コモディティ・金融情報専門サイト
asumiru.com

大起産業FX週報


ドル/円  ユーロ/円  豪ドル/円  エマージング通貨(南アランド/円・トルコリラ/円)

※全レポートおよびファイルの無断転載を固く禁じます。
ドル/円相場
2018/08/20(月)
【米ドル】 新興国リスク拡大と通商リスク軽減のバランス
米ドル/円相場は、1ドル=110円台中盤を中心に揉み合う展開になった。新興国リスクの上値圧迫が続くも、米中貿易戦争緩和の可能性が浮上する中で下値はサポートされ、明確な方向性を打ち出せていない。新興国リスクに対しては、根強い警戒感がある。ムニューシン米財務長官は米国人牧師の開放がない場合には追加制裁を検討していることを明らかにしているが、トルコ裁判所は拘束を継続する決定を下している。また、格付け会社ムーディーズはトルコの格下げを実施しており、改めて投機売りが過熱する展開への警戒感は強い。ただ、足元ではリラ売りの動きが一服していることもあり、ドル/円相場を押し下げる動きは限定された。一方、米中通商協議が再開される見通しになっている。米政府内からは11月の米中首脳会合までの決着を目指すような声も聞かれ、通商リスク軽減がドル/円相場をサポートした。


「通商リスク軽減」と「新興国リスク」とのパワーバランスの問題になり、前者を重視すれば堅調、後者を重視すれば軟調になる。基本的には強弱材料交錯で大きな値動きは想定できないが、株価が底固く推移するのであれば、111.50〜112.00円水準までは想定できることになる。やや買い対応に優位性があろう。ただ、新興国リスクの解消が進む状況にはなく、上げ幅は限定され易い。逆にトルコリラ急落などがみられると、110円台割れを打診する程度のリスクは残されている。いずれにしても一方的な相場展開にはなりづらく、大きな値幅を想定する必要性は乏しい。短期売買中心の相場環境が続こう。なお、24日にはジャクソン・ホールでパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演が予定されていることには注意が必要。


テクニカルでは、一目均衡表の雲(110.45〜111.25円)下限を打診。このまま下抜けすると110円割れが打診される。一方、ここでサポートされると雲上限が打診される。サイコロジカルは、前週の4勝8敗から変わらず。14日RSIは42.38。


今後1週間の予想レンジは、109.50〜112.00円。
icon PDF版



ユーロ/円相場
2018/08/14 (火)
【ユーロ】 トルコ売りで欧州金融機関への飛び火警戒
ユーロ/円相場は、1ユーロ=126円水準まで下落した。通商リスクを背景にドル/円連動でユーロ/円相場も上値の重い展開になっていたが、そこに新興国リスクも加わる中、下げが加速している。8月10日にトルコリラ相場が急落したが、トルコに対するエクスポージャーの大きい欧州金融機関にリスクが波及するとの見方が、ユーロの上値圧迫している。現時点で具体的なデフォルトなどが発生している訳ではないが、このままトルコ売りの動きが継続すると、欧州金融機関の保有する資産などに不測の巨額損失が発生することへの警戒感が強い。更に、こうしたリスクは欧州金融機関から世界へと波及する可能性もあり、円高圧力もユーロ/円相場の上値を圧迫している。


新興国通貨安に関しては、各国が政策対応を講じ始める中で、パニック的な地合が続くリスクは後退している。ダウントレンドそのものは維持される見通しだが、一定の落ち着きを取り戻す方向性になろう。トルコ中央銀行の大規模利上げが想定できない中では、本格的な反発リスクは限定される。ただ、アルゼンチンが大幅利上げに踏み切り、トルコも流動性供給を開始するなど、新興国リスクは少なくとも一旦は収束方向に向かおう。その際は、ユーロ売りと円買いの双方に修正が入り、自立反発的な動きが想定できることになる。当面はリラ相場の動向などを眺めて不安定な地合が続くことになるが、短期リバウンド狙いでの物色妙味はあろう。ただ、ユーロサイドには特に目立った買い材料はなく、改めて130円の節目を打診する様な値動きになるには、ドル/円相場の上昇再開が必要不可欠である。


テクニカルでは、一目均衡表の雲(128.57〜128.81円)を大きく下抜き、125.00円のサポートが打診される。一方、雲と基準線(128.55円)が重なり、同推移準突破で下げ一服が確認される。サイコロジカルは、前週の4勝8敗から5勝7敗に。14日RSIは28.85。


今後1週間の予想レンジは、124.50〜128.00円。
icon PDF版



豪ドル/円相場
2018/08/15(水)
【豪ドル】 豪雇用統計に注意も、新興国リスク軽減なら反発か
豪ドル/円相場は、1豪ドル=80円台まで値下がりする展開になった。新興国発のリスクオフ圧力を受けて、豪ドル相場は上値の重い展開になっている。豪実体経済環境に対する具体的なインパクトが想定されている訳ではない。ただ、投資家のリスク選好性が後退する中、新興国通貨と同様に豪ドル相場も上値の重い展開になった。特に豪経済に関して目立った材料が見当たらない中、比較的素直にリスクオン・リスクオフの地合に反応する展開になっている。


目先は16日に発表される7月雇用者数が注目される。雇用者数の伸び鈍化が想定されているが、失業率は抑制された状態が続く見通しであり、大きな相場インパクトは想定する必要性が乏しい。豪中央銀行が当面の金利据え置きを強く示唆していることもあり、ほぼ無風通過になろう。目先の焦点は通商リスクと新興国リスクをどの程度まで織り込むのかが問われることになる。まだ極めて不安定な地合だが、通商リスクに関しては為替相場に対するインパクトが軽減される方向にあり、焦点は新興国リスクをこのまま収束させることができるか否かになる。現時点では新興国が政策対応を進めてリスクオフ化にブレーキを掛けつつあり、円高・新興国通貨売りの動きに歯止めを掛ける形で、徐々に底固さを再確認する方向性で見ている。80円の節目水準ではサポートされ、82円水準までの自立反発的な動きが想定できる。ただ、あくまでも新興国リスクの暴走がないことが前提になる。


テクニカルでは、一目均衡表の雲(82.33〜82.58円)を大きく下抜いている。過熱感が強く、安値修正の動きで基準線(81.39円)を上抜くと、短期底入れが確認でき、83円台回復が打診される。一方、基準線に抵抗を受けると、80円水準で上値の重い展開が続く。サイコロジカルは、前週の8勝4敗から4勝8敗に。14日RSIは30.83。


今後1週間の予想レンジは、80.00〜83.00円。
icon PDF版



エマージング通貨相場(南アランド/円・トルコリラ/円
2018/08/16(木)
【南アランド】  トルコリラ急落の余波
南アフリカランドは、1ランド=7.18円まで急落した後、7.7円水準で上値の重い展開になっている。トルコリラ急落を受けて、他の新興国通貨に対しても売り圧力が強まり、ランド相場は値崩れを起こした。ランド相場の急落で高金利狙いの資金がランドにシフトする可能性も指摘されていたが、実際にはリラ売りの動きと連動してランドも売られている。特にリラ相場につれ安する必要もなかったが、新興国通貨全体のリスクが顕在化する中、ランドからも資金引き揚げの動きが目立った。


ランドの独自材料は殆ど存在しない。完全にリラに連れ安した相場であり、リラが下げ止まることが可能か否かだけが問われることになる。ムーディーズが、財政再建ペースの鈍化を指摘するといったネガティブな動きもみられるが、マーケットの反応は限定されている。単純に新興国通貨のリスクという視点が重視されており、トルコを筆頭に政策対応で通貨防衛の動きが本格化すれば、安値修正の動きが想定できる程度の評価に留まる。ドル高圧力も維持される中、新興国リスクを考慮に入れなくても戻り売り優勢の地合が崩れることはないだろう。7円割れのリスクを残す。


 今後1週間の予想レンジ 7.15〜8.00円/ランド
    過去1週間のレンジ 7.18〜8.30円/ランド
 
【トルコリラ】 米国との関係悪化で投機売り過熱
トルコリラは、1リラ=15.25まで急落後、18円台中盤まで切り返す展開になった。米国との関係悪化から投機筋のリラ売りが加速し、対ドルで過去最安値を更新する動きと連動して、リラ/円相場も急落した。5月下旬以降は22円水準でサポートされていたが、同水準を完全に割り込んでいる。トルコで拘束されている米国人牧師の解放をトランプ政権は強く要求しているが、トルコ側は拒否している。米政府はトルコに対する経済制裁に踏み切り、トルコが報復措置を講じるなど、米国=トルコ間の緊張関係が、そのままリラ売り・ドル買いを促している。国内では、高金利狙いの個人投資家の買いも狙われた。ただ、中央銀行の流動性調整などの動きから、足元ではリラ売り圧力にブレーキが掛かっている。


相場急落に対する政策対応での修正高となっているが、大幅な利上げや米国人牧師の解放といった動きが見られない限り、底打ち判断は時期尚早である。リラ相場の値下がりによってインフレ環境は一段と厳しさを増すことになり、リラの通貨価値毀損の流れは加速する可能性が高い。エルドアン大統領の政治経済政策に対するマーケットの不信感も強く、5月の急落局面と同様に政策対応を受けての自立反発消化後は、改めて戻りを売られることになろう。


 今後1週間の予想レンジ 15.00〜20.00円/リラ
    過去1週間のレンジ 15.25〜21.03円/リラ
icon PDF版





※ドル/円は月曜日、ユーロ/円は火曜日、豪ドル/円は水曜日、トルコリラ/円は木曜日に更新予定。休日の際は、更新をお休み致します。
※PDF版の閲覧にはAdobe Readerのインストールが必要です。
※レポート内容に関してのご質問等にはお答えできませんのでご了承ください。
※全レポートおよびファイルの無断転載を固く禁じます。