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大起証券FX週報


ドル/円  ユーロ/円  豪ドル/円  エマージング通貨(南アランド/円・トルコリラ/円)

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ドル/円相場
2024/04/29(月)
【米ドル】 160円を巡る攻防、円買い介入ラインを打診
米ドル/円相場は、1ドル=159円台まで急伸する展開になった。154円台での保ち合い相場が続いていたが、日本当局の円買い介入が見送られる中、円安が加速している。155円の節目突破でも介入がみられず、介入の意思があるのか疑問視されている。4月25〜26日に日本銀行金融政策会合が開催されたが、円安やインフレ対応で緩和スタンスを調整していく兆候がみられなかったことも、円売り・ドル買いを加速させている。週末を前に急激な円安・ドル高となったが、未だ介入は行われていない。一方、ドルサイドでは3月米PCEデフレータでも強めのインフレ圧力が再確認され、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに着手する時期の見通しが立たない状況にある。米金利上昇・ドル高圧力もドル/円相場を支援している。


日本当局の円買い・ドル売り介入が打診されることになる。154円台から一気に158円台に乗せても介入がみられなかったが、4月30日〜5月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に、何らかの動きがみられるのかが焦点になる。同会合では政策調整は想定されていないが、最近の強めのインフレ指標を受けて、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げ着手に従来よりも慎重スタンスを示す可能性が高い。米金利上昇・ドル高圧力がみられると、160円台乗せを巡る攻防を想定しておく必要がある。29日の東京市場休場中に、既に一時160円台に乗せている。一方で、日米金融政策会合を終えて短期的なイベントリスクを消化すると、積極的な介入に踏み切りやすくなる。日銀会合後の介入は見送られたが、FOMC後の介入の有無が打診されよう。もっとも、介入の効果は一時的とみられ、仮に円買い・ドル売り介入がみられた際には、改めて円売り・ドル買いのエントリーで反発を狙うのが基本になる。


サイコロジカルは、前週の10勝2敗から9勝3敗に。14日RSIは89.75。


今後1週間の予想レンジは、154.00〜161.50円。
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ユーロ/円相場
2024/04/30(火)
【ユーロ】  円安でユーロ高も、ECBの利下げ見通しが上値圧迫
ユーロ/円相場は、1ユーロ=171.42円まで急伸した後、167円台まで急反落する展開になった。対ドルではユーロの値動きは限定されたが、ドル/円相場の急伸を受けてユーロ/円相場も急伸した。ただし、4月29日にはドル/円市場で日本当局が円買い介入に踏み切った模様であり、ドル/円相場が高値から下押しされると、ユーロ/円相場も調整売り優勢の展開になった。ドル/円相場相場の値動きが激しく、ユーロの独自材料はあまり材料視されない地合になっている。オランダ中央銀行総裁は、6月利下げが現実的との認識を示した。中東情勢緊迫化や原油高の影響は限定的として、ECBが米国に利下げで先行しても問題ないとしている。マーケットの関心は6月の利下げの有無ではなく、7月に追加利下げがあるかにシフトしつつあり、日欧の金融政策環境はユーロ安・円高環境を支持している。円安圧力の一点でユーロ/円相場は底固く推移した。


引き続き円相場の値動きに注意が必要だが、円買い介入開始でドル/円相場の値動きが鈍化するのであれば、徐々に上値の重さを再確認しよう。ユーロ圏はディスインフレの進展で利下げサイクル入り入りに自信を強めており、ECBは6月利下げが基本シナリオになる。既にどのようなスケジュールで追加利下げに踏み切るのかが議論の中心になっており、円安圧力の鈍化が確認されると、上値が重くなりやすい。171円台は当面のピークになる見通しであり、戻り売り対応が基本になろう。165〜166円が短期ターゲットになる見通し。


サイコロジカルは、前週の6勝6敗から10勝2敗に。14日RSIは65.19。


今後1週間の予想レンジは、165.00〜169.00円。
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豪ドル/円相場
2024/05/01(水)
【豪ドル】 豪高金利政策で押し目買い優勢
豪ドル/円相場は、1豪ドル=103.62円まで急伸した後、102円水まで上げ幅を削る展開になった。豪中央銀行の高金利政策が長期化する見通しから底固い展開が続いていたが、米ドル/円相場の急伸を手掛りに、豪ドル/円相場も急伸する展開になった。豪インフレ圧力は1〜3月期も強く、豪中央銀行が早期利下げに踏み切ることが可能な環境にはない。逆に積極的な追加利上げが求められる訳ではないが、当面は高金利政策で様子見姿勢が維持される可能性が高くなっている。このため、依然として低金利政策が続く円に対して豪ドルは買い優勢の展開になっていたが、4月26日の日本銀行金融政策決定会合後は米ドル/円相場が急伸し、豪ドル/円相場も年初来高値を更新した。ただし、4月29日には日本当局が円買い介入に踏み切った模様であり、高値からは下押しされている。


米ドル/円相場が乱高下していることで豪ドル/円相場も不安定な値動きになりやすいが、直近高値を直ちに大きく上抜く可能性は後退している。日本当局が円買い介入を開始した以上、直近高値を上抜くには大きなエネルギーが求められる。5月7日の豪中央銀行金融政策会合では、政策調整は想定されていないが、根強いインフレ圧力を背景に利下げに対しては慎重が再確認されよう。当面は利下げサイクル入りが見送られる見通しが再確認され、日豪金融政策環境から押し目買い優勢の展開が維持されよう。100円台確立から103円水準を意識した展開が続く見通し。


サイコロジカルは、前週の6勝6敗から変わらず。14日RSIは62.22。


今後1週間の予想レンジは、101.50〜104.00円。
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エマージング通貨相場(南アランド/円・トルコリラ/円・メキシコペソ/円)
2024/05/02(木)
【南アランド】 高値ボックス傾向に、地政学リスク緩和を好感
南アフリカランドは、1ランド=8.5086円まで急伸して2022年6月以来の高値を更新した後、8.3円台まで上げ幅を削る展開になった。中東情勢の緊張緩和が進む中、対円と対ドルの双方で底固く推移した。特に米ドル/円相場が急伸する中、ランド/円相場も急伸地合を形成した。4月29日に日本当局が円買い介入に踏み切ると上げ一服となったが、高値圏での取引が続いている。ランド相場の独自材料は乏しかった。4月30日〜5月1日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されたが、ランド相場に対する影響は限定された。


ランドの独自材料が乏しい中、高止まりが続こう。円買い介入の動きからドル/円相場の急伸リスクが後退する中、ランド/円相場も直近高値を大きく上抜くのは難しくなる。FOMCのイベントリスクも無難に消化し、ドル/円相場の高値ボックス傾向が、ランド/円相場もボックス化を促そう。イスラエルとハマスの休戦合意が実現すると、下値が固まりやすくなる。8.20円水準を下値目途に、8.50円水準まで上値をみておきたい。一方、円買い介入の開始でドル/円市場で円ショートの整理が本格化した際には、下振れリスクが高まる。


 今後1週間の予想レンジ 8.20〜8.50円/ランド
   過去1週間のレンジ 8.06〜8.50円/ランド
 
【トルコリラ】 利上げ終了の可能性も、高値ボックスへ
トルコリラは、1リラ=4.9190円まで上昇して2月16日以来の高値を更新した後、4.8円水準まで軟化し、前週比ではほぼ横ばいになっている。4月25日にトルコ中央銀行金融政策会合を開催したが、政策金利は50.00%で据え置かれた。依然として高インフレ環境が続いているが、3月に5.00%の大幅利上げを実施したこともあり、追加利上げを急ぐ必要はないと判断された模様だ。物価情勢が著しく悪化すれば追加利上げに踏み切る可能性を示唆しているが、マーケットでは当面の利上げ政策は終わったとの見方が強くなっている。


政策金利引き上げ期待は後退しているが、インフレ対応の構えをみせていることで、リラ売り圧力は一服している。対ドルでも4月12日に当面のボトムを確認している。積極的にリラ買いを仕掛けるような動きは想定しづらいが、リラ/円相場についても当面のボトムは確認している可能性が高い。米ドル/円相場の値崩れが回避されるのであれば、4.70円〜4.90円水準での高止まりが続こう。


 今後1週間の予想レンジ  4.70〜4.90円/リラ
   過去1週間のレンジ  4.70〜4.91円/リラ
 
【メキシコペソ】 高金利通貨の買いが続きやすい
メキシコペソは、1ペソ=9.0〜9.3円水準でやや底固く推移する展開になった。中東地政学リスクに対する警戒感が緩和される中、他新興国通貨と同様にペソ/円相場も底固く推移している。リスクオフ圧力が一服していることで、高金利通貨が改めて物色されている。また、米ドル/円相場の底固さもポジティブ材料視され、一時は年初来高値に迫る展開になった。しかし、ドル/円市場で日本当局が円買い介入に踏み切ると、ペソ/円相場も上げ一服となっている。原油相場の急落もネガティブ。1〜3月期国内総生産(GDP)は前期比0.2%増、前年比1.6%増となる。前年同期比だと前期の2.5%増から伸びが鈍化し、景気制約がやや強くなっていることはネガティブ。ただし、早期利下げ議論が活発化している訳ではなく、相場への影響は限定された。


5月9日の4月消費者物価指数が目先のイベントリスクになるが、それまではペソ独自材料は乏しい。ドル/円相場の急落といった動きがみられないのであれば、高金利通貨の目線から底固さを維持しよう。緩やかな利下げサイクル入りが想定されており、依然として金利メリットが大きい通貨になる。経済成長の勢い鈍化、原油相場の軟化傾向に注意が必要だが、年初来高値9.3381円を窺う可能性もあろう。下値目途は9.0円。


 今後1週間の予想レンジ 9.00〜9.33円/ペソ
   過去1週間のレンジ 8.93〜9.31円/ペソ
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※ドル/円は月曜日、ユーロ/円は火曜日、豪ドル/円は水曜日、エマージング通貨は木曜日に更新予定。
休日の際は、更新をお休み致します。
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