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大起産業FX週報


ドル/円  ユーロ/円  豪ドル/円  エマージング通貨(南アランド/円・トルコリラ/円)

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ドル/円相場
2019/06/24 (月)
【米ドル】 米金利低下一服なら自立反発も、上値は重い
米ドル/円相場は、1ドル=108円台前半での保ち合いを経て、107円台前半まで下落する展開になった。6月18〜19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)をきっかけに米金利低下・ドル安が進行する中、主にドルサイドの要因でドル/円相場は値下りした。米国株は過去最高値圏まで上昇しているが、リスクオンの円安よりも米利下げ観測を背景としたドル安圧力の方が優勢だった。FOMCでは、金利政策について声明分から「忍耐強い」対応が可能との文言を削除し、景気減速懸念などに適切に対処する方針を示した。当局者の金利見通しは据え置きと利下げでほぼ五分五分の状況だが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は利下げ対応を支持する声の広がりを報告している。


今週は米中首脳会談が控えているが、ここで通商リスクの軽減を進めることができないのであれば、7月にも利下げが対応される可能性を想定しておく必要がある。7月に利下げが実施されれば、年内2回の利下げ対応の可能性も想定されることになる。一方で、リスクオン化を背景とした円安圧力も発生しているだけに、米金利低下・ドル安圧力にブレーキが掛かると、108円台前半程度まではリバウンドする可能性がある。足元では米長期金利の下げにブレーキが掛かる兆候がみられ、自律反発には注意が必要。ただ、米中通商リスクの軽減が進まない場合にはFRBは利下げサイクル入りの方向に突き進むことになり、仮に株式市場で調整売りが膨らむようなことがあると、一気に106円台前半まで下値は切り下がることになる。自立反発の可能性が高まるが、底打ち感は乏しく、下値不安は維持される。中東情勢がリスクオフ化を促す可能性にも注意が必要。


テクニカルでは、一目均衡表の転換線(107.88円)に上値を抑えられ、基準線(108.86円)との乖離が拡大している。自立反発局面になると、基準線に接近する。サイコロジカルは、前週の6勝6敗から変わらず。14日RSIは28.33。


今後1週間の予想レンジは、106.25〜108.50円。
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ユーロ/円相場
2019/06/18 (火)
【ユーロ】 改めてユーロの上値重く、ECBの緩和議論を警戒
ユーロ/円相場は、1ユーロ=121円台後半まで軟化している。リスクオフ化の一服で6月3日の120.77円をボトムに11日の123.14円まで切り返したが、株価の反発が一巡したこと、対ドルでユーロ買い戻しの動きが一巡したことで、戻り売り優勢の展開になっている。トランプ米大統領は、ユーロや他通貨がドルに対して割安に誘導されるとの批判を行っており、瞬間的にユーロ高に振れる場面も見られたが、影響は限定されている。欧州中央銀行のクーレ専務理事、ビルロワドガロー仏中央銀行総裁などが量的緩和、更には利下げの可能性についても言及する中、ユーロの戻りは売られている。国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は、ユーロ圏の低成長と低インフレが長期化する可能性を指摘している。


目崎は18〜19日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるため、ドル主導でユーロ/ドル相場も荒れる可能性がある。ここで強めの緩和姿勢が示されると、ドル安・ユーロ高圧力がユーロ/円相場も支援する可能性がある。ただ、ユーロ圏もこのままの経済環境が続けば近く緩和姿勢の強化が求められることになり、ユーロの反発余地は限定される。17〜19日にはECBの年次フォーラム、20〜21日には欧州連合(EU)首脳会議が開かれるが、ここで金融・財政政策による政策調整の議論が強化されると、改めてユーロ売り圧力が膨らみ易い。リスク投資環境の地合安定化が進むと円安主導の反発シナリオも浮上するが、米中対立解消の目途も経たない中、120.77円の直近安値を意識した展開になる。


テクニカルでは、一目均衡表の基準線(122.21円)、転換線(122.25円)と交錯している。基準線を完全に上抜くと、下げ一服感が強まり易くなる。サイコロジカルは、前週の5勝7敗から8勝4敗に。14日RSIは38.79。


今後1週間の予想レンジは、120.50〜123.00円。
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豪ドル/円相場
2019/06/19 (水)
【豪ドル】 RBAの利下げ継続を先取りする
豪ドル/円相場は、1豪ドル=74円台中盤まで下落する展開になった。75円の節目が支持線として機能せず、下値模索の展開が続いている。5月の豪雇用統計では、雇用者数が前月比4.23万人増と強めの数値になったが。失業率が5.2%で横這いで、改善予想が裏切られている。中国の5月貿易収支、鉱工業生産といった指標が低調だったことで、中国経済の減速が改めて意識されたことも、豪ドル相場を大きく下押していている。豪中央銀行は利下げによる景気刺激策に動いているが、このまま景気減速が続けば年内に2回目の利下げが実施されるとの警戒感も強い。実際に豪中央銀行理事会議事録では、失業率の改善、賃金や物価の伸びを加速させるために、一段の利下げが必要になる可能性が高いとの認識が示されている。マーケットでは8月までに0.25%の利下げが実施されるとの見方を織り込んでいる。


20カ国・地域(G20)首脳会議で米中首脳会談の開催が決まったことはポジティブ。貿易摩擦解消への期待感から世界的に株高が進むと75〜76円水準まで安値修正が進む可能性がある。ただ、現時点では米中関係改善に向けた動きが活発化している訳ではなく、あくまでも首脳会談をきっかけに米中間の協議を再開する方向性に修正されているのみである。中国経済の減速感は依然として強く、当面は自立反発程度しか上昇シナリオは描けない。弱い経済指標が続いていることで、中国が大規模な景気刺激策を発動するのではないかとの観測もあるが、経済見通しを一変するような動きまでは想定することが難しい。米中関係についてサプライズ的な動きがみられないのであれば、このまま緩やかなペースで下値を模索する展開が続き易い。


テクニカルでは、一目均衡表の転換線(74.97円)、基準線(75.16円)を下回る。基準線突破で下げ一服感が強まる。サイコロジカルは、前週の6勝6敗から変わらず。14日RSIは30.17。


今後1週間の予想レンジは73.50〜75.50円。
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エマージング通貨相場(南アランド/円・トルコリラ/円・メキシコペソ/円)
2019/06/20 (木)
【南アランド】  景気減速とインフレ抑制で中銀は利下げか?
南アフリカランドは、1ランド=7.14円をボトムに、7.5円台まで切り返す展開になった。南アフリカ荷関しては特に目立ったポジティブ材料は見当たらなかったが、リスク投資環境の地合が安定していること、米利下げ着手の観測を手掛かりに、安値修正が促されている。第2四半期の企業景況感指数は前期と同じ28ポイントであり、節目の50ポイントを大幅に下回った状態にある。1〜3月期国内総生産(GDP)は前期比年率3.2%減と10年来の大幅なマイナスになったが、改善の兆候はみられない。また、5月消費者物価指数が前年比4.5%上昇と目標レンジ3〜6%に収まっていることで、南アフリカ中央銀行が利下げサイクル入りするのではないかとの見方も浮上している。ただ、リスクオン化と米金利低下で安値修正が進んだ。


米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げ対応の可能性が強く示唆されており、こうした動きがリスクオン化を促している間は底固く推移する。ただ、南アフリカ経済に買い材料を見出すことは難しく、リスクオン化が維持されている間に安値修正が促される程度の相場感になる。米金融当局は政策調整なくして景気を維持できない可能性を警戒しており、こうした中で高リスクのランド市場に資金流入を促すには、景気減速局面で投資家のリスク選好性が高まる矛盾した相場環境を作り出すことが求められる。


 今後1週間の予想レンジ 7.40〜7.62円/ランド
 過去1週間のレンジ 7.25〜7.54円/ランド
 
【トルコリラ】 米国が経済制裁に踏み切る可能性
トルコリラは、1リラ=18円台を中心に揉み合う展開になった。引き続きロシア製ミサイル防衛システムの配備問題を巡って米国との関係が悪化していることが警戒されており、上値は重い。トルコは米国や北太平洋条約機構(NATO)などの反発を排除してロシア製ミサイル防衛システムの購入を決定したが、米政府がトルコの防衛企業を対象とする制裁を検討中とされている。制裁が発動されると、米金融システムに対するアクセスが禁止され、既に疲弊しているトルコ経済を更に下押しする可能性がある。20カ国・地域(G20)首脳会合でトルコ=米国の関係改善も一部で期待されているが、先行き不透明感が強い。また、6月23日にはイスタンブール市長選のやり直しが予定されており、政治環境の不安定化もリラ相場の上値を抑えている。


リラ相場のボトルネックとなっているのは米国との関係悪化であり、この問題が改善しない限りは、先高観野形勢は難しい。G20でのトップ会談でこの問題が解決される可能性は極めて低い。イスタンブール市長選を巡って与野党の対立がエスカレートした場合にも、下値不安が強まる。24日の6月製造業信頼感指数などもイベントリスクになるが、トルコ経済の改善期待が強まることはないだろう。リスクオン化やドル安が加速した際に、若干の安値修正が想定される程度に留まる。


 今後1週間の予想レンジ 18.20〜18.90円/リラ
 過去1週間のレンジ 18.23〜18.66円/リラ
 
【メキシコペソ】 原油安一服はポジティブも
メキシコペソは、1ペソ=5.6円台を中心に揉み合う展開になった。トランプ政権がメキシコに対する制裁関税発動を見送ったことで、6月3日の5.43円で短期底入れしているが、5.7円台回復から一段高を試すまでのエネルギーはなく、狭いレンジ内での保ち合いに終始している。リスク投資環境は総じて安定しており、米利下げ観測といったポジティブ材料もみられたが、メキシコの経済環境に対しては厳しい評価が優勢になっている。格付け会社ムーディーズは、予想外の政策対応や国営石油会社Pemexの経営問題などがメキシコ経済のリスクになるとしている。格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたばかりだが、高いレベルの経済リスクを改めて警告している。メキシコ議会では、米国の関税回避のための不法移民対策に対する批判の声も強い。


原油相場が下げ一服となっていることはポジティブだが、メキシコ経済に買い材料は乏しい。米国の関税も不法移民対策が十分に機能しなければ蒸し返される可能性がある。メキシコサイドの要因でペソ相場を押し上げるのは難しく、リスクオン化やドル安などの外部環境が強気に傾いた際に、若干の安値修正圧力が想定できるレベルに留まる。24日の6月消費者物価指数、26日の5月失業率などがイベントリスクになる。


 今後1週間の予想レンジ 5.60〜5.72円/ペソ
 過去1週間のレンジ 5.62〜5.70円/ペソ
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※ドル/円は月曜日、ユーロ/円は火曜日、豪ドル/円は水曜日、エマージング通貨は木曜日に更新予定。
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