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テクニカル理論・法則

グランビルの法則 エリオットの波動論 ボックスの理論
ハッチの10%転換法 三段高下論
グランビルの法則

【買い局面】
移動平均線が下降した後、上昇、あるいは横ばいとなった時に、終値がその平均線を大きく上抜きした時。
移動平均線が上昇を続けている時に、終値が平均線の下に来た時。
移動平均線が上昇を続けている時に、終値が平均線の下に来た時。
移動平均線が下降を続けている時に終値が下落し、平均線から大きく下離れした場合、終値は平均線に向かって短期的な反発が見られる。
【売り局面】
移動平均線が上昇した後、下落、あるいは横ばいとなった時に、終値がその平均線を大きく下抜きした時。
移動平均線が下落を続けている時に、終値が平均線の上に来た時。
終値が移動平均線を下回って推移しており、平均線に近づく上昇を見せたが、結局平均線を上抜かずに下落した時。
移動平均線が上昇を続けている時に終値が上昇し、平均線から大きく上離れした場合、終値は平均線に向かって短期的な反落が見られる。

一口メモ 米国で一時期大当たりを取ったものの、最近は狂言的なチャーチストとして評価の高下が激しいジョセフ・グランビルが考案、広めたものとされている。グランビルは1960年代、ウォール街のハットン・デイリー・マーケット・ワイヤー通信社の記者であった時に、いろいろな投資テクニック理論を唱え始めていた。日本では60年代中頃(昭和30年代後半)に『グランビルの投資法則』という本の中で紹介されたのが始まりと言われている。


エリオットの波動論

(1) 波動のサイクルには大小があるということ。
(2) 大きい波動の一サイクル(上昇一波と下降一波から構成される)は小さい波動の上昇五波(1〜5)と下降三波()の繰り返しから成り立っているということ
【波動論の絶対的なルール3つ】
(1) 第二波(上図2)が第一波(上図1)の100%以上も元に戻ることはない。
(2) 第一波(上図1)、第三波(上図3)、第五波(上図5)の推進波の中で、第三波が最短になることはない。
(3) 第四波(上図4)が第一波のトップを下回ることはない。
※上昇の波、下落の波で意味は反対になります。

グランド・スーパー・サイクル
(数十年から100年前後)
プライマリー[上図TUVWXなど]
(2〜3年)
ミニエット
(数週間)
スーパー・サイクル
(十数年から数十年)
インター・ミディット[図1〜5@〜B]
(数ヶ月から1年以内)
メヌエット
(数日)
サイクル[上図A,B]
(数年から10年前後)
マイナー
(2〜3ヶ月)
サブ・メヌエット
(2〜3日)

一口メモ ラルフ・ネルソン・エリオット(1871〜1947)は米国のテクニカル・アナリストである。NYダウ平均の1854年から1929年に至る約80年間の株価波動を分析し、それが一定のリズムを持って上下運動を繰り返していることを発見した。当時はそれほどの評価を得ていなかったが、1960年に誌上で改めて紹介され、「他の研究と併用するならば優れたアプローチの手段になるだろう」と、米国ウォール街を中心としてその波動論が定着していったと言われている。


ボックスの理論
 
ボックスの理論とは?
相場には上昇場面、下落場面においても必ず足踏みをする時期がある。その一定の相場価格の休養的なもみ合い時期を『箱』に見立てて、「ボックスの理論」として提唱したものである。
要するに、もみ合い時期に入っても比較的大きな幅で上下している場合には、その途中に大きな“箱地帯”があると見て、「支持線で買い、抵抗線で売る」を繰り返していくだけで、かなりの投資効率が得られるというもの。と、これだけでは単なる逆ばりにすぎないが、もみ合いを離れると、素早くそれまでの売買方針を転換するということで、相場のマイナスを最小限にくい止めるとともに、相場の新しい流れにいち早く乗って利益を求めるという手法に特徴が見られる。

一口メモ 「ボックスの理論」は、1960年にニコラス・ダーバスという人が、その著書『私は株で200万ドル儲けた』の中で述べている考え方と実践法。相場のチャート上のフシである上値抵抗線、下値支持線の考え方を相場戦術的に推し進めた画期的な理論である。


ハッチの10%転換法
 
上図の解説
低迷を続けていた相場であるが、久しぶりの反発が見られた(A)。上昇率を計算すると、Aの上昇率は8.6%。「ハッチの10%転換法」で考えてみると、上昇率が10%以下であるので、この時点で反発場面Aは底値圏と認められない。
次の上昇場面Bで同じく上昇率を計算すると、上昇率は10.5%であった。同転換法で考えると、ここで底値を確認したことになる。よって、すかさず買いを入れることとなる。
その後、買いを入れたは良いが、すぐに下落場面Cを迎えることになる。今度はCの下落率を計算すると、下落率は7.5%であった。同転換法から考えると、10%未満であるからここでは売りに転換せず、買い玉を維持することになる。
すると後になって、買い玉維持は大正解となり、大幅な上昇場面を迎えた。
その後も強気の上昇基調の中で、下落場面D,E,Fを迎えるが、いずれも下落率はそれぞれ9.1%、7.0%、8.9%となり、転換期を迎えることはなかった。最終的には、「ハッチの10%転換法」に基づいて買い玉をを維持したことで大儲けしたことになる。
このように、特に一本調子の上げ相場には強みが発揮されるということが言える。

上昇率・下落率の求め方
上昇率[%]=(最高値−最安値)÷最安値    下落率[%]=(最高値−最安値)÷最高値

一口メモ サイラス・ハッチという人が、米国で具体的に「10%転換法」を用いて大成功を収めた。ハッチが実際に利用したのは1週間の終値平均をベースにして、手持ち株式の値段が10%を上下したところで転換するという方法で実行したと言われている。もちろん、全てが成功したというわけではなく、コンスタントに続けていった結果が大成功につながったという。


三段高下論
 
「三段高下」の考え方
要するに相場は上昇相場、下落相場とも3つの段階を形成して動くという考え方である。つまり、上昇相場の場合は、一段上げ一調整安、二段上げ一調整安、そして三段目の上げで天井を形成。下落相場は一段下げ一反動高、二段下げ一反動高、そして三段目の下げで大底を打つというもの。

一口メモ 三段高下論にはいくつかの変型したパターンもある。まず「四段高下」は、通常の三段上げの後、強力な買い材料が入りさらに上昇した場合にできる。また、「二段高下」は上昇過程の途中で、予期していなかった強力な弱気材料が入り、第三段上げが無くなってしまった場合にできる。最後に、二等辺三角形のようになる「一段高下」は、出遅れた相場の一発大狙いで買いが集中した場合にできる。この他にも、いろんな変型パターンがあるが、結局のところ、高下論は“行って来い”の型にはまった論拠である。