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メディア寄稿レポート


中部経済新聞「焦点」
2025/01/10
銀の押し目買い
銀相場は30ドルの節目を挟んで売買が交錯している。急激な米金利上昇・ドル高環境で値崩れしても不思議ではない状態だったが、投機筋の物色意欲は維持されている。金相場も上値を抑えられながら値崩れが回避されており、貴金属市場全体の底固さが確認されている。これからトランプ米新政権が始動するのを控え、安全資産である貴金属に対する投資ニーズは強い。また、引き続き需給引き締まりへの信頼感も強い。2月にはパリ協定に基づく排出量削減目標の提出義務があり、各国が太陽光など再生可能エネルギー普及に向けた取り組みを強化する見通し。太陽光パネル用需要の拡大が、銀相場をさらに押し上げよう。
【大起証券営業企画室室長・猪又敦】
貴金属相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2025/01/09
金相場の上昇続く
金相場は底固い展開が続いている。米長期金利は今年最高を更新し続けているが、金相場は底固さを維持している。米実体経済の底固さでFRBの積極的な利下げ対応が不要な状況はネガティブだが、それ以上に安全資産に対する投資ニーズの強さが窺える状況にある。1月20日にトランプ米大統領の就任式が行われるが、そこからどのような政策が展開されるのか分からないとの不安心理が強い。特に財政赤字拡大やインフレのリスクが警戒され、米国債売りと金買いが同時進行しよう。また、中国中央銀行は11月に続いて12月も金準備増強を行ったことを報告している。心理的にも投機マネーの流入が期待できる。
【大起証券営業部チーフパートナー・平山清明】
貴金属相場に関するお問い合わせは082−221−5500まで。

中部経済新聞「焦点」
2025/01/08
メキシコペソの金利狙い
メキシコペソ円は7円台中盤から後半でやや底固く推移している。ドル円相場の下げ一服感が強まる中、ペソ円相場も安値修正の動きを強めている。日本銀行は25年も追加利上げに踏み切る見通しだが、日本とメキシコの金利差が急速に縮小するとの見方が後退している。メキシコ中央銀行は利下げを進めており、政策金利は11.25%をピークに10.00%まで低下している。しかし、日本の金利上昇といっても高金利通貨としてのペソの魅力が大きく損なわれる状況にはなっていない。ペソ円相場の急伸は想定しづらいが、ドル円の急落再開がなければ、金利狙いの投資妙味は依然として大きい状態が想定できる。
【大起証券営業部チーフパートナー・篠田和彦】
為替相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2025/01/07
原油は一段高を打診
NY原油は年末年始を挟んで、強含みの展開になった。中国政府が2025年の景気を下支えするため、積極的な財政出動に踏み切るとの楽観的な見方が反映されている。中国石油需要に対する信頼感が高まっており、景気対策の動きがさらに具体化していくと、昨年10月高値78.46ドルを試す可能性もあろう。特に昨年12月に続いて米原油在庫の取り崩しが続くと、買い安心感が強まりやすい。年末年始も中東とウクライナで激しい戦闘が続いていることもポジティブ。地政学リスクの織り込みも原油相場をサポートしている。チャートは2か月半ぶりの高値を更新しており、トレンドフォローの買いを想定できる。
【大起証券営業部チーフパートナー・坂井田隆弘】
原油に関するお問い合わせは0120―103―365まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/12/31
25年は金よりも銀か
2025年も銀相場の高騰は続く見通し。今年の銀相場は総じて金相場と連動した値動きになったが、25年の銀は金相場のパフォーマンスを上回る可能性が高い。安全資産の貴金属という意味では金と共通した強気環境だが、銀については産業用需要の底固さというもう一つの強気テーマを抱えているためだ。太陽光関連需要ばかりが注目されがちだが、銀については自動車や電子機器など他の産業用分野でも堅調な需要が確認されている。価格が高騰しているとは言っても、製品コスト全体に占める銀の比率は依然として軽微であり、割高感や過熱感は乏しい。現在の30ドル水準から一気に40ドル台乗せを試すとみる。
【大起証券営業部シニアパートナー・佐藤規子】
為替相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/12/27
白金の押し目買い
白金相場は900ドル台で値固めを進めている。急激なドル高でも値崩れは回避され、貴金属市場の中でも相対的な底固さが目立つ。コスト環境からみて安値限界に到達した可能性が強く示唆されている。投機筋の売りポジションは過熱感の強い高水準にあり、年明け後はこうした売りポジションの整理が促されるタイミングが、白金相場が反発するタイミングになろう。世界経済が減速しているとはいえ、白金の需要環境は悪くなく、供給不足環境が25年に向けて続く可能性が高い。唯一の問題は投資人気の低さであり、安値を買い拾い反発局面を待ちたい。白金ETF買いもみられると、1000ドル突破も難しくない。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・越智貴哉】
貴金属相場に関するお問い合わせは075・241・7711まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/12/26
金相場の上昇続く
東京金は1万3000円水準で底固く推移している。FRBが利下げに対して慎重姿勢に転じていることがドル建て金相場を圧迫しているが、その影響で円安圧力が強くなっていることが円建て金相場を支援している。FRBは2025年の利下げを慎重に判断する見通しであり、米金利低下余地が限られる。これは円安圧力が改めて強まるリスクを高めることになる。国内では依然として強めのインフレ圧力が発生し続けており、通貨安やインフレ対応で日本の投資家にとって金保有のメリットは大きい。各国中央銀行の金準備増強の動きが強く、安値では中国やインドなどのアジア現物需要も強い。過去最高値更新を狙える。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・平戸隆司】
金相場に関するお問い合わせは06−6300−5757まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/12/25
原油の押し目買い
原油相場は70ドル水準で売買が交錯している。需要不安と供給不安の綱引きが続いている。9月10日を最後に安値更新は見送られているが、70ドル台から一段と買い進むことは見送られている。供給過剰懸念が強まるも値崩れは回避されており、安値限界域に到達しているとの評価になろう。トランプ米次期大統領は米国内の原油増産を強く志向しているが、これ以上の原油安環境だと増産圧力が急速の後退する見通しにある。一方、改めて原油相場を大きく押し上げるには、何らかの供給障害発生が求められよう。引き続き60ドル台で安値を買い拾い、70ドル台まで反発した局面では利食い売りの対応で臨みたい。
【大起証券営業部チーフパートナー・眞田幸弘】
原油相場に関するお問い合わせは082−221−5500まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/12/24
銀の上昇余地大きい
今年の銀相場は年初の23ドル台後半から一時35ドル台まで上昇した後、30ドル水準で年末を迎える状況にある。今年の銀相場は、ほぼ金相場と同じ軌道を描き、年間騰落率だと金とほぼ一致している。金相場が過去最高値圏での取引を維持していることが、間接的に銀相場も支援している。金相場との違いは産業用途の底固さであり、世界経済の成長鈍化でも、太陽光パネルや電子機器などの需要は底固さを維持している。構造的な供給不足状態に陥る中、25年の銀相場は金相場を上回るフォーマンスも想定できる。鍵を握るのは投機マネーの動向であり、銀ETFなどの買いが膨らむと、上昇余地は大きいとみる。
【大起証券営業企画室室長・猪又敦】
貴金属相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/12/19
金の押し目は買い
金相場は高値波乱の展開が続いている。強弱材料が交錯しており、方向性が定まりづらい。12月はFRBが2025年の利下げを抑制するとの見方が上値を圧迫している。想定よりも経済が底固く、ディスインフレが遅れていることで、利下げを急ぐ必要はないと評価されている。ただし、利下げの方向性そのものに変化はみられず、金相場は底固さを維持しよう。シリアのアサド政権崩壊、中東とウクライナの戦闘激化、中央銀行の金準備増強、アジア現物筋の堅調な需要など、金融政策以外の買い材料は依然として豊富な状態にある。先高感は維持され、米金利上昇やドル高の値下がり局面では、物色妙味が維持されよう。
【大起証券営業部チーフパートナー・平山清明】
貴金属相場に関するお問い合わせは082−221−5500まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/12/19
高金利のメキシコペソ
メキシコペソ円は7円台中盤で安定している。米国でトランプ政権が誕生した後の通商環境に不透明感もあるが、様子見に転じている。メキシコ中央銀行の金融政策は、11月に3会合連続の利下げとなり、政策金利は10.25%となっている。声明ではコア物価上昇率が減速し続け、それに伴う利下げが可能との認識が示されている。19日に今年最後の金融政策会合が開催されるが、景気減速とインフレ鈍化で更に0.25%の追加利下げが見込まれている。ただし、世界各国が利下げを進める中、10.00%は依然として高金利であり、投資対象としての魅力は維持されよう。まだ政策金利が二けたの国は多くない。
【大起証券営業部チーフパートナー・篠田和彦】
為替相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/12/18
原油の値ごろ買い
NY原油は70ドルを挟んでの売買が続いている。IEAは来年に大規模な供給過剰が発生する見通しを確認しているが、根強い供給不安から値崩れは回避され、逆に押し目買いが膨らむような動きも観測されている。来年1月のトランプ米政権誕生を前に、各国の動きが活発化している。欧州はロシアが制裁逃れに使う「影の船団」への追加制裁を決めたが、米国も制裁強化に意欲を示している。また、イランの核開発問題も再燃しつつある。戦争による大規模な供給障害は発生していないが、経済制裁による供給不安が高まっている。引き続き60ドル台では物色妙味が維持されよう。供給障害発生が確認されると急伸する。
【大起証券営業部チーフパートナー・坂井田隆弘】
原油に関するお問い合わせは0120―103―365まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/12/17
来年に銀の強気持ち越す
2024年の貴金属市場は、12月13日時点で金と銀相場ともに前年比28.7%高となっている。23年は金の13.4%高に対して銀は0.2%高に留まっていたが、ようやく銀市場のファンダメンタルズの強さが評価され始めたことが確認できる1年になった。過去10年だと7割の確率で金相場のパフォーマンスの方が良好だったが、今後は銀相場のパフォーマンス向上を想定している。金銀比価は86倍と高止まりしているが、これが75倍に低下するだけで銀相場は現在の31ドルに対して35ドルを突破する計算になる。金相場が3000ドルに対して比価が75倍だと40ドルまで上昇する計算になる。
【大起証券営業部シニアパートナー・佐藤規子】
為替相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/12/13
白金は上昇再開へ
白金相場は950ドル水準で売買が交錯している。米大統領選と前後して持高調整で不安定な地合になるも、下値を固めつつある。シリア情勢の緊迫化、各国中央銀行利下げの動きを受けて、金相場は改めて騰勢を強めている。貴金属相場全体の値位置が切り上がりやすい環境にある。一方、中国で景気対策期待が強くなっており、非鉄金属や鉄鉱石相場などが下値を固めている。工業用金属としての売り圧力には一服感が目立つ。投機筋の物色意欲が依然として弱いため値動きは鈍いが、ここまま下値が固まれば、次は1000ドル回復が打診されよう。これまで通りに900ドル台前半から中盤では、買い対応で臨みたい。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・越智貴哉】
貴金属相場に関するお問い合わせは075・241・7711まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/12/12
金の買い方針を継続
東京金は1万2000円台後半で下値を固め、1万3000円台を回復する展開になっている。シリア内戦でアサド政権が崩壊したことで改めて地政学リスクを織り込む動きが優勢になっている。中東情勢にどのような影響があるのか先行き不透明感が強いが、政治・軍事的な不安定化リスクに対するヘッジ買いが強くなっている。また、中国中銀が11月に7ヵ月ぶりとなる金準備の増強を報告したこともポジティブ。トランプ米政権の誕生を前に、改めて中銀の金需要が刺激されている可能性がある。インドやトルコの中銀も金購入量を拡大している。来年に向けて安全資産としての投資ニーズが、過去最高値更新を促そう。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・平戸隆司】
金相場に関するお問い合わせは06−6300−5757まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/12/11
原油の押し目買い
原油相場は60ドル台中盤に下値を支えられるも、70ドル台では上値を抑えられる展開が続いている。今後もボックス相場を基本とした売買環境が続こう。国際原油需給の緩和見通しが上値を圧迫するが、シリアでアサド政権が崩壊したこともあり中東の地政学リスクは依然として高い。突発的な軍事衝突が、原油供給に混乱をもたらす可能性を排除できない。中国で景気刺激策の議論が活発化していることで、銅相場などが下げ止まっていることもポジティブ。OPECプラスが来年1〜3月期も現行の減産体制維持を決めたことで、金融機関の価格見通し引き上げの動きもある。60ドル台中盤付近では押し目買いが有効。
【大起証券営業部チーフパートナー・眞田幸弘】
原油相場に関するお問い合わせは082−221−5500まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/12/10
構造的に強気な銀
銀は太陽光発電技術で重要な役割を果たしている。太陽光パネル1枚にペーストされる銀は数グラムだが、世界全体で生産される太陽光パネル全てに銀が含まれるため、銀需要への影響は大きい。国際エネルギー機関(IEA)は気候変動対策の目標達成には2030年までに太陽光発電容量を3倍にする必要があるとしている。技術革新で1枚当たりの銀使用量は減少傾向にあるが、それでも総需要としてみると急激な拡大が続くことになる。日本を含む先進国はもちろん、中国やインドも野心的な目標を設定しており、少なくとも向こう数年の銀需要の見通しは明るい。30ドル台定着が進めば35ドル突破を打診しよう。
【大起証券営業企画室室長・猪又敦】
貴金属相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/12/06
金の押し目を買う
金相場は高値圏で売買が交錯している。米大統領選後の持高調整の動きが一巡し、改めて下値を固めつつある。まだ値動きは不安定だが、100日移動平均線でのサポートが確認されている。トランプ米次期政権がもたらすリスクの織り込みが一服しつつある一方、米金利低下・ドル安圧力の発生はポジティブ。目先は強弱材料の交錯で、売買が交錯しやすい。一方で、世界的な利下げサイクルに変化はみられず、中東でもイスラエルとレバノンの停戦合意が実現したものの先行き不透明感は強い。トランプ政権開始後は通商問題も深刻化する見通しであり、安全資産への投資ニーズは維持されよう。押し目買い対応を維持したい。
【大起証券営業部チーフパートナー・平山清明】
貴金属相場に関するお問い合わせは082−221−5500まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/12/05
メキシコペソの買い
メキシコペソ円は7円台で揉み合う展開が続いている。メキシコ中央銀行は政策金利を年初の11.25%から10.25%まで引き下げているが、世界的な金利低下環境の中で高金利通貨としての魅力は維持されている。今後もディスインフレの進展と連動して利上げが進む見通しだが、投資家のリスク選好性が維持されると、高金利通貨の一点でペソ投資の魅力は維持されよう。トランプ米次期政権の下で、違法薬物や不法移民問題などで米国と貿易紛争が発生するリスクに注意が必要な状況になるが、最近の通商問題浮上でも一気に値を崩すような展開は回避されている。通商リスクよりも高金利のメリットの方が大きい。
【大起証券営業部チーフパートナー・篠田和彦】
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中部経済新聞「焦点」
2024/12/04
原油の値ごろ買い
NY原油は70ドルを挟んでの売買が続いている。需給緩和見通しの上値圧迫が続く一方、地政学リスクの下値サポートがみられ、明確な方向性を打ち出せていない。イスラエルとレバノンは停戦合意に達したが、その後も局地的な戦闘状態が続いている。停戦合意を履行できるのかは不透明感が強い。また、対イラン強硬派のトランプ米政権の誕生を控え、イランはウラン濃縮体制の強化を進めている。経済制裁が行われるとイラン産原油の供給が急減する可能性もある。強弱材料が交錯しているためにボックス相場が続く可能性が高いが、60ドル台では物色妙味が維持されよう。実際に供給障害が発生すると急伸する。
【大起証券営業部チーフパートナー・坂井田隆弘】
原油に関するお問い合わせは0120―103―365まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/12/03
銀の先高観を維持
NY銀先物相場は30ドル水準での売買になっている。米大統領選後の持高調整を経て、改めて下値を固めている。金相場の値動きがまだ不安定な状態のため、銀相場のみを大きく買い進むような動きは鈍いが、新たな支持線を30ドル水準に設定できれば、35ドル突破は難しくない。世界経済の減速でも脱炭素の流れで太陽光パネル用需要は堅調な一方、鉱山生産は引き続き伸び悩んでおり、国際需給のひっ迫化は決定的になっている。投資家の関心も徐々に高まっており、銀ETFや地金投資などの拡大傾向も強くなっている。金相場の上昇地合が再確認できれば、一段と投資人気も高まり、値位置を切り上げよう。
【大起証券営業部シニアパートナー・佐藤規子】
為替相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/11/29
白金の押し目買い
白金相場は米大統領選後に1000ドルの節目を割り込み、900ドル台前半まで値下がりしている。トランプ次期大統領は、各国からの輸入品に対して関税を課す方針を示しており、それが世界経済や資源取引にどのような影響を及ぼすのかを見極めたいとのムードが強い。金相場も乱高下を繰り返している。一方で白金ETF市場からの大規模な資金流出は回避されている。また、WPICは24年に続いて25年も供給不足になるとの見通しを示している。需要は伸び悩むが、鉱山生産が依然として需要を満たすには不十分な状態が想定されている。ボックス下限の900ドル台前半は、押し目買いの妙味があろう。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・越智貴哉】
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中部経済新聞「焦点」
2024/11/28
金の上昇期待を維持
東京金は1万3000円水準で売買が交錯している。米大統領選ではトランプ氏が勝利したが、その後は政権移行期に特有の不安定な地合になっている。ウクライナ情勢が急速に緊迫化する一方、イスラレルとヒズボラの停戦合意が実現するなど、国際政治環境も大きく揺れ動いている。このため当面の金相場はトランプ氏の動向に振り回される展開になろう。一方、急伸地合一服で中国などの現物筋の物色意欲は旺盛である。中東和平への期待感でもパニック的な売り圧力までは見られず、新しいトランプ時代に向けて安全資産に対する投資ニーズの強さも再確認できる。改めて下値を固め、過去最高値更新を打診しよう。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・平戸隆司】
金相場に関するお問い合わせは06−6300−5757まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/11/27
原油の押し目買い
原油相場は70ドルを挟んでの売買が交錯している。ウクライナとロシアの軍事紛争が激化する一方、イスラエルとヒズボラの停戦合意期待が浮上するなど、国際政治環境は大きく揺れ動いている。来年にはトランプ米新政権が誕生することもあり、その前に各国が動きを活発化させている。中東和平が実現すると調整売りが膨らみやすいが、60ドル台後半ではOPECプラスが減産政策を来年に向けて更に延長するのが確実な一方、各国の原油増産の動きにブレーキが掛かることが予想される。70ドル割れの価格水準では物色妙味が維持される見通し。ただし、75ドルを大きく上抜くには、供給障害の発生が必要。
【大起証券営業部チーフパートナー・眞田幸弘】
原油相場に関するお問い合わせは082−221−5500まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/11/26
COP29で強気の銀
気候変動枠組み条約会議「COP29」では、途上国の温暖化対策支援で35年までに年3000億ドルの資金拠出が合意された。途上国からは不満の声もあるが、従来の3倍の規模であり、先進国に続いて途上国でも脱炭素の取組みが強化されやすくなる。中国は開催国アゼルバイジャンで大規模な太陽光発電所の建設を発表し、国際協力にも積極姿勢を打ち出している。太陽光パネル向け銀需要の急増は国際需給を引き締めているが、その流れが強化される方向性が再確認されている。国際需給の供給不足は25年にも持ち越されるのがほぼ確実な状況にある。銀需給要因では35ドル突破に向けて高値更新が支持されよう。
【大起証券営業部シニアパートナー・猪又敦】
貴金属相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/11/22
金の上昇再開へ
金相場は米大統領選後の利食い売りが一巡し、改めて下値を固めている。イベント通過後の持高調整が進み、値頃感から買いを入れる動きが強くなっている。米大統領選後に売られていた金ETFも、改めて買い直されている。米大統領が確定したが、安全資産である金が求められる投資環境に変化は見られない。向こう4年間はトランプ米政権の下で先行きの見通しが立ちづらい経済・投資環境に移行する。特にインフレや債務問題は深刻化するリスクが高まっており、実物資産である金保有ニーズは高まりやすい。米金利やドルの動向には注意が必要だが、年内に過去最高値を更新する可能性もあり、押し目買いで臨みたい。
【大起証券営業部チーフパートナー・平山清明】
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中部経済新聞「焦点」
2024/11/21
メキシコペソの買い
メキシコペソ円は9月に7円の節目水準で下げ一服となり、10月以降は7.4〜7.8円水準で揉み合う展開になっている。トランプ米次期政権では、メキシコ政府の移民問題への対応状況次第では、米国向け自動車輸出などに関税が課せられるリスクがある。ただし、現時点では深刻な脅威とまでは評価されていない。米金利上昇で対ドルでは上値を抑えられるが、対円では堅調地合を維持している。世界的に利下げが進む中、メキシコの政策金利10.25%は依然として魅力のある高金利と評価されている。特に投資家のリスク選好性が高まる局面では、高金利通貨としての物色が強化されやすい状態が続く見通し。
【大起証券営業部チーフパートナー・篠田和彦】
為替相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/11/20
原油の押し目買い
NY原油は70ドルを挟んでの売買が続いている。需給緩和で売られ、地政学リスクで買われる展開が繰り返されている。国際エネルギー機関(IEA)は、OPECプラスの減産が続いても25年は供給過剰になるとの見通しを示している。需給要因だと値下がりが支持される。ただし、米大統領選後も中東情勢は依然として不安定であり、特にイランとイスラエルの軍事衝突はいつ再開されても不思議ではない。イラン産原油の供給に何等かの混乱が生じると、吹き上げる可能性が高い。ボックス気味の展開が続いているだけに、年初来安値65ドル水準では下落余地に対して反発余地が大きく、押し目買いの妙味があろう。
【大起証券営業部チーフパートナー・坂井田隆弘】
原油に関するお問い合わせは0120―103―365まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/11/19
銀の押し目買い
NY銀先物相場は米大統領選後の持高調整で35ドル台から30ドル台まで下落している。金相場で利食い売りが膨らみ、貴金属市場全体が下押しされている。一方で、銀需給のひっ迫見通しに変化は生じていない。銀業界団体が12日に発表した最新見通しだと、24年は4年連続の供給不足が見込まれる。工業需要が記録的な高水準になる一方、鉱山生産は殆ど増えない見通しになっている。価格上昇で銀ETFなどの投資需要が拡大していることも報告されている。トランプ米次期政権は脱炭素に消極的だが、拡大する電力需要に対応するため原子力と並んで太陽光発電への支援は強化されよう。押し目買いの好機とみる。
【大起証券営業部シニアパートナー・佐藤規子】
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中部経済新聞「焦点」
2024/11/15
白金の押し目買い
白金相場は1000ドル台後半まで値上がりした後、一転して900ドル台中盤まで急落し、ボックス相場を踏襲している。米大統領選のイベント通過の持高調整に加えて、トランプ政権誕生を見据えた米金利上昇・ドル高圧力の発生が嫌気されている。一方で、来年から新たなトランプ政権が始まることになり、世界の政治経済環境には大きな混乱が生じる可能性が高い。金相場の上昇が再開されれば、貴金属市場全体の底上げを通じて、白金相場も物色されよう。値下がりしているが白金ETFは買われており、先高感は維持されている。900〜950ドルのレンジは下げ過ぎであり、1000ドル回復を打診する見通し。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・越智貴哉】
貴金属相場に関するお問い合わせは075・241・7711まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/11/14
金の押し目は買い
東京金は米大統領選前に過去最高値を更新したが、大統領選後は利食い売りが優勢になっている。イベントリスクで安全資産の金は大きく買われていたが、イベント通過後の利食い売りが優勢になっている。金ETF市場からも資金流出がみられ、暫くは不安定な値動きが続く可能性がある。一方で高値から大きく下押しされたことで、これまで高値で買い控えていた現物筋の動きが活発化し始めている。また、来年からトランプ政権が始まるが、政治的な不確実性は一気に高まることになる。地政学リスクの高さ、各国中央銀行の利下げといった、強気の相場環境は変わっていない。調整局面での物色妙味は維持される。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・平戸隆司】
金相場に関するお問い合わせは06−6300−5757まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/11/13
原油の押し目買い
原油相場は70ドルを挟んでの売買が続いている。中東情勢の緊迫化が下値を支える一方、需給緩和見通しが上値を圧迫し、明確なトレンドを形成できていない。米大統領選後の株価急伸はポジティブだが、ドル急伸はネガティブなど、決定打を欠いている。来年に向けて需給緩和見通しを背景にボックス下限の60ドル台中盤まで値下がりすると物色妙味が認められるが、上昇再開には地政学リスクに対する警戒感の蒸し返しが必要だろう。イランがイスラエルに対する再攻撃に踏み切る可能性が高まっており、その際には75ドル突破を試す展開が想定されるため、安値では買いポジションを構築しておく妙味がある。
【大起証券営業部チーフパートナー・眞田幸弘】
原油相場に関するお問い合わせは082−221−5500まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/11/12
COP29で強気の銀
NY銀先物相場は米大統領選前後で荒れた展開になるも、30ドル台は維持している。大型イベント通過で安全資産としての貴金属投資ニーズが一服し、持ち高調整が促されている。一方で、銀需給のひっ迫見通しに変化はみられず、過熱感の緩和が促される調整局面では物色妙味が大きいとみる。米大統領選でトランプ元大統領が勝利したことで、米国の脱炭素政策には不透明感が強い。しかし、今月11〜22日まで開催される気候変動枠組み条約会議「COP29」では、改めて各国が化石燃料への依存削減、再生可能エネルギーへのシフトを表明する見通し。太陽光パネル向け銀需要の拡大見通しが再確認されよう。
【大起証券営業部シニアパートナー・猪又敦】
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中部経済新聞「焦点」
2024/11/08
金の押し目は買い
米大統領選でトランプ氏の勝利が確定すると、金相場は急落している。トランプ氏勝利がネガティブというよりも、米大統領選を巡る不確実性が金価格を過去最高値まで押し上げていた反動安だろう。イベント通過後の調整売りは、過去の大統領選後にも観測された値動きになる。一方で、金相場の投資家環境が大きく変わる訳ではない。地政学リスクは依然として高く、米財政環境もトランプ政権の誕生で一段と悪化するリスクが高い。価格が低下すれば、高値を嫌って買い控えていた現物筋の物色意欲も強まろう。米大統領選前から過去最高値を更新していた相場であり、改めて買いポジションを構築する好機とみる。
【大起証券営業部チーフパートナー・平山清明】
貴金属相場に関するお問い合わせは082−221−5500まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/11/07
メキシコペソの買い
メキシコペソ円は9月の7.0円水準で底入れした後の反発フェーズにある。ドル円相場の急落が一服していることで、新興国通貨も対円では物色が再開されている。10月下旬は米大統領選を控えての持高調整が上値を圧迫したが、大統領選通過後に改めて投資家のリスク選好性が高まると、10月高値7.8円突破を打診しよう。インフレ環境が正常化に向かっているため、金融政策は利下げサイクルに入っている。政策金利はピークの11.25%から10.50%まで低下しているが、極めて高い金利水準を維持している。株価急落といった動きを回避できれば、高金利通貨としての投資メリットは維持されよう。
【大起証券営業部チーフパートナー・篠田和彦】
為替相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/11/06
中東リスクで原油買い
NY原油は60ドル台中盤から70ドル台まで切り返している。改めて中東で軍事衝突が発生するリスクが高まっているためだ。10月26日にイスラエルはイラン軍事施設を攻撃したが、その後は両国とも自制をみせていた。しかし、イラン国内では強硬派が報復を主張しており、実際に攻撃が行われると75ドル水準まで吹き上げよう。更にイスラエルがイラン石油施設を攻撃するような状況になると、上値目途の設定が難しくなる。需給緩和見通しが強いが、中東地政学リスクの一点で急伸する可能性が高まっており、売りポジションの保有は難しい状況になっている。中東情勢が一服するまでは、買い方針で臨みたい。
【大起証券営業部チーフパートナー・坂井田隆弘】
原油に関するお問い合わせは0120―103―365まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/11/01
銀は更に上昇する
NY銀先物相場は12年ぶりの高値となる33〜35ドル水準での取引になっている。米大統領選を巡る不確実性、中東地政学リスクなどを背景に金相場が過去最高値を更新したことで、銀相場に対しても投機マネーの流入が活発化している。金銀比価(GSR)は依然として80倍を超えており、金に対する銀の割安感や出遅れ感は強い。銀上場投資信託(ETF)残高は7月以降に急増しているが、特に10月中旬以降はまとまった資金流入が確認できる。2011年には50ドル水準まで値上がりした経験もあり、金相場の上昇が続けば40ドルを突破することも十分に可能だろう。トレンドフォローの買いで臨みたい。
【大起証券営業部シニアパートナー・佐藤規子】
為替相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/10/31
白金の買い継続
白金相場は900ドルで底入れし、1000ドル台中盤まで値上がりしている。これまで金相場の過去最高値更新でも伸び悩んでいたが、中国経済の底入れ感から安値修正の動きが活発化している。加えて、西側諸国がロシア産パラジウムに制裁を行う可能性が報じられており、パラジウムの代替需要が発生するとの思惑もポジティブ。実際に制裁が行われるのかは不透明だが、ロシア産パラジウムにサプライチェーンを依存するリスクが高まっている。10月に入ってからは、白金上場投資信託(ETF)も買われ始めており、ようやく投機マネーの流入が本格化し始めている。5月以来となる1100ドル台乗せを打診しよう。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・越智貴哉】
貴金属相場に関するお問い合わせは075・241・7711まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/10/30
政治リスクで金買い
東京金は過去最高値圏での取引が続いている。週末の日本の総選挙で与党が過半数割れし、政治環境が不安定化していることが円安を促している。早めに連立協議がまとまらない場合には更に円安が進行し、円建て金相場を押し上げる可能性がある。一方、米国では11月5日に大統領選が予定されている。選挙後の政治環境については不透明感が強く、特に財政赤字拡大に対する警戒感が強い。中東の地政学リスクの支援も依然として強力であり、安全資産としての金が買われやすい環境が続こう。日米政治リスクを背景に買い方針を継続したい。短期の過熱感もあるが、1万5000円まで目立った抵抗線は見当たらない。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・平戸隆司】
金相場に関するお問い合わせは06−6300−5757まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/10/29
原油は押し目買い
原油相場は70ドルを挟んでの売買が続いている。中国経済の減速懸念、OPECプラスの減産縮小計画が上値を圧迫するが、中東情勢の不安定化が下値を支えている。イスラエルはハマスに続いてヒズボラとの戦闘を激化させている。激しい戦闘状態が続くと、主要産油国が集中する中東全体に戦火が広がるのではないかとの懸念が各国から示されている。26日にはイスラエルがイラン軍事施設を攻撃している。不測の供給障害に対する警戒感が、原油相場の下値を支える傾向が続こう。最近の傾向だと60ドル台中盤から後半の価格水準には物色妙味が認められる。一方、70ドル台前半から中盤では上げ一服となろう。
【大起証券営業部チーフパートナー・眞田幸弘】
原油相場に関するお問い合わせは082−221−5500まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/10/25
銀の上昇開始
NY銀先物相場は12年10月以来となる12年ぶりの高値を更新した。金相場が過去最高値を更新していることに加えて、銀需給の引き締まりに対する警戒感が強くなっている。中国では年末に向けて景気対策が本格化しており、同国の太陽光パネル用など産業用途の需要悪化に対する警戒感が薄れている。逆に、急激な需要に供給が追い付けないリスクが警戒されている。世界経済の電化を急ピッチに進める局面に移行する中、銀は従来とは異なる戦略物資に転換している。太陽光発電の普及は、銀の存在なくして困難であり、需要は急増フェーズに入っている。供給不足は長期化する見通しで、大相場の初期段階とみる。
【大起証券営業部シニアパートナー・猪又敦】
貴金属相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/10/24
米政治リスクの金買い
NY金先物相場は過去最高値を更新している。11月5日に米大統領選を控える中、リスクヘッジの買いが優勢になっている。大統領選は接戦が報じられており、どのような結果になるのか予想が難しい。投資環境に与える影響についても不透明感が強く、金に対するヘッジニーズが高まっている。しかも、中東ではイスラエルとヒズボラの戦闘が激化している。中東の戦争開始から1年が経過しているが、状況は寧ろ悪化している。米金利上昇・ドル高環境で本来だと値下がりしやすい環境だが、安全資産としての金に対するニーズの方が優勢になっている。金ETFも買われており、未だ十分な上昇余地が認められる。
【大起証券営業部チーフパートナー・平山清明】
貴金属相場に関するお問い合わせは082−221−5500まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/10/23
メキシコペソ再評価
メキシコペソ円は9月の7.0円水準で底入れした後の反発フェーズにある。急激な円高、メキシコ司法改革を巡る混乱状態などを背景に値下がりしていたが、徐々に落ち着きを取り戻しつつある。10月1日にシェインバウム新大統領が就任したが、その後は落ち着いた政権運営が行われているため、ネガティブ材料の出尽くし感が意識されている。世界的な株高で投資家のリスク選好性が高まっていることも、新興国通貨・高金利通貨にはポジティブ。利下げが始まっているとは言え、メキシコの政策金利は10.50%であり、投資家のリスク選好性が高まると、高金利通貨としての魅力が再評価されやすい環境にある。
【大起証券営業部チーフパートナー・篠田和彦】
為替相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/10/22
原油の安値拾い
NY原油は65〜80ドルのレンジで推移している。中東情勢の緊迫化で10月初めにはは80ドルに迫る展開になっていたが、その後は一転して70ドル台を割り込む不安定な地合が続いている。中東情勢は依然として不安定だが、原油供給環境に対する影響については不透明感が強いためだ。今後も戦闘激化でイラン産原油の供給不安が意識されると吹き上げる一方、何も供給障害が発生しない状態が続くと利食い売りが膨らむ展開が繰り返される見通し。ボックス下限の65ドル水準では押し目買いが入る一方、80ドルが近づくと利食い売りが膨らみやすい展開が続こう。安値限界付近での買い再開を検討したい。
【大起証券営業部チーフパートナー・坂井田隆弘】
原油に関するお問い合わせは0120―103―365まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/10/18
銀に投資人気
NY銀先物相場は今年最高値圏での取引になっている。銀需給のひっ迫構造が再評価されている影響だ。英地金業界団体LBMAの年次会合では、参加者の45%が貴金属市場の中で銀が最も強気と回答している。また、1年後の価格見通しは43%高と、金の10%高を大きく上回るパフォーマンスが想定されている。太陽光パネル向けなどの需要急増に対して、鉱山生産の拡大が遅れており、供給不足の構造が来年まで持ち越されるとの見方が強い。短期目線では、中国政府が年末に向けて景気対策の動きを本格化させている影響も大きいだろう。現在の32ドル水準から40ドルの節目を打診する方向性を想定したい。
【大起証券営業部シニアパートナー・佐藤規子】
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中部経済新聞「焦点」
2024/10/17
白金の上昇再開へ
白金相場は1000ドル水準で揉み合う展開になっている。中国政府の景気対策の見極めで、非鉄金属相場と同様に様子見ムードが強くなっている。しかし、年末に向けて中国は経済成長目標の達成のための財政出動に踏み切ることがほぼ確実視されており、押し目買い優勢の地合が崩れることはないだろう。金相場も過熱感解消の調整売りを消化し、改めて地合を引き締めていることもポジティブ。貴金属と工業用金属がともに上昇傾向を強めれば、貴金属市場の中で出遅れ感が目立つ白金相場も、5月高値1100ドル水準を試すことが可能だろう。まだファンドの本格買いは始まっておらず、上昇余地は十分にある。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・越智貴哉】
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中部経済新聞「焦点」
2024/10/16
国内金の上昇続く
東京金は約3ヵ月ぶりに過去最高値を更新した。8月上旬には1万1000円を割り込んでいたが、10月中旬には1万2000円台後半まで値上がりしている。ドル建て金相場が過去最高値圏での取引を続ける一方、為替市場で円が反落傾向を強めていることが、円建て金相場の上昇に直結している。まだ円高再開の火種は残されているが、円相場の値動きが鈍化していることで、今後はドル建て金相場と歩調を合わせた値上がりが想定できる。米国を含む世界的な利下げ圧力、中東の地政学リスクの高まり、中央銀行や個人の金需要を背景に、過去最高値更新が続こう。1万3000円台からは上昇ペースも加速する見通し。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・平戸隆司】
金相場に関するお問い合わせは06−6300−5757まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/10/11
供給リスクの原油買い
原油相場は70ドル台まで値位置を切り上げている。9月は中国などの需要不安を背景に60ドル台中盤まで値下がりしていたが、10月入りしてからは中東地政学リスクの織り込みが優勢になっている。10月1日にはイランがイスラエルに対してミサイル攻撃を行ったが、イスラエルが報復でイラン石油施設を攻撃するリスクが浮上している。実際にイラン産原油の供給に混乱が生じると、さらに大きく吹き上げる可能性もある。中東での戦闘状態は10月7日で1年目を迎えたが、まだ戦闘状態が終結に向かう目途は立たない。イスラエルとヒズボラの戦闘も激化しており、突発的な急伸に備えて押し目買いで臨みたい。
【大起証券営業部チーフパートナー・眞田幸弘】
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中部経済新聞「焦点」
2024/10/10
銀の買い方針
NY銀先物相場は今年最高値圏での取引が続いている。7〜8月は中国経済の減速懸念に上値を抑えられていたが、改めて買いが膨らんでいる。中国政府・中央銀行が年末に向けて大規模な経済対策の展開を始めたことで、工業用金属全体の地合が改善している。今年の経済成長目標達成に向けてあらゆるカードが発動される時期であり、非鉄金属と同様に銀やプラチナも物色されやすい。太陽光パネル向け需要も年中盤に若干の鈍化がみられたが、景気刺激策の影響で改めて勢いづきやすい。今年の銀需給が、昨年に続いて大幅な供給不足に陥る見通しには変化がない。金相場の動向もみながら、今年最高値更新を打診しよう。
【大起証券営業部シニアパートナー・猪又敦】
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中部経済新聞「焦点」
2024/10/09
中東緊迫で金買い
NY金先物相場は過去最高値圏での取引が続いている。米経済が底固さを見せているため米長期金利とドルは反発基調にあるが、金相場の値崩れは回避されている。中東情勢が急速に緊迫化しており、地政学リスクへのヘッジが求められているためだ。10月1日にイランはイスラエルにミサイル攻撃を行ったが、イスラエルが報復でイラン石油施設を攻撃するとの観測が強くなっている。米国株など金融市場の値動きも不安定化しており、中東情勢次第では金利やドルの動向と関係なく急伸する可能性がある。特にこの状況で米金利上昇が一服すると、早期に過去最高値を更新する可能性も高まる。買い方針で臨みたい。
【大起証券営業部チーフパートナー・平山清明】
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中部経済新聞「焦点」
2024/10/08
ペソの反転開始
メキシコペソ円は9月の7.0円水準で底入れし、7円台後半まで切り返している。司法改革などの政治リスクを手掛りに急落地合が形成されていたが、落ち着きを取り戻しつつある。10月1日にシェインバウム新大統領の就任式が行われたが、当面は安定した政権運営が行われるとの期待感が強い。加えて、世界的なリスクオン環境も新興国通貨全体を押し上げよう。メキシコ中銀は利下げを開始しているが、まだ政策金利は10.50%と世界的にみて高水準にある。投資家がリスクを取れる局面では、高金利通貨としての物色も続こう。8月の戻り高値8円水準を上抜くと、安値修正の動きが加速する可能性が高い。
【大起証券営業部チーフパートナー・篠田和彦】
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2024/10/04
白金の上昇再開か
白金相場は1000ドルを巡る攻防になっている。これまでは金相場が過去最高値を更新しても上値の重い展開が続いていたが、ようやく底入れ感が強くなっている。中国政府が年間経済成長目標の達成に向けて、相次いで景気対策を打ち出している影響だ。銅などの非鉄金属相場が強含んでおり、その流れで白金やパラジウムに対しても買いが膨らみやすい環境になっている。「貴金属の買い」と「工業用金属の売り」の綱引きが続いていたが、金相場の高騰と非鉄金属相場の反発で、ようやく白金相場も上昇期待が高まっている。底入れ感から投機マネーの流入が再開されると、5月の1100ドル水準が打診されよう。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・越智貴哉】
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中部経済新聞「焦点」
2024/10/03
日経平均は4万円台へ
日経平均株価は3万8000から4万円水準で売買が交錯している。8月は急激な円高圧力を背景に3万1000円台まで急落していたが、その後は円相場の値動き鈍化と連動して押し目買い優勢になっている。米国株は過去最高値更新が続いており、値頃感がある日本株が物色され始めている。このまま円相場の値動きが鈍化すれば、4万円台確立が打診される見通し。国内では政治環境が不安定化しており、9日にも衆院解散が表明される予定になっている。先行き不透明感が高まるも、過去10回の解散から総選挙までの株価は7勝3敗、平均で3.5%高と底固く推移する傾向にある。リスクオン環境は維持されよう。
【大起証券営業部シニアパートナー・佐藤規子】
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中部経済新聞「焦点」
2024/10/02
原油の押し目買い
NY原油は60ドル台中盤で下値を固める見通し。中国石油需要環境の悪化で急落対応を迫られていたが、中国政府が本格的な景気対策に乗り出しているためだ。年末まで残り3ヵ月となる中、中国政府や財政と金融政策の双方で景気支援を本格化させている。低迷していた中国株が急反発し、非鉄金属や鉄鉱石が急伸している。こうした中、原油相場のみが大きく値を崩す可能性は低いだろう。しかも、中東ではイスラエルとヒズボラの戦闘が本格化し始めている。イスラエル軍が地上軍投入など一段と緊張感を高めると、地政学リスクの織り込みも原油相場を支援しよう。押し目を買い拾い、70ドル台回復を狙いたい。
【大起証券営業部チーフパートナー・坂井田隆弘】
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中部経済新聞「焦点」
2024/10/01
国内金の上昇再開
東京金は8月上旬に1万1000円台を割り込んでいたが、1万2000円台まで切り返している。急激な円高が一服したことで、改めて買いが膨らみやすくなっている。日本の政局に絡んで再び円相場の値動きが不安定化していることには注意が必要だが、ドル建て金相場は過去最高値更新が続いている。急激な円高の再開がなければ、米利下げサイクル入りや中東地政学リスク、米大統領選を巡る不確実性などを背景に、金相場の値上がり傾向は維持されよう。ドル建て金相場は、8月に2500ドル台に乗せたばかりだが、早くも2700ドルに到達した。改めて過去最高値1万2679円を打診する展開を想定したい。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・平戸隆司】
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中部経済新聞「焦点」
2024/09/27
銀の上昇再開
NY銀先物相場は32ドル台まで急伸し、年初来高値更新を窺う展開になっている。8月には26ドル台まで下落していたが、金相場が連日の過去最高値更新になっていることで、出遅れ感のある銀相場に対しても投機マネーが流入し始めている。米利下げが開始され、中東情勢が不安定化する中、金相場の上昇が続けば、それ以上に銀相場は大きく上昇する可能性が高い。まだ5月の高値水準を回復したに過ぎない。中国経済の減速で太陽光パネル用需要に一定のダメージが生じているが、それを考慮に入れても銀需給は大幅な供給不足であり、在庫取り崩しが進む見通しに変化は生じない。次は35ドルの節目を打診しよう。
【大起証券営業部シニアパートナー・猪又敦】
貴金属相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/09/26
原油は反発局面に
原油相場は65ドル台で下げ一服となり、70ドル台前半まで切り返している。
再び中東情勢が不安定化している影響だ。レバノンでは、通信機器の大量爆発が発生したが、イスラエルによるサイバー攻撃との見方が強くなっている。武装組織ヒズボラは報復攻撃を警告したが、イスラエルは大規模な空爆を連日行うなど、戦闘状態が激化している。このまま中東情勢の緊迫化が進むと、いずれかの時点で原油供給にも影響が生じかねないとの警戒感が強い。中東情勢が落ちつきを見せるまでは、上振れリスクが維持されよう。特にイランの参戦リスクが高まると吹き上げる可能性がある。着実に下値を固める展開になろう。
【大起証券営業部チーフパートナー・眞田幸弘】
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中部経済新聞「焦点」
2024/09/25
金価格の高騰続く
NY金先物相場は過去最高値更新が続いている。FRBが0.50%の大幅利下げに踏み切ったことが好感されている。年内は更に0.50%の追加利下げが見込まれており、政策金利環境が急変する見通しが素直に好感されている。金ETF買いが膨らんでおり、欧米投資家の物色意欲の強さを確認している。このまま金ETF残高が大きく上昇すると、上昇ペースも加速しよう。また、中東情勢が改めて緊迫化しているため、地政学リスクの織り込みも迫られている。イスラエルとヒズボラの戦闘が激化しているが、終戦のきっかけが見つからない状況に陥っている。次は2700ドルの節目を打診する展開になろう。
【大起証券営業部チーフパートナー・平山清明】
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中部経済新聞「焦点」
2024/09/20
ペソは反転に向かうか
メキシコペソ円は7.0円の節目で下げ止まりを打診している。議会は上下両院で司法改革案を承認した。これによって裁判所判事の公選制などへの移行が進むことに対してな、西側諸国を中心に司法の独立性を損なう動きとの批判も目立つ。ただし、これはロペスオブラドール大統領の最後の仕事であり、10月1日に就任するシェインバウム新大統領の負担は大幅に軽減されることになる。無理のない政権運営を開始することが可能であり、政治リスクのペソ売りは9月で一服しよう。ドル円の下げ過ぎ感も強く、物色妙味が認められる。メキシコも利下げ局面に入っているが、10.75%と高金利状態は維持されている。
【大起証券営業部チーフパートナー・篠田和彦】
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2024/09/19
割安な白金相場
白金相場は900ドル台をコアに乱高下が繰り返されている。金相場が過去最高値を更新していることで、白金相場にも買いを入れる動きが見られる。金・白金価格のスプレッドは過去最大であり、値頃感や出遅れ感が評価されている。一方で、白金相場は5月以降に年間高値更新が見送られている。投機筋の買いは短期的な動きに留まる傾向が強いためだ。ただし、WPICによると2024年の世界白金需給は102.8万オンスと総供給量の14.5%に相当する供給不足が発生する見通しにある。景気減速で弱気ムードが目立つも、現実の需給がひっ迫環境にあることが再評価されると、1000ドル台が打診されよう。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・越智貴哉】
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2024/09/18
日経平均は4万円へ
日経平均株価は3万6000円水準で売買が交錯している。7月の年初来高値から8月の年初来安値まで急落したことに対する半値戻しとなる。為替市場で円高圧力が続いているため、輸出企業の業績見通しの不確実性が大きい。1ドル=140円水準に想定レートが集中しているだけに、しばらくは不規則な値動きが続こう。一方で、日本経済は賃上げ効果もあって着実な成長路線にあり、内需環境は良好。為替相場の値動きが鈍化して、企業業績を巡る不確実性が緩和されれば、改めて買いが膨らみやすい環境にある。今週は日米金融政策会合が開催されるが、ドル円相場の鎮静化がみられると、4万円台回復に向かおう。
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中部経済新聞「焦点」
2024/09/13
原油の押し目買い
NY原油は60ドル台まで下落している。中国の石油需要環境悪化と夏の行楽シーズン終了が重なる中、需給ひっ迫状態が一服したとの見方が優勢になっている。需要の端境期になるため、冬の暖房用エネルギー需要拡大がみられるまでは、調整リスクを抱える展開になろう。一方で、ブレント原油70ドル割れは、多くの大手金融機関の予想レンジ下限である。これ以上の安値になると、米国のシェールオイルなどの増産圧力が鈍化する可能性が高いためだ。実際に昨年もブレント原油70ドル、WTI原油65ドル水準が安値限界と機能している。需要不安を背景とした値下がりは最終局面に到達したとみてよいだろう。
【大起証券営業部チーフパートナー・坂井田隆弘】
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2024/09/12
国内金の買い方針
東京金は1万1000円台でほぼ横ばいで推移している。為替は円高気味の推移が続いているが、ドル建て金相場が過去最高値圏での取引を維持していることが好感されている。FRBは18日の会合で約4年半ぶりに利下げに着手することが確実視されている。金利コストの低下が進めば、欧米投機筋を中心に金市場の持高拡大を進める動きが加速しよう。既に金ETFの投資残高が増え始めるなど、その兆候は観測されている。しかも、米国以外でも利下げが活発化しており、既に複数回の利下げを実施済の国も増えている。インフレの沈静化と景気減速で、世界同時利下げが始まる中、金は過去最高値更新が続く見通し。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・平戸隆司】
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2024/09/11
銀の先高観維持
NY銀先物相場は20ドル台後半で高止まりしている。5月の32ドル台で上げ一服となっているが、高値圏を維持している。価格連動性の強い金相場は過去最高値圏での取引が続いており、これから欧米の利下げが本格化すると予想される中で、出遅れ感のある銀相場の上昇期待は強い。金相場の上昇傾向が続けば、32ドル台回復は難しくないだろう。中国経済の減速懸念で非鉄金属相場は上値が重いが、銀に関しては引き続き太陽光パネル向け需要が堅調に推移するとみられる。特に中国国内の銀在庫の水準が低いため、今後も中国は大量の銀輸入を継続する可能性が高い。ボックス相場からの上方ブレイクを想定したい。
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中部経済新聞「焦点」
2024/09/10
原油に下げ過ぎ感
原油相場は60ドル台後半まで下落している。中国経済の減速懸念が強くなっていること、ドライブシーズン終了による需要の端境期入りで、短期需給の緩みが警戒されている。OPECプラスが減産縮小計画を先送りしても、原油相場の反発を促すことには失敗している。まだ地合が改善しているとは言い難い。ただし、昨年はWTI原油の65ドル、ブレント原油の70ドル水準が安値限界ラインとして機能した。米シェールオイルなどの持続性が乏しい価格水準と評価された結果だ。カナダやブラジル、ガイアナなどの生産計画も見直しを迫られる可能性が高い。WTI原油65ドルは、底値圏の評価が妥当だろう。
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2024/09/06
米利下げの金買い
NY金先物相場は過去最高値圏での取引が続いている。FRBが18日の政策会合で利下げを決めるのが確実視されている。これまで高金利で金買いを見送っていた欧米投資家の買いが本格化するとの期待感が強い。金上場投資信託(ETF)市場に対する資金流入も加速し始めている。既に年内利下げの大部分は織り込みが終わっているが、実際に金利水準が切り下がっていけば、欧米投資家の金買いポジションは更に拡大していく見通し。これまでの中央銀行や中国リテール筋主導の上昇相場に、新たな買い手が誕生する局面になる。2500ドル台が通常の価格水準になりつつあり、次は2600ドル台乗せを打診しよう。
【大起証券営業部チーフパートナー・平山清明】
貴金属相場に関するお問い合わせは082−221−5500まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/09/05
ペソの押し目買い
メキシコペソ円は7円台前半まで値下がりしている。オブラドール大統領が司法改革に意欲を示していることが、投資家のリスク選好性を後退させている。司法に対する政治の影響力が増すことに対して、各国から批判の声が上がっている。企業のメキシコへ移転・進出といったニアショアリングの動きにもブレーキが掛かりかねない動きになる。ただし、既にパニック的な売りは一巡し、徐々に金利主導の値動きに回帰しよう。メキシコ中央銀行は既に利下げを2回行っているが、政策金利は10.75%と世界最高水準を維持している。ドル円相場の値動き鎮静化もあり、徐々に高金利通貨としての物色が再開される見通し。
【大起証券営業部チーフパートナー・篠田和彦】
為替相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/09/04
白金に出遅れ感
白金相場は900ドル台での取引が続いている。金相場が過去最高値圏での取引になっているのに対して、白金相場の値動きは鈍い。中国を筆頭とした世界経済の減速懸念が上値を圧迫しており、本格的な上昇再開は見送られている。ただし、金相場が2500ドル台から更に上値切り上げを打診する動きを見せる中、白金相場の出遅れ感は強くなっており、1000ドル台を打診しよう。今月から米利下げ開始が見込まれており、貴金属市場全体が物色されやすい。欧米の自動車メーカー各社が電気自動車の生産計画見直しに着手していることもポジティブ。排ガス触媒用の白金需要が大きく落ち込むリスクが後退している。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・越智貴哉】
貴金属相場に関するお問い合わせは075・241・7711まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/09/03
日経平均は4万円試す
日経平均株価は3万1000円台まで急落した後、3万8000円台後半まで急反発した。急激な円高を受けて値崩れが起きたが、押し目を買い拾われている。円相場の値動きが鈍化していることで、海外投資家を中心に割安感や値頃感が意識されている。米国株は過去最高値を更新しており、日本株はまだ物色妙味が大きいと評価されている。日本経済に関しては、所得環境の改善が個人消費を押し上げていくとの見方が維持されている。急激な景気拡大は想定されていないが、企業の設備投資も依然として省エネルギーやデジタル化といった分野を中心に堅調であり、景気を下支えする。4万円の節目回復を打診する見通し。
【大起証券営業部シニアパートナー・佐藤規子】
為替相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/08/30
地政学リスクで原油高
NY原油は70ドル台で売買が交錯している。中国経済の減速懸念が上値を圧迫しているが、乱高下が繰り返されている。イスラエルとハマスの停戦協議は決裂し、ヒズボラやフーシ派の動きが活発化している。イスラエルとヒズボラとの間では過去最大規模の衝突が発生する一方、紅海ではフーシ派が石油タンカーに対する攻撃を強化している。しかも、リビアでは内戦の影響で原油生産・輸出が大きく落ち込むリスクも浮上している。最大で日量100万バレル規模の供給が喪失されると、需給見通しは大きく変わる可能性が高い。需要不安と供給不安の綱引きになるが、短期先高感が強くなっている。80ドルを試そう。
【大起証券営業部チーフパートナー・坂井田隆弘】
原油に関するお問い合わせは0120―103―365まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/08/29
国内金の上昇続く
東京金は1万1000円台後半で底固く推移している。急激な円高で1万0804円まで値下がりしていたが、押し目買いが優勢になっている。円高圧力は継続しているが、それ以上にドル建て金相場の上昇圧力が強く、円建て金相場も上昇を再開している。引き続き円相場の動向には注意が必要だが、既に先物市場では円売りポジションが一掃されつつあり、徐々に円急伸リスクは限定されよう。一方、ドル建て金相場は9月の米利下げを見据えて過去最高値更新を窺おう。米金融政策の転換期とあって上下双方に値が飛びやすいが、金利コストの軽減は金相場の上昇に直結する見通し。1万2000円台回復を打診しよう。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・平戸隆司】
金相場に関するお問い合わせは06−6300−5757まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/08/28
銀の上昇再開を狙う
NY銀先物相場は26ドル台中盤で下げ一服となり、30ドルを巡る攻防になっている。9月から米利下げが開始されるのを前に、金を含む資産価格が全面高の展開になっている。これから貴金属投資の機会コストは大幅に削減されることになるため、資金流入が活発化している。銀に関しては中国経済減速に注意が必要だが、中国国内在庫の急激な取り崩しが進んでいることで、少なくとも今後も高水準の輸入量が続く可能性が高い。太陽光パネルなど脱炭素関連の需要が引き続き強い。中国経済減速を前提にしても、国際需給の引き締まりに対する信頼感は強い。今年の高値圏である32〜33ドル水準を試す展開になろう。
【大起証券営業部シニアパートナー・猪又敦】
貴金属相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/08/27
原油の値ごろ買い
原油相場は70ドル台での取引になっている。中国経済の減速懸念が強いこと、ドライブシーズンの終了時期を迎えて、ファンドの買い玉整理の動きが活発化している。ただし、これ以上の安値ではOPECプラスが10月から予定している減産縮小が見送られる可能性が高い。また、米シェールオイル生産にも大きなダメージが生じることになろう。米エネルギー省の戦略石油備蓄(SPR)増強の動きも想定される。需要不安を前提にしても、70ドル水準は底値圏との評価になろう。為替がドル安に振れていること、米国株が過去最高値圏での取引になっていることもポジティブ。まずは80ドル台回復を狙いたい。
【大起証券営業部チーフパートナー・眞田幸弘】
原油相場に関するお問い合わせは082−221−5500まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/08/23
金の買い継続
NY金先物相場は過去最高値更新が続いている。米連邦準備制度理事会(FRB)の9月利下げが確実視される中、金融政策の転換期を見据えた投機マネーの流入が活発化している。ディスインフレの進展に加えて、雇用市場の鈍化が本格化する中、従来考えられていたよりも急ピッチな利下げが行われる可能性も高まっている。既に欧州では利下げが始まっており、欧米投機筋の金投資拡大が始まったのが現状と言えよう。これから実際に米欧の金利水準が更に低下していくと、金相場の上昇ペースは加速する可能性が高い。金上場投資信託(ETF)買いも再開されており、まずは2600ドル台乗せが試される見通し。
【大起証券営業部チーフパートナー・平山清明】
貴金属相場に関するお問い合わせは082−221−5500まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/08/22
高金利のペソ買い
メキシコペソ円は7円台まで値下がりしている。5月には9円台中盤まで値上りしていたが、ドル円相場が高値から大きく下押しされる動きと連動して、ペソ円相場も昨年3月以来の安値まで急落した。日銀が利上げに積極姿勢を示したタイミングで、メキシコ中銀が3月に続いて8月も0.25%の利下げに踏み切ったこともネガティブ。政策金利は11.25%から10.75%まで引き下げられている。ただし、ようやくゼロ金利を脱した日本と比較して、メキシコが極めて高い金利水準を提供していることには何ら変化がみられない。ドル円相場の値動きが落ち着くと、高金利通貨としての物色が再開される見通し。
【大起証券営業部チーフパートナー・篠田和彦】
為替相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/08/21
白金は金に連動高へ
白金相場は900ドル台で売買が交錯している。金相場が2500ドル台中盤まで値上がりして過去最高値を更新する中、白金相場も押し目を買い拾われている。米金融政策が利下げへの転換期を迎える中、このまま金相場の上昇が続くと白金も物色されやすい。金相場の動向をみながら、1000ドル台回復を打診する展開になろう。金相場の一段高の有無が最重要視される見通し。ただし、中国や米国で景気減速懸念が強まる中、金相場の上昇が止まると需要不安の上値圧迫が再開されやすくなる。金相場の動向をみながらの短期上昇リスクとの評価に留まろう。中国の景気対策が本格化すると、下値が固まりやすくなる。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・越智貴哉】
貴金属相場に関するお問い合わせは075・241・7711まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/08/20
日経平均の上昇確認
日経平均株価は3万2000円割れから3万8000円台まで切り返している。日銀の利上げに対する積極姿勢が警戒され、円相場も含めて市場環境に混乱がみられた。しかし、こうした動きを受けて内田日銀副総裁は金融市場が不安定な状況での利上げを否定し、投資家のリスク選好性が回復しつつある。株価急落局面では、海外投資家が大規模な買いを入れたこともが確認された。日銀は今後も利上げに踏み切る見通しだが、為替相場が安定化すると、業績見通しも安定し、株価の下値も固まろう。4万円の節目を回復できると、米国株などに対する出遅れ警戒の買いも膨らむ見通し。トレンドフォローの買いで臨みたい。
【大起証券営業部シニアパートナー・佐藤規子】
為替相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/08/16
地政学リスクの原油高
NY原油は70ドル台前半から一時80ドル台を回復する堅調地合になっている。中東情勢が一段と不安定化していることで、地政学リスクの織り込みが加速している。イランとイスラエルの軍事衝突が警戒されており、4月と同様に先行き不透明感が解消されるまでは、底固い展開が続こう。瞬間的に跳ね上げる可能性もある。中東和平が実現すると世界経済の減速懸念もあって調整売りが膨らむが、70ドル台前半では買い拾われる可能性が高い。OPECプラスの減産縮小見送り、米戦略石油備蓄増強、シェール生産鈍化といった動きが始まるリスクが高いためだ。70〜85ドルを基本レンジとした取引が続く見通し。
【大起証券営業部チーフパートナー・坂井田隆弘】
原油に関するお問い合わせは0120―103―365まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/08/15
国内金の押し目買い
東京金は1万2379円をピークに1万1000円台を割り込んだ後、1万1000円台後半まで切り返している。急激な円高圧力の発生で過去最高値から急反落したが、徐々に落ち着きを取り戻しつつある。既に円先物の売りポジション解消は一巡しつつあり、このまま円高にブレーキが掛かると、押し目買い優勢の地合に回帰しよう。欧米では利下げの動きが活発化する一方、景気減速懸念が強くなっている。また、中東やウクライナの地政学環境は悪化しており、安全資産である金に対する投資ニーズは強い。ドル建て金相場は過去最高値圏まで上昇しており、円建て金価格も改めて過去最高値更新を打診する見通し。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・平戸隆司】
金相場に関するお問い合わせは06−6300−5757まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/08/14
銀の押し目は買い
NY銀先物相場は30ドル台を維持できず、一時26ドル台まで下落した。世界的な株価急落の影響で、コモディティ市場でもリスク回避が優先された。安全資産である金相場でさえも急落したことで、パニック状態に陥ったことが確認できる。ただし、その主因と言われる円キャリートレードの巻き戻しは急ピッチに進んでおり、既にマーケット環境は鎮静化に向かっている。金市場では押し目買いを入れる動きも活発化し始めており、銀相場もパニック状態の中で形成された安値は買い拾われる見通し。中国では取引所在庫の急減も確認されており、現物筋も下げ過ぎとみていることが窺える。30〜32ドルを試そう。
【大起証券営業部シニアパートナー・猪又敦】
貴金属相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/08/09
原油の押し目買い
原油相場は70ドル台まで下落している。世界的な株価急落の影響は限定的だが、米中経済の減速懸念を背景に調整売りが膨らんだ。一方で、足元の原油需給は引き締まっており、原油相場は下げ過ぎの状態とみる。米原油在庫は6週連続で減少中であり、過去5年レンジの下限付近を推移している。季節要因の影響も大きいが、在庫はタイト化している。サウジアラムコのCEOも、最近の原油安はファンダメンタルズを反映していないと苦言を呈している。また、イスラエルとイランの軍事衝突のリスクも着実に高まっている。景気リスクなどで下落した局面では、反発を狙って買い拾いたい。80ドル回復が短期目標に。
【大起証券営業部チーフパートナー・眞田幸弘】
原油相場に関するお問い合わせは082−221−5500まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/08/08
金の上昇続く
NY金先物は2500ドル台で上げ一服となった後、2400ドル台での取引になっている。世界的な株価急落を受けて投資家のリスク許容度が低下したことで、安全資産である金も手仕舞い売りの対象になった。しかし、市場環境が落ち着けば、金相場は上昇再開の環境が整っている。米経済の減速懸念が強まる中、従来想定されていたよりもFRBの利下げは急ピッチに展開される可能性がある。景気減速懸念そのものも、金に対する退避ニーズの拡大に直結しよう。今後の上昇期待は更に強化されており、次の上昇では2550ドルを試す展開になろう。持高調整が膨らんだ現在は、改めて買いポジションを検討したい。
【大起証券営業部チーフパートナー・平山清明】
貴金属相場に関するお問い合わせは082−221−5500まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/08/07
ペソは株安一服待ち
メキシコペソ円は7円台まで急落している。5月には9.4円台まで値上がりしていたが、円高とペソ安が同時進行している影響だ。ドル買い・円売りと同様にペソ買い・円売りも投資家の人気が高まっていただけに、持高調整が始まると値動きは荒くなりやすい。株価急落などリスクオフ環境では、新興国通貨は全て売られる傾向にあり、株安一服までは底入れ判断には慎重スタンスが求められる。一方で、株価が安定すると高金利政策のメリットが再評価されよう。8日に追加利下げが予想されているとは言え、政策金利は依然として二けたを維持する。株安・円高が一服すれば、少なくとも一定規模の反発は想定できる。
【大起証券営業部チーフパートナー・篠田和彦】
為替相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/08/06
出遅れている白金
白金相場は1000ドルを挟んで売買が交錯している。金相場が過去最高値を更新しているが、中国に続いて米国でも景気減速懸念が強まる中、明確な方向性を打ち出せていない。非鉄金属相場は5月にピークアウトした後の下落トレンドが続いており、工業用金属としてみれば値崩れが求められる。一方、それにも関わらず急落を回避しているのは、金相場との関係性である。金相場は逆に初めて2500ドルを突破し、貴金属としてみれば白金相場は割安や出遅れの評価が求められる。金相場との比較では値動きが不安定化しやすいが、改めて1000ドル台確立を打診する展開になろう。1050ドルが短期目標になる。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・越智貴哉】
貴金属相場に関するお問い合わせは075・241・7711まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/08/02
日経平均に値ごろ感
日経平均株価は4万2000円台で上げ一服となり、3万8000円台まで下落している。急ピッチな上昇が一服した後の利食い売りが優勢に。しかし、海外株は徐々に地合を引き締めており、日本株の出遅れ感が強くなっている。日本銀行が7月31日の金融政策会合で追加利上げに踏み切り、植田総裁が追加利上げについても従来よりも積極姿勢を示していることはネガティブ。しかし、海外投資家からは逆に脱デフレを象徴する動きに対する評価も強く、値崩れは求められないだろう。企業収益環境にも大きな問題はなく、現行価格水準では物色妙味が認められる。春先に下げ過ぎ感から底入れした水準に近づいている。
【大起証券営業部シニアパートナー・佐藤規子】
為替相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/08/01
原油の押し目買い
NY原油は75ドルを割り込む展開になった。中国経済の減速懸念が高まる中、上値の重い展開になっている。中東和平への期待感もネガティブ。ファンドが持ち高調整の動きを活発化させている。一方で、米原油在庫は減少傾向が続いており、現実の需給は引き締まっている。また、米政府は原油安をうけて戦略石油備蓄の積み増しを強化している。このまま値下がり傾向が続くと、OPECプラスが減産縮小計画を取り止める可能性も高まる。最近のボックス相場下限に近付いており、物色妙味の大きい値位置と言えよう。需給引き締まりを無視した値下がりは是正される可能性が高く、押し目買いで安値修正を狙いたい。
【大起証券営業部チーフパートナー・坂井田隆弘】
原油に関するお問い合わせは0120―103―365まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/07/31
国内金は上昇維持
東京金は過去最高値更新後の調整局面入りしている。世界的な株価急落など投資環境が不安定化する中、リスク許容度が低下した投資家が金市場においても持高調整を進めた結果である。ただし、金相場の強気の投資環境に大きな変化が生じた訳ではない。FRBは9月にも利下げに踏み切る見通しであり、金融政策環境が金相場の押上要因に転換する時期を迎えている。中国やインドも価格低下局面では積極的な在庫手当に動いている。特にインドは輸入関税の大幅な引き下げもあり、需要環境が大きく変わる可能性がある。円相場の動向にも注意が求められるが、1万2000円台回復から改めて過去最高値を更新しよう。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・平戸隆司】
金相場に関するお問い合わせは06−6300−5757まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/07/30
銀の押し目は買い
NY銀先物相場は32ドル台まで値上がりした後、28ドル台まで軟化している。世界的な株価急落を受けて投資家のリスク選好性が後退する中、貴金属市場でも持高圧縮の動きが広がった結果である。安全資産である貴金属を買うよりも、持高調整が優先された。ただし、銀投資環境に大きな変化が生じている訳ではなく、この種の値下がり局面での物色妙味は大きい。米国は9月にも利下げに踏み切る見通しであり、金融政策環境が大きな転換期を迎える。また、中国では産業ニーズの高まりを背景に銀輸入量が拡大している。上期輸入量は前年同期の1.3倍であり、価格が低下すれば更に輸入量が増える可能性が高い。
【大起証券営業部シニアパートナー・猪又敦】
貴金属相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/07/26
原油の押し目買い
原油相場は70ドル台後半まで下落している。中国経済の減速懸念が強まる中、素材市況全体で調整圧力が目立つ状況にある。中国の石油需要環境に対する不透明感が高まっている。また、イスラエルとハマスの停戦合意が実現するとの期待感が浮上していることもネガティブ。ファンドの持高調整が活発化している。一方で、米原油在庫は4週連続の減少中であり、原油需給の引き締まりと原油相場の軟化が共存する異常な状況になっている。持高調整の動きが一巡すれば、需給引き締まりを背景に80ドル台を回復する展開になろう。引き続き70ドル台では押し目買いの妙味が認められる。上値目途は85ドルになる。
【大起証券営業部チーフパートナー・眞田幸弘】
原油相場に関するお問い合わせは082−221−5500まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/07/25
金の押し目買い
NY金先物は過去最高値を更新した後の調整局面に入っている。2500ドルに迫る展開から一転して、2400ドル水準まで急落している。米利下げ観測を背景に急伸していたが、米大統領選を巡る混乱もあって、持高調整の動きが優勢になっている。これは他マーケットも同様であり、大統領選イヤーに特有の不安定化するリスクに注意が必要。ただし、来週のFOMCでは9月利下げに向けて地ならしが進む見通しであり、金利コスト低下圧力が金相場を押し上げる展開には変化が生じない。現物需要もしっかりと高値対応しており、改めて過去最高値更新に向かう見通し。押し目買い優勢の展開が維持される見通し。
【大起証券営業部チーフパートナー・平山清明】
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中部経済新聞「焦点」
2024/07/24
メキシコペソ買い
メキシコペソ円は9円台を維持できず、8.7円台まで軟化している。メキシコ大統領選・議会選後の乱高下が続いており、地合が安定しているとは言い難い。シェインバウム次期政権の政策が読み切れずに、思惑的な売買が活発化している。一方で、世界的に金利低下圧力が強まる中、メキシコペソの相対的な魅力は高まっている。政策金利は依然として11.00%と高水準を保っている。年内には追加利下げが見込まれているが、インフレ環境の正常化が遅れていることで、一気に利下げが進む見通しにはない。日本銀行の大幅利上げが困難な以上、円売り・ペソ買いは続く可能性が高く、改めて9円台乗せを打診しよう。
【大起証券営業部チーフパートナー・篠田和彦】
為替相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/07/23
白金の押し目買い
白金相場は1000ドルを挟んで売買が交錯している。金相場は5月に続いて7月も過去最高値を更新したが、値動きの鈍さが目立つ。中国経済の減速懸念が、工業用金属の需要不安を高めている影響だ。このため不規則な値動きが続きやすいが、金相場の高値更新が続くのであれば、白金相場も徐々にコアレンジを切り上げよう。また、米大統領選で優勢と目されているトランプ前大統領は、就任初日に電気自動車の普及策を終了させると発言している。排ガス触媒用需要の先行き見通しが改善する可能性もポジティブ。慎重に1000ドル台確立から一段高を打診する見通しであり、押し目は引き続き買い拾いたい。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・越智貴哉】
貴金属相場に関するお問い合わせは075・241・7711まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/07/19
日経平均株価の押し目買い
日経平均株価は4万2000円台到達後の調整局面になっている。6月下旬に海外投資家の物色意欲が強まったことで急伸地合を形成していたが、過熱感から持高調整が促されている。ただし、国内外では株価を大きく押し下げるような特段の売り材料は見当たらない。過熱感の緩和進めば、改めて押し目を買い拾われる見通し。国内企業の収益拡大、増配や自社株買い、資本効率改善といった動きは、引き続き海外投資家から高く評価されよう。米国株は過去最高値を更新しており、日本株にも投資マネーは流入しやすい環境が続く見通し。押し目買い優勢の地合が続く見通しであり、4万5000円の節目まで見通せる。
【大起証券営業部シニアパートナー・佐藤規子】
為替相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/07/18
原油の押し目買い
NY原油は80ドル台前半で不安定な値動きが続いている。7月15日に発表された中国の4〜6月期GDPは前年同期比4.7%増となり、前期の5.3%増を大きく下回った。これをきっかけに中国景気リスクを織り込む動きが上値を圧迫している。ただし、北半球の需要期になる7〜9月期の国際原油需給の引き締まり観測は強い。世界的に在庫の取り崩しが進む見通しにも変化は見られない。米国の利下げ観測を受けて米金利低下・ドル安が進んでいることもポジティブ。中東情勢の動向にも依存するが、80ドル水準は値ごろ感が強い。一方で、一気に90ドルを試すには、何等かの供給障害発生が求められる見通し。
【大起証券営業部チーフパートナー・坂井田隆弘】
原油に関するお問い合わせは0120―103―365まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/07/17
国内金価格に先高観
東京金は過去最高値を更新している。ドル建て金相場が過去最高値圏を推移する一方、為替が円安傾向を強めていることが、国内金価格の急騰を促している。日本政府・日本銀行の円買い介入によって円安には一服感もみられるが、日本の海外投資拡大を受けて簡単には円安が収まらないとの警戒感が強い。日本銀行の利上げ余地が限定されるため、米国で利下げが始まっても円安・ドル高環境が維持されるとの見方もポジティブ。米利下げ期待で上昇するドル建て金相場、それでも円安・ドル高が維持される為替相場が、国内金価格の高騰を促そう。1万2000円台定着が進めば、1万3000円台到達は難しくない。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・平戸隆司】
金相場に関するお問い合わせは06−6300−5757まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/07/12
銀価格に先高観
NY銀先物相場は30ドル台定着が打診されている。金価格の高止まりに加えて、銀需給のひっ迫観測が強い影響だ。日本でも各地にメガソーラーの設置が進んでいるが、太陽光パネル向けの銀需要が今後数年にわたって増加し続ける見通しにある。長期的には銀使用量を削減する技術開発、リサイクル供給網の整備などによって需要の伸びをある程度抑えられる可能性もあるが、少なくとも目先数年は銀需要の急増を回避することは難しい。代替金属が乏しい一方、供給急増は想定しづらく、需給バランスを維持できない可能性がある。現物市場のスクィーズ状態が、銀価格の一段高を促そう。40ドルも通過点になる見通し。
【大起証券営業部シニアパートナー・猪又敦】
貴金属相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/07/11
原油の押し目買い
原油相場は80ドル台前半で売買が交錯している。需給ひっ迫見通しと中東地政学リスクを手掛りに85ドルに迫る急伸地合になったが、上げ一服後の調整売りが優勢になっている。イスラエルとハマスの停戦協議が再開されており、地政学リスク緩和評価が短期筋の利食い売りを誘っている。一方で、国際原油需給の引き締まり観測には何ら変化が生じていない。OPECプラスの減産継続、季節的な需要拡大を背景に、在庫の取り崩しが見込まれている。このため、地政学リスク緩和を前提にしても、押し目買い優勢の展開が維持される見通し。80ドル台に過熱感は乏しく、改めて85ドルを試す展開を想定したい。
【大起証券営業部チーフパートナー・眞田幸弘】
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中部経済新聞「焦点」
2024/07/10
金の上昇続く
NY金先物は2300ドル台での値固めを経て、2400ドル台を試す展開が続こう。米国ではインフレ環境の正常化が進む一方、雇用市場の悪化が始まっており、9月にもFRBの利下げが予想されている。これまで高金利環境で欧米投資家は高騰する金投資に慎重だったが、ECBに続いてFRBも利下げに踏み切れば、新たな投機マネーの流入が想定できる。米金利・ドルの上値が圧迫される中、金相場の物色妙味はさらに高まる見通し。チャートは三角持ち合い相場をブレイクしており、2400ドル台での取引時間が増えてくれば、過去最高値2454ドルを狙える値位置にある。引き続き買い方針で臨みたい。
【大起証券営業部チーフパートナー・平山清明】
貴金属相場に関するお問い合わせは082−221−5500まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/07/09
メキシコペソ上昇再開
メキシコペソ円は8.2円台で下げ一服となり、8.9円水準まで切り返している。メキシコ大統領選・議会選を受けて政治環境の不安定化を警戒した売りが膨らんでいたが、徐々に落ち着きを取り戻しつつある。シェインバウム次期大統領が憲法改正による司法改革、大規模財政出動などに踏み切るとの観測がペソ相場の急落を促していたが、下げ一服となっている。先行き不透感は強いが、パニック的な売りは終息したとみて良いだろう。政治リスクの消化が進めば、依然として11.00%の高金利政策環境が評価されることになる。過熱感緩和が進んでいることもあり、急落前の水準回復想定し、買い方針で臨みたい。
【大起証券営業部チーフパートナー・篠田和彦】
為替相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/07/05
白金は上昇再開中
白金相場は950ドル水準で下げ一服となり、1000ドル水準まで値位置を切り下げている。900ドル台中盤に対しては下げ過ぎとの評価が確立しつつある。4月の調整局面では900ドル水準まで値下がりしたが、下値は着実に切り上がっている。金相場の急伸は一服しているといっても2300ドル台であり、白金の1000ドル割れは下げ過ぎとの評価されている。加えて、電気自動車の普及が世界的に遅れ、ハイブリッド車が人気を集めていることもポジティブ。自動車排ガス触媒需要環境への信頼感が回復している。パラジウム相場も安値修正を進めており、慎重に1000ドル台確立から一段高を打診しよう。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・越智貴哉】
貴金属相場に関するお問い合わせは075・241・7711まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/07/04
やはり強い日経平均
日経平均株価は約2ヵ月ぶりに4万円台を回復した。急ピッチな上昇一巡後の持高調整が上値を圧迫していたが、改めて買いが膨らんでいる。特に6月下旬は3月期末企業の配当金支払いが行われたが、それが再投資に回されたことが株価上昇を促した模様だ。来週は上場投資信託(ETF)が分配金捻出のための売却を行う見通しだが、そこで値下がりがみられると物色妙味が高まろう。配当と同様に分配金も再投資に回される可能性が高い。テクニカル面では、4〜6月の押し目ラインは切り上がり、3万9500円水準の上値抵抗突破で3月22日の4万1087円突破を試そう。その先は4万5000円まで見通せる。
【大起証券営業部シニアパートナー・佐藤規子】
為替相場に関するお問い合わせは03―3543―9111まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/07/03
原油の買い継続
NY原油は80ドル台前半で底固く推移している。世界的に夏季休暇入りする人が増える時期であり、輸送用エネルギー需要の拡大期待が強い。ガソリンやジェット燃料などの消費拡大が見込まれており、それと連動して製油所の原油処理量も増加する見通し。季節的な動きだが、需要サイドからの需給引き締め圧力が想定されやすい時期になる。しかもこのタイミングで中東の地政学リスクが蒸し返されている。イスラエルが対ハマスから対ヒズボラに戦線を拡大しつつある。需給要因で85ドル突破を想定しているが、地政学リスクの支援もみられると急伸対応を迫られる可能性もある。一段高が狙える相場環境とみる。
【大起証券営業部チーフパートナー・坂井田隆弘】
原油に関するお問い合わせは0120―103―365まで。

中部経済新聞「焦点」
2024/07/02
円建て金の買い
東京金は1万2000円水準まで値上がりし、過去最高値に近づいている。大きな売買材料が浮上している訳ではないが、約38年ぶりの円安環境が円建て金相場を押し上げている。日本当局の円買い介入がいつ行われても不思議ではない状況だが、円安の構図を崩すのは難しくなっている。日米金利差が縮小しても円が売られており、市場では日銀の大規模利上げまで円安が続くのではないかとの懸念も強くなっている。日本人の海外投資拡大もドル買い・円売りニーズに直結している。大規模な円売りの実需が発生した状況にある。ドル建て金相場が高止まりする中、円安環境が続くと金相場の過去最高値更新も続こう。
【大起証券営業部チーフアドバイザー・平戸隆司】
金相場に関するお問い合わせは06−6300−5757まで。