを維持する |
| 豪ドル/円相場は、1豪ドル=102.18円まで上昇して昨年11月以来の高値を更新した後、101円水準まで上げ幅を削る展開になった。豪ドルの独自材料が乏しい中、豪ドル/円相場は米ドル/円相場と連動した展開になった。円安圧力の強さを背景に高値更新が続いたが、円安が一服すると調整売りが上値を抑え、前週比では小動きに終始した。豪ドル独自の材料は乏しい。豪中央銀行は政策金利を3.60%で据え置いた状態が続いている。金融政策会合議事要旨では、現在の政策金利水準について「やや引き締め的」との認識が示されているが、直ちに追加利下げが行われるリスクは低い。今後発表される米経済指標が安定していれば、このまま金融政策を据え置く可能性が高い。このため、豪ドルを売り込む必要性は乏しく、米ドル/円相場と連動した展開が続いている。 11月26日に発表された10月消費者物価指数はトリム平均で前年比3.3%上昇であり、前月の2.8%上昇から大きく上振れした。前月比では0.3%上昇であり、この数値からは利下げ対応を進めるハードルが一段と高まったとみるべきだろう。このまま豪金融政策が据え置きの状態を維持するのであれば、豪ドル/円相場は米ドル/円相場との連動で底固い展開が想定される。高市政権の積極財政に対する警戒感の織り込みには一服感もあるが、円安の構図そのものが否定された訳ではなく、上昇トレンドにおけるスピード調整の動きに留まろう。102.00円水準を上抜くと、102〜103円へのレンジ切り上げが打診される見通し。 サイコロジカルは、前週の5勝7敗から6勝6敗に。14日RSIは58.66。 今後1週間の予想レンジは、100.00〜102.50円。 |
| エマージング通貨相場(南アランド/円・トルコリラ/円・メキシコペソ/円) |
| 2025/11/27(木) |
| 【南アランド】 円安環境だと底固い |
| 南アフリカランドは、1ランド=9.1円水準で底固く推移した。ドル/円相場が底固く推移していることが、ランド/円相場も下支えしている。対ドルでは売買が交錯する不安定な地合になったが、ランド/円相場は底固さを維持した。南アフリカ中央銀行は11月20日の金融政策会合で、政策金利を7.00%から6.75%まで0.25%引き下げた。全会一致の決定になる。インフレ見通しの改善を受けて、政策スタンスの緩和余地があるとの見方で一致したと総括されている。南アフリカはインフレ目標を従来の3〜6%から2〜4%まで引き下げたが、利下げサイクルに修正を迫らなかったことが確認されている。 12月2日に7〜9月期国内総生産(GDP)が発表されるが、ランド相場に対する影響は限定されよう。注目すべきはリスク投資の地合、円相場の動向になる。このまま株価急落傾向にブレーキが掛る一方、円安環境が維持されると、ランド/円相場は底固い展開が続くことになる。9.2円を上抜くと、9.2〜9.3円水準が打診される見通し。ランド相場の独自材料に基づく積極的な売買は求められないだろう。 今後1週間の予想レンジ 9.00〜9.30円/ランド 過去1週間のレンジ 8.94〜9.20円/ランド |
| 【トルコリラ】 円安環境では下落余地が限定される |
| トルコリラは、1リラ=3.73円で上げ一服となり、3.6円台後半まで軟化した。急激な円安環境で上値追いの展開が続いていたが、円安が一服すると調整売り優勢の展開になった。専ら円主導の展開が続いている。リラの独自材料は乏しい。注目度の高い経済指標の発表もなく、リラ主導の売買は見送られている。ドルは12 且の米利下げの有無を巡る思惑から不安定な値動きになったが、対ドルでは一貫してリラ売り優勢の展開が続いている。トルコの政治リスクが解消できない中、ドル買い・リラ売り優勢の地合が続いている。 11月28日に10月失業率、12月3日に11月消費者物価指数が発表されることがイベントリスクになるが、いずれにしてもトルコ中央銀行の利下げ見通しが大きく修正される可能性は低い。また、対ドルではリラ買いが膨らむ余地は限定され、下値模索の展開が続く見通し。ただし、リラ/円相場は円相場の動向から強い影響を受けている。ドル/円相場が大きく値を崩さないさない場合には、リラ/円相の下落余地は限定される。3.6円台中盤では下値をサポートされよう。ただし、値上がりの有無は円安再開の有無に強く依存する。積極的なリラ買いが想定されている訳ではない。 今後1週間の予想レンジ 3.62〜3.75円/リラ 過去1週間のレンジ 3.65〜3.73円/リラ |
| 【メキシコペソ】 利下げ余地確認も、円安だと底固い |
| メキシコペソは、1ペソ=8.61円まで値上がりして昨年7月以来の高値を更新した後、8.5円水準まで上げ幅を削る展開になった。急激な円安環境を受けて、ペソ/円相場も上値の追いの展開になった。対ドルでは売買が交錯する不安定な地合になったが、ペソ/円相場は上値を切り上げた。ただし、円安一服後は調整売りが上値を抑え、総じてドル/円相場と連動した値動きになった。メキシコ中央銀行は今年の経済成長率見通しを0.3%と、前回の0.6%から引き下げた。2026年は1.1%で据え置いている。米国との貿易紛争の影響が指摘されている。6日開催の金融政策会合議事要旨では、大半の理事がコアインフレが高止まりする中でも政策金利引き下げを支持したことが確認できる。まだ利下げ余地があるとの見方はネガティブ。 メキシコ中央銀行の利下げは続く見通しだが、ドル/円相場の底固さがペソ/円相場を下支えする展開が続く見通し。急ピッチな上昇は一服した格好だが、円安傾向が維持されるのであれば、改めて8.6円台乗せを試すリスクを残す。10月28日の10月失業率がイベントリスクになるが、景気減速懸念を大きく変えるようなリスクは限定されよう。ペソ独自材料の売買は限定される見通しであり、円相場の動向に注目したい。 今後1週間の予想レンジ 8.40〜8.65円/ペソ 過去1週間のレンジ 8.42〜8.61円/ペソ |

| ※ドル/円は月曜日、ユーロ/円は火曜日、豪ドル/円は水曜日、エマージング通貨は木曜日に更新予定。 休日の際は、更新をお休み致します。 ※PDF版の閲覧にはAdobe Readerのインストールが必要です。 ※レポート内容に関してのご質問等にはお答えできませんのでご了承ください。 ※全レポートおよびファイルの無断転載を固く禁じます。 |