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大起産業FX週報


ドル/円  ユーロ/円  豪ドル/円  エマージング通貨(南アランド/円・トルコリラ/円)

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ドル/円相場
2021/06/14(月)
【米ドル】 金利環境は膠着化、FOMCでも大きな動きなしか
米ドル/円相場は、1ドル=109円台で揉み合う展開になった。米実質金利環境に目立った変動がみられず、持高調整に終始している。米長期金利は1.5%の節目を下抜く展開になり、予想外の低下圧力を見せた。しかし、それと同時にインフレ期待も後退したことで、実質金利ベースではほぼ横這いの状態が維持されており、ドルは明確な方向性を打ち出せなかった。5月消費者物価指数は、総合で前年比5.0%上昇となり、前月の4.2%上昇から更に上振れした。ただ、マーケットでは一時的なインフレ圧力との見方が浸透しており、債券・為替相場に対する影響は限定的だった。5月雇用統計に続いて5月消費者物価指数もトレンド形成を促すことに失敗し、膠着状態が維持されている。


6月15〜16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるが、テーパリングなどについて従来よりも踏み込んだ動きがみられるかが注目される。まだ明確にテーパリング着手を表明する可能性は低いが、当局者の金利見通し引き上げ、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の地ならし発言などで米長期金利が上昇に転じると、ドル/円相場も110円台乗せを打診することになる。ただ、現段階で金融緩和の正常化を本格的に織り込むのは時期尚早であり、大きな値動きはみられない可能性の方が高い。徐々にテーパリング(資産購入縮小)の議論を進めていく必要があるが、6月中は金利環境に大きな変動はみられず、ドル/円相場も動意を欠く可能性が高い。日銀金融政策会合に関しては、特に大きな動きは想定されていない。110円台からの先高感は乏しい一方、108円台では値ごろ感があり、109円台をコアに不安定な値動きが続き易い。トレンド形成のきっかけ待ちの時間帯が続く。


サイコロジカルは、前週の6勝6敗から8勝4敗に。14日RSIは55.32。


今後1週間の予想レンジは、108.80〜110.40円。
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ユーロ/円相場
2021/06/15 (火)
【ユーロ】 上げ一服感が強まるも、下値不安は大きくない
ユーロ/円相場は、1ユーロ=133円台をコアに揉み合う展開になった。ユーロ高に一服感が浮上する中、134円水準を抵抗線に上げ一服となっている。ただ、大きく値を崩すまでの勢いは見られず、全般的に方向性を欠いている。6月10日に欧州中央銀行(ECB)理事会が開催されたが、現行政策の据え置きと、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の買い入れ規模を少なくとも2022年3月末、もしくはパンデミックの危機終息が判断されるまで、1兆8,500億ユーロに維持することを決定した。一部当局者からはPEPPの規模縮小も訴えられているが、当面の政策調整の可能性が低いことが再確認されたという意味では、ネガティブ。6月ZEW景況感調査は、前月の84.0から81.3まで低下している。ただ、ユーロ圏の景気リスクを蒸し返すような動きはみられず、決定打を欠いている。


6月15〜16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるため、ユーロ/ドルの動きに対しては注意が求められる。今会合での大きな動きは想定しづらいが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言、当局者の経済見通しがタカ派と評価されると、米金利上昇・ドル高圧力が相対的にユーロを押し下げる可能性はある。当面はECBの政策スタンスに大きな変化は想定しづらいため、ドルの動向に注意したい。ただ、米国と同様にユーロ圏の景況感も改善が進んでおり、ユーロが大きく下振れするリスクは限定される。上値を買い進む局面は一服しているが、FOMCきっかけでドル高・ユーロ安が進展するような場面があれば、物色妙味は維持されよう。下値不安は大きくなく、高値ボックス傾向が強まり易い。


サイコロジカルは、前週の6勝6敗から変わらず。14日RSIは58.05。


今後1週間の予想レンジは、132.00〜134.00円。
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豪ドル/円相場
2021/06/16 (水)
【豪ドル】 雇用統計に注目も、堅調地合が続き易い
豪ドル/円相場は、1豪ドル=84円台を中心に揉み合う展開になった。豪経済に対する信頼感の高さ、原油など資源価格の高止まりが下値を強力にサポートしているが、85円の節目水準では利食い売りを進める動きも強く、明確な方向性を打ち出すには至らなかった。5月中旬以降の高止まり状態が踏襲されている。豪経済に関しては、特に目新しい進展などはみられない。豪中央銀行理事会議事録では、債券買い入れプログラムの停止検討は時期尚早との認識で一致していたことが確認されている。政策金利についても長期間にわたって過去最低の0.10%に据え置かれる見通しが再確認されている。豪経済に対する信頼感は高まり、資源価格も高止まりしている。主要7か国(G7)首脳会談で西側諸国と中国との関係悪化が確認されていることはネガティブ。ただ、国際政治リスクは上値圧迫要因になりながらも、豪ドル相場を大きく押し下げるまでの材料とは評価されていない。


17日に豪中央銀行ロウ総裁の講演が行われるが、金融緩和縮小に向けての手掛かりが提供されることはないだろう。注目されるのは同じく17日に発表される5月雇用統計だが、雇用者数は前月の3.06万人減に対して3.00万人増が予想されている。ただ、大きな変動は想定されておらず、金融政策に対する影響も限定的だろう。15〜16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果次第で米ドル相場が荒れた展開になる可能性に注意が必要だが、豪経済成長と資源高を背景に、底固い展開が続く見通し。85円水準の抵抗を完全に突破すると、コアレンジの切り上げも進み易くなる。


サイコロジカルは、前週の7勝5敗から6勝6敗に。14日RSIは51.91。


今後1週間の予想レンジは、84.00〜86.00円。
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エマージング通貨相場(南アランド/円・トルコリラ/円・メキシコペソ/円)
2021/06/10(木)
【南アランド】 イベント前の利食い売りも、強気環境変わらず
南アフリカランドは、1ランド=8.16円まで上昇した後、7.9円台まで反落する展開になった。投資家の高利回りを求める動きが強く、上値切り上げ傾向を維持した。ただ、10日の5月米消費者物価指数、15〜16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に持高調整の動きが上値を圧迫し、上げ一服となっている。特にネガティブな材料は見当たらなかったが、イベントリスクから持高調整が優先されている。1〜3月期国内総生産(GDP)は前期比1.1%増となった。昨年10〜12月期の1.5%増から伸びが鈍化しているが、パンデミック環境にあって安定成長を実現したことは高く評価できる。このため、高利回りを追求する投資家からの買い圧力の強さが目立ったが、イベントを前に利食い売りが上値を圧迫した。


ランドの基調は強いが、5月米消費者物価指数とFOMCを受けて、ドル高圧力がみられるかに注意が必要。米金融政策環境に大きな変化はないとみられるが、ランド相場の上昇を維持するためには、米金融緩和政策の見直し議論が活発化しないことが求められる。目先はランドサイドには重要イベントがなく、米金利水準の抑制された状態が続けば、徐々に押し目買い優勢の地合に回帰しよう。8円の節目水準で底固さを再確認できれば、8.1〜8.2円水準が打診される。


 今後1週間の予想レンジ 7.86〜8.18円/ランド
   過去1週間のレンジ 7.94〜8.16円/ランド
 
【トルコリラ】 大5月インフレ率は伸び悩むも
トルコリラは、1リラ=12.56円まで下押しされた後、12.7円台まで小幅切り返す展開になった。トルコ金融政策に対する不信感から下値模索の展開が続いているが、持高調整の動きに下値を支えてられている。特に目立った買い材料は見当たらないが、 10日の5月米消費者物価指数、15〜16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に持高調整が強くなった。5月消費者物価指数は前年比16.59%上昇となった。4月の17.14%から予想外の下振れになったことは、ポジティブ。ただ、現在のトルコではインフレ率低下を手掛かりに、高インフレ環境における利下げを検討している異常な状態にあるため、インフレ率低下は寧ろトルコ通貨環境に混乱をもたらしかねない状況にある。


FOMCは無風通過になる可能性が高いが、何れにしてもリラに対する資金流入の動きは限定され易い。エルドアン大統領の政治的な圧力で金融政策がゆがめられており、投資対象としての適格性を失っている。ドルの動向によっては自立反発的な動きは想定できるが、本格的な上昇は想定できない。6月17日のトルコ中央銀行金融政策会合では、政策変更の可能性は低い。当局者からタカ派の発言が聞かれると一時的に買われる可能性もあるが、戻り売り優勢の地合が維持されよう。改めて下値を切り下げる可能性が高い。


 今後1週間の予想レンジ 12.20〜13.00円/リラ
   過去1週間のレンジ 12.56〜12.77円/リラ
 
【メキシコペソ】 政治環境の安定を好感
メキシコペソは、1ペソ=5.5円台まで値上がりする展開なった。良好な米経済環境の恩恵を受けることが期待されており、年初来高値更新が続いている。6日に実施された連邦下院中間選挙では、与党が過半数議席を維持する一方で、議席は減らす結果になった。与党圧勝による強行な政策運営も、議会の勢力図転換も回避され、政治環境に大きな変更が生じないことはポジティブと評価されている。一方、米経済の安定成長が続いていることが、引き続き好感されている。米製造業部門に対する需要が拡大し易いことに加えて、人手不足が深刻化する米国で出稼ぎ労働を行う労働者の賃金のメキシコ還流も期待できる状況にある。インフレ圧力が強まり始めているが、すでに緩和サイクルは終わったとの信頼感は強く、目立った調整局面もなく上値追いの展開が続いている。


短期的な過熱感もあるが、目立った売り材料は見当たらない。米経済の安定成長が続き、それがメキシコ経済の正常化を加速させる流れも続き易い。米連邦公開市場委員会(FOMC)でのドル急伸といった動きがみられないのであれば、目立ったリスクイベントもないだけに、緩やかな上昇地合が支持される。5.6円台へのコアレンジ切り上げが打診される。


 今後1週間の予想レンジ 5.50〜5.62円/ペソ
   過去1週間のレンジ 5.44〜5.58円/ペソ
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※ドル/円は月曜日、ユーロ/円は火曜日、豪ドル/円は水曜日、エマージング通貨は木曜日に更新予定。
休日の際は、更新をお休み致します。
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