
7月24日(木)
YMD波動研究所 西宮史朗氏に聞きました
東京金の予想
7/11のアメリカでは株安・債権安・ドル安のトリプル安となったので、アメリカ政府としてもこのままドリップ安を放置しておくとは思えない。早々に手を打ってくると思われる。7/15にはバーナンキ議長の議会証言があると言われているので、先々はともかく、目先的には東京金も7/15前後の動きに注目されたい。そこで今週は「週の前半高・後半安」とみた、と予想したが、この予想通り7/15は3336円の高値をつけた。翌7/16は3284円と下げたので、下げ幅は57円であった。このまま週末まで推移すれば予想通りだったのだが、7/17は3293円と小幅な上げであったが、週末の7/18は前日比20円高の3331円と反発して終わった。
今週は3連休で7/22の月曜日が振り替え休日となるので。立会いにっ素は4日間である。ところで、NY金は7/18が前日比12.7ドルと安かったものの、日柄からみた目先の安値日が7/23(±1日)となるので、7/23を中心にして、7/22が安値日となるのか、それとも7/24が安値日となるのかを考えた場合、NY金の高値の変化日が7/212となるので、東京金の7/22は前週末比高が予想される。なお、東京金の変化日は7/24なので、両者の兼ね合いからみて、東京金は7/23は小幅高・安のいずれかであろう。そして、7/24高、7/25安と予想した。
HN : クロワッサン 氏に聞きました
物価上昇への家計への悪影響が深刻化
エネルギー及び原材料の価格高騰は、1年以上前から企業業績を蝕み続けているが、昨秋以降は上昇したコストの上昇を販売価格へ転嫁する動きが広がり、今度は家計への悪影響が深刻化している。6月の消費動向調査をみると、消費者のセンチメントは6四半期連続で悪化、1982年の調査開始以来の最低記録を更新している。業績悪化を背景に賃金の改善が滞り、ボーナスは減少、雇用に対する安心感までが遠のいており、こうした中で、物価が上がっているため、暮らし向きの悪化を痛感する人が日に日に増えているのである。
当然の自己防衛として、家計の財布の紐は堅くなっている。前述の調査によると、耐久消費財の購入意欲は、消費税率引き上げ直前の1997年3月さえをも下回る過去最悪の結果となった。北京五輪を控えデジタル家電に対する需要は押し上げられていたはずだが、物価上昇による実質購買力の抑制や、ガソリン高で自動車の購入意欲が極端に落ち込んでいることなどから、耐久財全般に対する購入意欲は低下の一途を辿っているのである。
サービス等への支出意欲も低下が著しい。「家事代行サービス」、「スポーツ活動費」、「遊園地等娯楽費」、「コンサート等の入場料」、「レストラン等外食費」に対する支出意欲はすべてが悪化、総じて見れば過去最低となっている。とりわけ、最近値上げが相次いでいることを背景に、「レストラン等外食費」の悪化が著しい。旅行についても、国内・海外ともに、手控える動きが広がっている。燃油サーチャージの引き上げによる旅行代金の上昇などが直接悪影響を与えているのだろう。
1年後に物価が上昇すると予想する家計の割合は、全体の9割近くを占めている。ガソリンに始まった今回の価格上昇は、生活必需品に波及し、今や食料品の6割強が前年対比で上昇する状況だ。購入頻度の高い商品の値上がりが続いていることで、家計が物価上昇を痛感していることが改めて確認される。その一方で、株価や不動産価格の値上がり期待はすっかり剥落し、いわゆる逆資産効果が消費を更に抑制する要因となっている。消費関連統計はすでに軒並み悪化しているが、この物価上昇が続く限りは、改善は見込めそうにない。
HN : マニアック・ディーラー氏に聞きました
サブプライム・ローン関連の巨額の損失
昨年(2007年)7月、8月に、サブプライム・ローン問題をきっかけに、ドル円は、大きく下落した。
ドル円に関しての大きな転換点は、その時期(2007年7月、8月)だった、と考えている。
「プラザ合意」以降(1985年以降)のドル円は、おおむね2〜3年ごとに、大きく上下動を繰り返して
いる。
マーケット(外国為替市場)を振り返ると、2005年1月の1ドル=101円から、2007年6月の1ドル=1
24円までが上昇トレンドの期間。このスパン(期間)が、2年6ヶ月。
2007年7月、8月の大きな下落で、ドル円の上昇トレンドは終焉を告げた、と考えている。
通常は、上昇トレンドのスパン(期間)と、下落トレンドのスパン(期間)では、上昇トレンドのス
パン(期間)の方が、若干長い。
そう考えると、今回の下落トレンドの期間は、1年半から2年程度になる可能性が高いのではないか、
と考えている。
上述の通りに、下落トレンドに転換したのは2007年7月、8月頃と考えている。
スタートをその時期とすると、2008年いっぱい、ないしは2009年半ば頃まで、ドル円の下落トレンド
が継続するのではないか、と考えている。
ドル円相場(外国為替相場)は、大きなトレンドに従って売買を行う方が利益を得やすい。
つまり、上昇トレンドの場合には、「ドル買い円売り」でトレード(売買取引)を行い、下落トレン
ドの場合には、「ドル売り円買い」をトレード(売買取引)の中心に持ってくる、ということ。
トレンドに逆らって売買をしてもなかなか利益に結びつかない。
トレンドに逆らって売買を行っても勝つ方法はあるのだが、それには、かなりのテクニック(技法)
が必要となる。
トレンドに従った方が、利益を得やすいし、何よりも、精神的に楽だ。
週末(7月13日日曜日)には、ポールソン米国財務長官が、米政府系住宅金融2社(ファニーメイとフ
レディマック)に対しての救済に関してのコメントを発表するなど、異例の行動を行っている。
サブプライム・ローン関連の巨額の損失は、根が深く、米国政府がそういった異例の対応をせざるを
得ないほど、ひどい状況が続いており、まだ、予断を許さないことを示している。
今週と来週は、シティバンクなどの米国大手銀行の決算が発表される。サブプライム・ローン関連の
巨額の損失が拡大しているのではないか、あるいは、隠蔽していた損失があぶり出されるのではないか
、と危惧している。
7月14日(月)
YMD波動研究所 西宮史朗氏に聞きました
7/14〜7/18の東京金の予想
先週は“3日間の周期とみると、7/3からの3日目は7/8となるので、7/9からは上げ相場となるので、7/7〜7/11の東京金の動きは週の前半安の後半高となろう。”と予想した。これに対する現実の動きは「7/3の3247円を高値に、ここから3日目は7/11となるが、7/9は3229円と前日比+8円で、7/10は前日比-1と小幅な動きであったが、7/11はイランがミサイル発射実験をしたことが材料しされて、前日比+18.6ドルの959.5ドルとなった。このことを受けておおまかな計算では、7/14の東京金は18.6*4=74.4円ほどの値上がりとなるが、7/11の為替が前日比0.75円の円高となったことと、7/11の段階で既に40円ほどの先取りをしているので、実際には40円ほどの値上がりで始まるかもしれない。それはともかく「週の前半安・後半高」の予想は実際の相場と一致したことになる。
ところで、今週の東京金の動きだが、7/14では2/27の3319円を抜いて、新高値に躍り出たことになるので、もう一段の上げが期待できそうだ。それというのも、7/11のNY商品市場では全商品高であったし、シカゴでも主要商品が軒並み高かったので、7/14の東京商品市場でもその流れを汲んで全商品が高いと予想されるからだ。ただ、7/11のアメリカでは株安・債権安・ドル安のトリップ安となったので、アメリカ政府としてもこのままトリップ安を放置しておくとは思えない。早々に手を打ってくると思われる。7/15にはバーナンキ議長の議会証言があるといわれているので、先々はともかく、目先的には東京金も7/15前後の動きに注目されたい。そこで今週は「週の前半高・後半安」とみた。
HN : クロワッサン 氏に聞きました
景気後退局面入りが鮮明に
6月景気ウォッチャー調査の現状判断DIは、前月から2.6ポイント低下して29.5となり、日本経済が景気後退局面にあった2001年10月(27.2)以来の低水準を記録した。低下は3ヶ月連続、景気拡大・縮小の判断の分かれ目となる「50」を下回るのは15ヶ月連続である。主因はやはり、エネルギー・原材料価格の高騰である。同調査の回答をみると、「輸送量確保はしているものの燃料費の高騰で利益は減少」、「原材料価格の上昇分をほとんど転嫁できず、収益悪化が続いている」など、採算悪化を指摘する内容が目立つ。一方で、「大幅値上げをした企業の多くでは受注量が激減」、「値上げした食料品は売れなくなった」など、コスト増の販売価格への転嫁が需要の減少に直結したと指摘する声もある。まさに八方ふさがりの状況である。
原油価格が年初から約4割上昇するなど、エネルギー・原材料価格高は深刻化している。景気ウォッチャー調査は、その悪影響が広範囲に広がっていることを改めて確認するものといえるだろう。景気減速はもはや、限られた産業、限られた地域での現象ではない。6月調査・日銀短観を見ても、企業部門全体の業況を示す全規模・全産業の業況判断DIは、景気拡大・縮小の判断の分かれ目となる「ゼロ」を2四半期連続で下回った。さらに、7月の日銀・地域経済報告では、2四半期連続で9地域中8地域の景気判断が下方修正され、東海と近畿の景気判断に残されていた「拡大」の文言がついになくなってしまった。
日銀短観や地域経済報告は、日本経済が景気後退局面に入ったことを示唆している。資源国への所得移転を通じ実質所得が抑制され、家計や企業が支出を抑制しており、原油高が続く中で、この傾向が一層強まっているのである。問題は日本に留まらない。世界的なエネルギー・原材料価格高騰を通じた資源国への所得移転で、先進国、新興国を問わず、内需が低迷する非資源国が増えているのである。現在の原油高が定着すれば、世界経済は7-9月に一段と減速するだろう。そうなれば、エネルギー原材料価高騰による価格ショックに加え、輸出減速という総需要ショックが日本そして世界の経済成長を抑制する。インフレリスクが高まる中で、各国の中央銀行はいよいよ難しい舵取りを迫られているが、インフレ加速か景気後退か、もはや痛みのない選択肢は存在しないのかも知れない。
HN : マニアック・ディーラー氏に聞きました
コモディティは強烈に上昇する
物価ないしコモディティ(商品価格)は上昇です。もうすでに強烈に上昇しています。
いわゆる資源インフレです。とにかく全般的にコモディティは上昇傾向です。
ですから、金利に関していうならば、基本的には、すべてが上昇なのです。
金利は、インフレに対抗するものですから、インフレならば、金利の引き上げになるはずなのです。
しかし、サブプライム・ローンがらみの緊急避難でもって、米国は一時的に利下げになっています。そして、その利下げは、インフレをますます加速させます。
そしてそのインフレに対抗していくには金利を上げて、全体的な調整をしなければいけないのだけれども、いわゆるサブプライム・ショックに伴う損失を救う意味で、アメリカは緊急避難的な利下げを行いました。
ポンドも同じ行動をとっています。
ユーロも同じような行動をとりつつあります。いまのところはステイ(据え置き)、もしくは引き締め(利上げ)ですけれども。
日本は利上げだったけど、そういう意味で利上げが先送りされています。
だから、円金利が上昇しないのは、これは緊急避難なのです。
本来は上昇傾向だったはずなのに、緊急避難的に、執行猶予措置をとったわけですから、インフレを加速する方向でますます働きます。
アメリカは利下げしてインフレが加速していくと、円もそれに伴って円高になっていくはずです。ドル安方向になっていきます。そのパターンでくると、いまとりあえず円株は利食いじゃないけど、資金化のために売られましたけども、アメリカがだめだといった場合に相対的に日本が見直されていって、日本に対する投資意欲というものが出てくると思います。
為替で円高になって日本株が上昇していくならば、日本は買いだということになって、改めて日本に対する投資が、ブームとは言わないまでも、いまよりはマシになってきます。
そして基本的に日本株高は円高になりますから、いままでが逆の動きになっていただけで、むしろ本来あるべき姿に戻ります。
だから、ある意味では日本株高の円高傾向というのは全然おかしなことを言ってるわけではない。たぶん、この四つに関してはそういう方向で当面のところは、1年ないし1年半ぐらいで、その見方で間に合うようになる、と考えています。
コモディティで見なければいけないものは、オイルとそれからゴールドです。
この二つを見ておけば、だいたい想像がつきます。
例えば農産物だとかそういうのは特殊要因とかがありますけど、別に例えばコーンが高騰したって、たしかにトウモロコシを原材料にお菓子を作っている菓子メーカーは困るかもしれないけれど、トウモロコシが極端に高くなったって、じゃあ小麦でいい、米でいいと、普通の人はなる。
要するに誰も困らないのです。
大豆がやばいといいますが、しかも中国がかなり消費国だから、もっと上がる懸念もありますが、もちろん特殊的に、日本人だったら納豆とか味噌とかで困るともいえます。でもそれはある意味では正しいのですが、食べるものを変えればいいだけのことです。
変な話、納豆が10年後にはウニみたいに高級食材になってるかもしれません。
でもそれはそれでいいではないですか。
昔のクジラのようなものです。昔は給食でもクジラを食べていたけれど、いまはクジラなんて高くて食えないという時代です。
でも海にはいまクジラが溢れている。不思議ですが、食生活くらいはなんとか変えられるものです。
HN : マニアック・ディーラー氏に聞きました
早いもので、今年も1年の半分が終了
早いもので、今年も1年の半分が終了した。
そして「米国失業率(雇用統計)」を週の後半(7月3日木曜日)に控えている。
しかし、振り返って考えると、先月の6月6日(金)に発表された米国失業率では、前月と比べると、たった一ヶ月で、0.5%も悪化して、米国のリセッション(景気後退・景気悪化)を明瞭に示した。
それなのに、それは「ドル売りの材料」に今のところ、なっていない。
今後、改めて、それが材料になる可能性は高いが、それ(今のところの値動き)は、いかにも不自然で、気分が悪い。
マーケットは、その時、その時の、センチメントに左右される。
マーケットの「ご都合主義」で、『失業率悪化』を無視して、『株価堅調を材料に、ドル堅調地合い』でも構わないが、『株価が堅調で、ドル下落のパターン』も、頭に入れておいた方が良いのだろう、と考えている。
実際の、直近のマーケットでは、『株価が不調で、ドルが下落気味のパターン』になっているが、仮に、『株価が堅調でも、ドル下落のパターン』を視野に入れておく、ということ。
もう少し、説明を加えておこう。
たまたま、このところ、『株価の堅調は、ドル円の買い』という『コンセンサス(お決まりの行動)』に、なっているが、その『コンセンサス(お決まりの行動)』は、セオリーではない。いつ崩れてもおかしくない程度のアノマリーに過ぎない。
もっとストレートに言えば、今だけ限定の、アノマリーに過ぎない。
ただし、今後の地合いを考えるならば、『株価が不調ならば、ドル下落のパターン』は鮮明に継続するだろう、と考えている。
先週には、ニューヨーク市場で、FOMC(Federal Open Market Committee:連邦公開市場委員会)があった。
FOMCの結果は大方の事前の予想通り。ドルの政策金利は、2.00%で据え置かれた。
注目されていたのはFOMC声明文。
インフレ懸念から、今後、(今年の後半にも、)ドル金利引き上げを示唆するような文言が盛り込まれるのではないか、といった思惑が流布していた。
しかし、特段に、ドル金利の引き上げを示唆するコメントは無かった。
『米国は、現在、リセッション状態(景気後退局面)にある。』
先月(2008年6月)の初めに発表された米国失業率を筆頭に、このところ発表された米国経済指標を見れば、明らかなリセッション(景気後退)だ。
『今年の後半に、米国経済は回復する』といった意見(米国経済楽観論)を、巷間、よく見かけるが、本当にそうなるのか?
それとも、『現状のリセッション状態(景気後退局面)が継続する』のか?
その時になって見なければ、誰にもわからない。
『今年の後半に、米国経済は回復する』といった意見(米国経済楽観論)は、そうあって欲しいという願望に過ぎない。典型的な『ポジション・トーク』と言える。
景気は循環しているのだから、景気の良いときもあれば、景気の下降局面になれば、当然に、景気は悪くなる。
センチメントが悪化することを避けたいので、意図的に、そういった楽観論を流しているのだろう。そう考えている。
しかし、常識的に考えるならば、『現状(2008年年央)が、リセッション(景気後退)なのだから、今年の後半もリセッション状態(景気後退局面)が継続する』と考える方が、むしろ正論だ。
景気が悪化している場合に、短時間で、急激に、V字回復するケースは、稀だ。
6月30日(月)
YMD波動研究所 西宮史朗氏に聞きました
6/30〜7/4の東京金の予想
先週は6/23(3149円)頃が買い場と見たが、安値は6/25の3111円であったから、6/23に買った場合38円ほど高く買ったことになる。しかし、その後は6/27まで買い上がった。予想では6/26高(+-1日)と見ていたが、6/27も3173円となったので、我田引水ながら予想通りであったと思っている。
ところで、6/27のNY金が16.2ドルと上げたので、6/30の東京金も高いといえる。そこで今週の動きを次のように予想してみた。
6/27の3173円で、6/20の3153円を抜いて2/27の3319円以来からの大下げの戻り高値となった。そこで、4/18以降の動きを追ってみると、4/18〜6/4=9日(3*3)、6/4〜6/9=3日、6/9〜6/12=3日、6/12〜6/20=6日(3*2)、6/20〜6/25=3日と、3日または3日の倍数で動いているので、6/27からの3日目は6/30となる。この日の高値を考えると、6/4〜6/9=104円、6/12〜6/20=119円(日数が多い)となるので、6/25の3111円に104円を加えれば3215円となる。これは6/27の3173円より42円高となるが、6/27のNY金が+16.2ドルとなっているので、単純に計算した場合、東京金に対しては64円の値上がり(為替などは計算外)となる。そこで6/30の東京金は3200円前後となるので、目先の上げ幅としては良いところにきたといえないだろうか。
ところで、下げも3日ならば6/27からの3日目は7/2となるので、この日の前後の相場は安いと思われる。しかも、4/1、5/2、6/4と月初に大幅安となっているので注意されたい。
このような見方から、今週の動きは、週初は高く、週の前半安・後半高となろう。
HN : クロワッサン 氏に聞きました
日本の交易損失が大きい理由
エネルギー・原材料価格の高騰が日本の内需の重石となっている。コストの増大によって企業業績は昨年4Qから経常減益に転落、ガソリンや食料品の値上がりで家計部門にも悪影響が広がり始めた。交易条件の悪化に伴う海外への所得移転(交易損失)は大幅に拡大しており、企業や家計の支出の源泉となる実質所得が減少している。これでは内需が低迷するのも無理はない。
エネルギー・原材料価格高の悪影響はほとんどの非資源国が被っているが、日本の交易損失の規模は突出して大きい。1Qの交易損失をGDP比で見ると、米国0.8%、ユーロ圏0.4%に対し、日本は4.5%に及ぶ。交易損失の規模に差が生じるのは、貿易構造が異なるためである。交易損失は輸出物価と輸入物価の相対的な動きによって規定される。このうち、輸出物価は米国や欧州に比べて、日本の伸び悩みが目立つ。これは、日本の比較優位財(輸出財)が、世界的に相対価格が下落している電気機器や自動車などの工業製品に集中しているためだ。米国やユーロ圏は工業製品だけでなく、価格の上昇している食料品や飼料も輸出している。つまり、工業製品以外にも比較優位を持っている。これが輸出物価の上昇につながり、輸入物価上昇の悪影響をある程度、緩和しているのである。たとえば、米国の輸出のうち9%は食料品、5%はエネルギー関連であり、それぞれ前年比30〜40%上昇している。2008年5月の米国の輸出物価は前年比8.0%上昇したが、食料品とエネルギー関連で計5ポイント押し上げられている。同時期の日本の輸出物価は(契約通貨ベースで)前年比2.6%であり、食料品とエネルギー関連を除けば、米国と日本で輸出物価に大差はない。世界的な資源価格上昇は資源国に多大な恩恵をもたらす一方で非資源国に悪影響を及ぼしているが、非資源国の中でも比較優位の違いによって明暗が分かれているのである。