|
| Daiki Crudeoil Report Weekly |
| 下げ地合の転換にはドル安が必要か |
<市場心理は弱気に傾く>
NYMEX原油先物相場は、115ドル水準まで値位置を切り下げる展開。特に積極的に売り込む材料は見当たらないが、ドル高やテクニカル面での弱気見通しを背景とした売り圧力が強くなっており、下値模索の展開が続いている。ファンダメンタルズ関連では、寧ろ相場押し上げ要因が目立ち始めているが、現在の原油相場ではこうした相場に対するポジティブ要因は軽視されがちであり、戻り売り優勢の展開を否定するのが難しい情勢となっている。
<ハリケーンシーズン到来も>
ハリケーンシーズンが到来して、メキシコ湾を中心に石油生産に突発的なトラブルが発生し易くなっているが、今年は目立った被害が確認されていない。先週は熱帯低気圧「エドワール」がテキサス州を通過したが、勢力が予想されていた程に強まらなかったこともあり、海上の一部従業員が緊急避難した他は、影響は限定された。海面温度の上昇で今後もハリケーンが発生し易いが、実際の操業トラブルなどが発生するまでは、相場押し上げ効果は限定的とみている。
<OPECの増産は織り込み済みも>
ロイター通信の調査によると、7月のOPEC産油量は日量3,258万バレルと推計され、前月の3,233万バレルを25万バレル上回った模様。サウジアラビアが増産体制と強めていることで、OPEC全体の生産水準が引き上げられている。ただ、サウジアラビアとイラクが産油水準を引き上げていることは、7月のかなり早い段階から確認されており、こうした調査には特に新鮮味がない。ただ、原油市場ではこの発表を手掛かりに売り込まれており、強引に売り材料を探している印象が否めない。
<地政学的リスクも高まるが>
1日には、イラン革命防衛隊のジャファリ司令官が、「(イランが攻撃を受けた際には)ホルムズ海峡を用意に閉鎖することが可能だ」と指摘した。従来であれば、この種の発言にマーケットは強く反応したが、現在の原油相場では殆ど話題にすらなっていないのが現状である。イランがウラン濃縮問題に関して再び強行姿勢を強めるなど、押し目を買い拾う材料は多数見られたが、現在の原油市場ではテーマ化されづらい。
<ドル相場に注目>
明らかな投機的下げ相場だと考えているが、基調の転換にはリスクマーケットからの資金還流、特にドル安が必要と考えている。実体経済には変わりがない以上、このままドル高から原油安の流れが続くことはないだろう。ドル相場の動向に注目したい。 |
| 【2008.08.11 大起産業(株)調査研究室 小菅 努(Blog)】 |
|
|
|