大起産業コモディティ日報

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2012/05/18更新
NY金17日:欧州債売り一服で、ショートカバー主導の急反発


COMEX6月限 前日比38.30ドル高

始値 1,538.60ドル
高値 1,579.80ドル
安値 1,538.40ドル
終値 1,574.90ドル


ギリシャ政局が再選挙実施の方向で一応の道筋を示す中、金相場はショートカバー主導で急反発した。


ギリシャでは連立政権樹立協議が不調に終わったことで、6月17日に再選挙を実施する方針が示された。再選挙では反緊縮財政派が一段と議席を拡大する可能性が高く、今後もギリシャ情勢はデフォルト(債務不履行)も含めた不安定な状態が続く可能性が高い。ただ、再選挙の方向性が確認されたことで、少なくとも先行き不透明感が若干後退していることは間違いなく、それが短期筋に当面の利益確定を迫る動きに直結している。アジアタイムからショートカバーを進める動きが強まり、欧米タイムには更に大きく値位置を切り上げた。ニューヨークタイム終盤には株安で上げ幅を削る場面も見られたが、総じて本日の高値圏を維持して引けている。


ギリシャのデフォルトリスクが一段と深刻化するのは6月中旬から下旬以降であり、これによってギリシャ発の金相場に対する売り圧力が一巡したと考えるのは時期尚早である。ただ、少なくとも再選挙実施の方向性が確立したことで、先行き不透明感の一部が解消されていることは間違いなく、これをきっかけに短気筋のショートカバーが膨らみ易い環境にある。再びネガティブな動きがみられれば容易に地合が崩れる可能性は否めないが、当面のネガティブ材料には出尽くし感が広がり始めている。


株式相場は低調な米経済指標を手掛かりに続落したが、商品市場はこれまでの急落幅が大きかったこともあり、下げ一服となっている。本格的な安値是正には至っていないが、パニック的な商品安傾向に歯止めが掛かったことが、金相場の下値不安も後退させている。


このままギリシャ情勢をはやした売り圧力が一服すれば、短期筋の売り玉が積み上がっているだけに、ショートカバー主導で急伸する余地がある。ギリシャ債の急落傾向にも歯止めが掛かっており、このまま欧州債市場の沈静化からユーロ買い戻しの動きが強まれば、短期スパンながらも修正高の可能性が高い。


また、前日の引け後には4月25日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表されており、「数人のメンバーが、景気回復が勢いを失ったり、景気見通しに対する下振れリスクがかなり高まったと判断される場合は、追加の緩和政策が必要になる可能性がある」と指摘していたことが確認されている。前回会合よりも、追加緩和を主張した人数が増えた可能性が高く、この辺が本格的に材料視されると、ボトム確認の可能性が高まる。ただ、本日の新規失業保険申請件数の下振れが金相場にネガティブに機能したことからも明らかなように、現段階でこれがメインテーマになっているのかは疑問視されざるを得ない。依然として、欧州債務問題が主導権を握っている相場になる。中長期的な投資環境は一段と強気に傾くが、本格上昇の前段階としてリスク回避の動きが要求される状況が続く見通し。

【大起産業(株)情報調査室室長 小菅 努(BlogTwitter会員制メルマガ)】