コモディティ・金融情報専門サイト
asumiru.com

大起産業FX週報


ドル/円  ユーロ/円  豪ドル/円  エマージング通貨(南アランド/円・トルコリラ/円)

※全レポートおよびファイルの無断転載を固く禁じます。
ドル/円相場
2019/09/16(月)
【米ドル】 リスクオンの支援続けば堅調、日米政策会合に注意
米ドル/円相場は、1ドル=108円水準まで急伸する展開になった。米中通商環境の改善期待を背景に投資家のリスク選好性が強まる中、ドル/円相場は急伸している。トランプ米大統領が暫定合意の可能性について言及するなど、10月上旬の通商協議を前に米中間の動きが活発化している。中国は米国産大豆の購入再開に踏み切っており、通商リスクが一気に軽減される可能性が浮上している。8月は米中対立が強力なリスクオフ圧力を促し、為替市場では安全性の高い円が買われていた。しかし、9月入りしてからは米国債や金などの安全資産が一斉に売られており、円も買いポジション整理の動きが優勢になっている。通商リスクの軽減期待からドルの上値は抑えられているが、ドル安よりも円安圧力の方が優勢だった。


今週は18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、その直後の19日に日本銀行金融政策会合が開催される。FOMCでは0.25%の利下げがほぼ確実視されているが、日本銀行が緩和スタンス強化を見送ると、改めてドル売り・円買い圧力が強まる可能性はある。ただ、最も注目されているのは米中通商環境であり、通商リスク軽減の流れが維持されるのであれば、リスク資産買い・安全資産売りの動きと連動して、ドル/円相場の堅調地合は維持される。約1ヵ月半ぶりの高値圏とあって急伸が警戒される値位置ではないが、リスクオン環境に逆行して急落するリスクは低い。リスクオン環境を背景としたコアレンジ切り上げの流れに修正を迫る動きの有無が注目される。


テクニカルでは、一目均衡表の雲(107.23〜107.59円)を上抜いており、このまま雲を抵抗線が支持線に転換できるのかが打診される。サイコロジカルは、前週の5勝7敗から7勝5敗に。14日RSIは62.73。


今後1週間の予想レンジは、107.25〜109.00円。
icon PDF版



ユーロ/円相場
2019/09/10 (火)
【ユーロ】 ネガティブ材料の出尽くし打診、先高感は乏しい
ユーロ/円相場は、1ユーロ=115.84円まで下落した後、118円台円台中盤まで切り返す展開になった。ユーロ圏の景気減速懸念、欧州中央銀行(ECB)の追加緩和に対する警戒感を背景に下値追いの展開が続いていたが、ブレグジットを巡る不確実性の後退、リスクマーケット全体の地合改善を受けて、ユーロ/円相場反発した。イギリスが「合意無き離脱」に突き進むリスクが警戒されていたが、議会が抵抗をみせたことで、直ちにブレグジットが大きな混乱をもたらすリスクは後退している。先行き不透明感は強いが、イタリアではコンテ新政権が誕生し、親欧州連合(EU)色を強めていることで、政局不安が和らいだことも、ユーロを支援している。ユーロ圏の景気減速傾向には変化がなく、ECBの緩和スタンス強化も必至の状況だが、短期筋のショートカバー(買い戻し)が先行している。


ユーロの買い材料は乏しく、実体経済や金融政策環境はなお下振れリスクを示唆している。一方で、短期的なネガティブ材料の出尽くし感も意識され始めており、少なくとも円が底固く推移している局面では、ユーロ/円相場が大きく下振れするリスクは限定されている。ユーロ/ドルも下げ一服感がみられる。改めてユーロを押し上げることは難しいが、政治リスクに関しても一服感があり、116円水準では下げ渋る展開が想定できる。ただ、ECBがマイナス金利の深堀り、量的緩和など緩和スタンスを強化する一方、日本銀行が大きな動きを見せない中では、ユーロ/円相場の反発力は限定される。119〜120円水準では上値を抑えられよう。


テクニカルでは、一目均衡表の転換線(117.29円)、基準線(117.85円)を抜けている。基準線が抵抗線から支持線に転換できるかを打診する局面になる。サイコロジカルは、前週の5勝7敗から7勝5敗に。14日RSIは53.65。


今後1週間の予想レンジは、117.50〜120.00円。
icon PDF版



豪ドル/円相場
2019/09/11 (水)
【豪ドル】 リスクオン環境の支援強まる、株価と連動か
豪ドル/円相場は、1豪ドル=74円台前半までじり高の展開になっている。8月26日には一時69.97円まで下落していたが、その後はリスク投資環境全体の地合改善と連動して、安値修正の動きが優勢になっている。10月上旬に米中通商協議の日程が設定されたこと、中国人民銀行(中央銀行)が9月16日からの預金準備率引き下げを決定したことなどが、投資環境全体の地合改善を促しており、新興国通貨や資源国通貨に対して安値修正圧力が発生している。豪ドルの独自材料としては、4〜6月期国内総生産(GDP)が前年同期比1.4%増となり、前期の1.8%増から大きく下振れした。ただ、市場予測とは一致しており、特に大きな問題とは評価されていない。中国の8月財新サービス業指数が前月の51.6から52.1まで予想以上に大きく上振れしたことはポジティブだが、豪経済への影響が大きい製造業分野の減速傾向には変化がなく、マーケットの反応は限定されている。


目先は9月17日に豪中央銀行理事会の議事録が公表される。同会合では政策金利の据え置きを決定する一方で、長期にわたる低金利が必要との認識を示した。このため、追加利下げの可能性を示唆したと評価されているが、具体的にどの程度まで追加利下げに意欲を有しているのかが問われることになる。ただ、最も重視すべきはリスク投資環境の地合であり、このままリスクオンの地合を維持できるか否かによって豪ドル相場のトレンドは決まる。リスクオン環境が維持できれば75円の節目突破から一段高を打診する方向性になり、上振れ期待が強い状態にある。ただ、僅かなきっかけでリスクオフ環境に回帰する可能性を抱えた不安定な地合が続くことになる。


テクニカルでは、一目均衡表の雲(73.30〜73.51円)をブレイクしている。このまま雲を支持線にできるのかが問われることになる。サイコロジカルは、前週の6勝6敗から9勝3敗に。14日RSIは63.95。


今後1週間の予想レンジは72.50〜76.00円。
icon PDF版



エマージング通貨相場(南アランド/円・トルコリラ/円・メキシコペソ/円)
2019/09/12 (木)
【南アランド】 ムーディーズの当面の格下げはなし
南アフリカランドは、1ランド=7.3円台まで上昇する展開になった。リスク投資環境全体の地合改善が進む中、新興国通貨に対しても資金が流入している。米中通商協議の開催が決まったことなどで投資家のリスク選好性が強くなっており、その流れの中でランドも物色されている。南アフリカの独自材料としては、格付け会社ムーディーズが同国の格付けについて前向きな見解を示したこともポジティブ。現在の格付けを維持できるかどうかは経済改革のペースにかかっているとしたものの、近い将来に投資不適格級に引き下げを行う公算は小さいとしている。現在の格付けは「Baa3」であり、ムーディーズの格下げが行われると3大格付会社の全てが投資不適格級になるが、そうしたリスクは限定されている。


目先は9月18日の8月消費者物価指数、7月小売売上高などがイベントリスクになるが、基本的にはリスクオンかオフかの単純な議論に左右され易い。10月1日に中国の建国70周年を控える中、10月上旬の米中通商協議まで、米中対立は一服感が維持され易い。このまま投資家のリスク選好性が維持されると、7.5円の節目突破から7.6円水準が打診される。あくまでもリスクオンの地合が維持されるか否かが焦点になる。


 今後1週間の予想レンジ 7.25〜7.50円/ランド
 過去1週間のレンジ 7.17〜7.38円/ランド
 
【トルコリラ】 トルコ中銀はエルドアン大統領に屈するか?
トルコリラは、1リラ=18円台中盤から後半で揉み合う展開になった。リスクオン化が進んでいるが、リラ相場は特に目立った値動きを見せていない。他新興国通貨はリスクオン環境の中で戻り高値を更新する展開になっているが、リラだけは高値更新に失敗している。12日にトルコ中央銀行の政策会合を控えているが、エルドアン大統領は政策金利を現在の19.75%から一桁台まで引き下げるべきと主張している。インフレ圧力の低下を確認して利下げを行うのではなく、利下げを先行すべきとの主張であり、中央銀行が大統領に「忖度」するのではないかとの警戒感が上値を抑えている。


12日の政策会合の結果次第だが、市場予測は2.50%の大幅利下げになっている。ただ仮にこれを上回る大幅利下げを行うと、リスク投資の地合と関係なくリラが下振れするリスクが高まる。どのような結果になるのか予想が難しいが、サプライズがあるとすれば、リラ売り圧力になり易い。18円台前半程度までは下げるリスクを想定しておく必要がある。リスク投資環境全体の地合が安定化する中、リラ相場だけが本格的に急落するリスクは限定される。ただ、他新興国通貨のように上値を試すのであれば、トルコ中央銀行がエルドアン大統領の圧力に屈して本当に一気に一桁の政策金利を目指すようなことはないとの安心感をもたらすことが要求される。


 今後1週間の予想レンジ 18.00〜19.00円/リラ
 過去1週間のレンジ 18.51〜18.83円/リラ
 
【メキシコペソ】 インフレ率低下で9月利下げ確率高まる
メキシコペソは、1ペソ=5.5円台中盤まで急伸する展開になった。他新興国通貨と同様に、リスクオン環境からの支援を受けている。米中通商協議の開催決定が決まり、投資家のリスク回避スタンスが一服していることが、ペソ相場も支援している。あまり独自材料は重視されていないマーケット環境になるが、8月の消費者物価指数は前年比3.16%上昇となり、2016年10月以来で最も小幅な伸びになった。経済活動低迷の影響が大きいが、これによって利下げ余地が拡大したとの評価はペソに対してネガティブ。ただ、リスクオン環境の中でペソだけを売り込むような動きはみられず、素直にリスクオン環境の支援を受けている。


9月26日の金融政策会合での利下げ観測が強いが、国内独自材料は殆ど材料視されていない。特に注目度の高いイベントも予定されていない。このため、単純にリスクオンかオフかが議論され易く、このままリスクオン環境が維持できるのであれば、5.6円台乗せが打診される。過熱感が強くなっているが、リスクオン環境が維持されているのであれば、値崩れは要求されない。ただ、投資家のリスク選好性が一服すれば、敢えてペソを買い進むような材料はなく、外部環境頼みの上昇圧力になる。


 今後1週間の予想レンジ 5.45〜5.65円/ペソ
 過去1週間のレンジ 5.41〜5.54円/ペソ
icon PDF版





※ドル/円は月曜日、ユーロ/円は火曜日、豪ドル/円は水曜日、エマージング通貨は木曜日に更新予定。
休日の際は、更新をお休み致します。
※PDF版の閲覧にはAdobe Readerのインストールが必要です。
※レポート内容に関してのご質問等にはお答えできませんのでご了承ください。
※全レポートおよびファイルの無断転載を固く禁じます。