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| リスク志向の高まりが金相場を押し下げるも |
<イベント経過もドル高は変わらず>
COMEX金先物相場は、860ドル水準まで値位置を切り下げる展開。投機マネーがリスクマーケットへの回帰を進める中、債券や商品といった「安全」資産に対する売り圧力が強くなっている。経済環境には特に目立った変化が見られないものの、市場心理がリスクマーケットを志向する動きを強めていることが、ドル高を経由して金相場に対する下落圧力となっている。5日には米連邦公開市場委員会(FOMC)、7日には欧州中央銀行(ECB)理事会といったイベントもあったが、この流れを変えるには至っていない。
<FOMCも反発のきっかににならず>
FOMCではフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標が2.00%で据え置かれ、マーケットの注目していた声明文でも特にサプライズと言える内容は見当たらなかった。マクロ経済環境については、「経済活動は第2四半期に拡大した」とされたものの、「労働市場は一段と軟化し、金融市場は依然としてかなりの圧迫を受けている」と指摘し、引き続き景気の下振れリスクが強いことが示唆された。一方、インフレに関しては「インフレは高い状況が続いており、インフレ期待を示す複数のス指標は上昇している」と、引き続き強い警戒感が示された。もっとも、「経済成長の下振れリスクは残るものの、委員会はインフレの上振れリスクも重大な懸念だと受け止めている」との総括からは、当面は金利水準が据え置かれる可能性が高いと見るのが妥当だろう。マーケットの一部では早期利上げ観測も強くなっているが、現在のインフレ環境で利上げに踏み切るのは容易なことではない。ドルサイドから、「ドル高→金相場下落」のフローが発生するリスクは低いとみている。
<ECB理事会でもドル売り材料探し>
一方、ECB理事会も政策金利は4.25%で据え置いた。理事会後のトリシェ総裁の記者会見では、「金融政策の羅針盤はひとつしかなく、それは物価安定だ」とインフレ抑制が最大の関心事であることが示唆されたが、マーケットでは景気減速リスクについての言及が行われたことが重視され、ECB理事会後はユーロ売り(ドル買い)からドル建て金相場の上値は圧迫された。詳細にトリシェ総裁の記者会見を見る限り、次の政策変更も利上げになる可能性が高いと考えているが、現在のマーケットでは強引にドル買い材料が探されており、市場心理がリスクテイクに極めて積極的になっていることが窺える。
<ドル高と金相場の下落は行き過ぎ>
株・ドルなどのリスクマーケットに投機マネーは回帰しているが、行き過ぎた先行き楽観論に基づく調整局面と評価している。引き続き、ドル高局面では押し目買いに徹し、ドル安転換からの反発を待ちたい。これまで金相場を押し上げてきた投資環境に変化は見られない。 |
| 【2008.08.11 大起産業(株)調査研究室 小菅 努(Blog)】 |
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